マンションの固定資産税はいくらかかる?基本や計算方法を解説!
マンションや一戸建てなどマイホームを手に入れたものの、「固定資産税がどれくらいかかるかわからない」「どのように請求が来て納付するのかわからない」という人は多いのではないだろうか。
マンションなどの土地や建物を保有した際に毎年納める必要のある固定資産税について、基本の考え方から計算方法、マンションにかかる固定資産税の軽減措置、納税時に損しないためのポイントなどを解説していこう。
目次
固定資産税とは?
固定資産税とは、マンションなどの土地や建物、償却資産(事業用の機械など)といった固定資産の所有者に対して課される税金のことである。一戸建てに限らず、マンションを購入した場合もその持ち分に応じて土地と建物の固定資産税を納税する必要がある。
固定資産税の納税義務は所有者にあり!
マンションの固定資産税の納税義務は、使用者でなく所有者にある。購入したマンションを賃貸に出している場合も、納税通知書はマンションの入居者ではなく所有者に送られてくる。納税通知書は、納付期限前十日までに交付され、共有名義の場合は代表者としてマンション共有者の1人に送付される。
固定資産税は、毎年1月1日を基準日として東京都・市町村などの地方公共団体が税額を決める。固定資産課税台帳に登録されている1月1日のマンション所有者が課税対象となるのだ。
たとえ、年の途中でマンション所有者に変更があっても、その年の納税義務は1月1日のマンション所有者にあり、金額の増減も発生しない。そのため、マンションなどの不動産売買においては、売買した日を基準に日割り計算で固定資産税の一部をマンションの買い手が負担するという方法がとられる。
固定資産税の支払いは年に4回
マンションなどの固定資産税の納付期限は原則として「4月、7月、12月、2月」の年4回だが、市町村ごとに期日を定めることができる。たとえば、東京都の場合は6月が第一期の納期限である。それぞれの納期限は、各市町村のホームページを確認しよう。
どんなものが固定資産税の対象資産になる?
固定資産税の課税対象となるのはマンションや一戸建てだけでなく、さまざまな土地・建物および償却資産である。
土地の種類は田や畑、山林、牧場、原野、塩田、鉱泉地、池沼など多岐にわたる。建物もマンションなどの住居用に限らず工場や事業活動に使われる資産などの機械、船舶、装置、工具、器具、車両、航空機、塀、塗装された路面なども対象となる。
固定資産税の計算方法
固定資産税の計算式
マンションなどの固定資産税は、下記の式で算出される。
1.4%というのは標準税率であり、各市町村の条例で異なることもある。
固定資産税と都市計画税
都市計画税とは、市街化区域と呼ばれる下記の区域にあるマンションなどの固定資産に対して課税されるものである。
- すでに市街地を形成している区域
- おおむね10年以内に計画的に市街化を図るべき区域
都市計画税の限度税率は0.3%とされているが、ほとんどの地域では0.3%が採用されている。なお、固定資産税と都市計画税はあわせて課税され、同一の納税通知書でまとめて通知される。
固定資産税評価額(課税標準額)とは?
マンションの固定資産税の算出に使われる固定資産税評価額は、マンションなどの建物の場合は「同じ建物を再び建てた場合にかかる費用」、土地の場合は「公示価格の7割程度」をもとに決められている。
首都圏などでは、マンションの土地が実際に取引される実勢価格は、公示価格よりも2割程高いことが多く、人気の場所ではその差が大きくなる。さらに詳しくみていこう。
土地に対する課税標準額の計算方法
マンションなど住宅用の固定資産税を計算する場合、「土地」と「家屋」に分けて考える必要がある。そして、土地の課税標準額を理解するためには、「路線価」と「評価額」の関係が重要だ。
「路線価」とは、その土地の用途(住宅地か商業地か)や国道に面しているかなどの立地を加味して国が決定するものである。この路線価をもとに、土地の状況(奥行き、間口、形状)などによってその土地の価値を割り出したものが「評価額」だ。
評価額に特例措置を適用し、課税標準額が決定される。これに、各市町村ごとの固定資産税率をかければ、土地の固定資産税額が算出できる。
家屋に対する課税標準額の計算方法
マンションなど家屋の課税標準額も、評価額をもとに計算される。ただし、マンションなど家屋の場合は下記の計算式を使う。
- *¹:その家屋と同じものをもう一度建てた時にかかる建築費
- *²:使用年数ごとに下がっていく家屋の価値の減少率
- *³:1円に物価水準による補正率及び設計管理費等による補正率を乗じた価額
こうして計算された評価額に、各種特例措置を適用したものが家屋の課税標準額となる。
固定資産税の「評価替え」は3年ごと
マンションなどの固定資産税算出のもとになる固定資産税評価額は3年ごとに評価替えが行われ、世の中の成りゆきにそって税額の見直しがされる。
土地であれば地価の上下で変わるが、マンションなどの建物は、時が経つにつれて基本的に固定資産税は減少していく。建物の増改築を行った場合は、その分建物の価値が増したとみなされ固定資産税が増加する。
ただし、すでにマンションに評価額がある場合は、物件高騰などでマンション再建築費用が上昇したとしても前年の価額を上回ることはなく据え置きとなる。
分譲マンションの固定資産税の考え方
ここまではマンションを含めて一般的な固定資産税の考え方をみてきたが、分譲マンションに限っていうと、固定資産税の考え方は他にも注意すべき点がある。分譲マンションの場合は固定資産税を考える上で下記を考慮する必要がある。
- マンションの専有部分=自分専用の住宅
- マンションの共用土地=他の住人も使う敷地
マンションの専有部分に関しては、家屋としての固定資産税の計算があてはまる。しかし、マンションの共用土地に関しては、マンションの敷地全体に対する自分の専有部分の割合に応じて税額を負担することになる。
つまり、分譲マンションの固定資産税は、建物の専有部分に課せられる税金に加え、共用部分の土地に課せられる税金を専有部分の割合で割った金額も支払うことになることを覚えておこう。
マンションの固定資産税の軽減措置とは?
固定資産税には、住宅用の土地や建物に対する軽減措置がある。新築マンションの場合は、要件を満たすと建物部分の税額が5年間、2分の1に軽減される。
マンションの固定資産税の軽減措置を受けるためには、原則として建物の利用状況の申告が必要だ。申告がなくても軽減された税額で納税通知書が送付されるケースもあるが、もれなく軽減措置を受けるために、自分の購入したマンションがどのような固定資産税の軽減措置の対象になるかを理解しておき、届いた納税通知書を確認しよう。
土地部分の軽減措置
マンションなどの集合住宅では、固定資産税のもととなる課税標準額が敷地全体の面積を居住用住戸の数で割った面積で判定され、下記の軽減措置が受けられる。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税評価額が1/6に軽減
- 一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税評価額が1/3に軽減
固定資産税と同じく、都市計画税にも下記の軽減措置が適用される。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税評価額が1/3に軽減
- 一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税評価額が2/3に軽減
建物部分の軽減措置
マンションなど新築の建物は、固定資産税の軽減措置を受けることができる。課税床面積120㎡までの部分について一定期間、固定資産税額が1/2に軽減される。
ただし建物部分の固定資産税軽減措置を受けるためには下記の要件を満たす必要がある。
- 2018年3月31日までに新築された住宅
- 店舗併用住宅の場合、居住用部分が1/2以上
- 居住部分の床面積が50~280㎡(一戸建て以外の賃貸住宅は40~280㎡)
軽減される期間は、新たにマンションに固定資産税が課税される年度から3年度分である。なお、3階建て以上の耐火・準耐火建築物は5年度分となっている。また、建物が長期優良住宅の場合は5年度分になり、長期優良住宅の3階建て以上の耐火・準耐火建築物では7年度分となる。
[関連記事] 不動産売却にかかる税金は?投資用・居住用で異なるポイント
固定資産税の支払いはクレジットカードでもできる?
あまり知られていないかもしれないが、自治体によってはマンションなどの固定資産税をクレジットカードで支払うことができる。マンションの固定資産税をクレジットカード払いにすれば、自宅から納税でき、カードの決済日まで支払いにも猶予ができる。さらに、クレジットカードのポイントやマイルも貯まるため、マンションの固定資産税をカードで支払うメリットは大きい。
ただし、手数料がかかるというデメリットがある。固定資産税のクレジットカードにかかる手数料は自治体によって異なるが、固定資産税10,000円に対し80円(税抜き)程度の場合が多い。
固定資産税をクレジットカード払いする際には、かかる手数料以上のポイントが貯まるカードを利用して、手数料分を相殺できるとよいだろう。還元率が高いクレジットカードであれば、10,000円に対し100円(1%)以上のポイントが還元されるものあるため、そのようなカードを使って、固定資産税の支払いを検討するのがオススメだ。
築年数ごとのマンション固定資産税の計算例
マンションの固定資産税は、土地部分は時価をもとにした評価額から算出されるが、建物部分は資産価値の減少に伴って下がっていく。しかし、新築マンションには固定資産税の減額措置などもあるため、マンション新築時の方が固定資産税が安い場合もある。
では、下記条件の都内マンションの固定資産税の具体的な計算例をみてみよう。
- 新築時購入金額:3,800万円
- 専有面積:88㎡
- 土地の固定資産税評価額:1,500万円
- 新築時の建物の固定資産税評価額:1,000万円
なお、新築マンションの固定資産税の軽減措置を取るものとし、経年による建物の減額分は「東京法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表」の「経年原価補正率表」をもとに計算する。
新築マンションの場合(価格:3,800万円)
建物税額:1,000万円 × 1.4% × 1/2 = 70,000円
固定資産税納税額:(土地+建物=)105,000円
建物部分にはマンションの新築時から5年間半額の軽減措置、土地部分には200㎡以下の小規模住宅用地の軽減措置を適用。
築6年たったマンションの場合(価格:3,500万円)
建物税額:1,000万円 × 0.8335* × 1.4% = 116,690円
固定資産税納税額:(土地+建物=)151,690円
*:0.8335は東京都の定める「経年原価補正率表」の6年後の補正率
築15年たったマンションの場合(価格:3,000万円)
建物税額:1,000万円 × 0.6225* × 1.4% = 87,150円
固定資産税納税額:(土地+建物=)122,150円
*:0.6225は東京都の定める「経年原価補正率表」の15年後の補正率
築25年たったマンションの場合(価格:2,300万円)
建物税額:1,000万円 × 0.3992* × 1.4% = 55,888円
固定資産税納税額:(土地+建物=)90,888円
*:0.3992は東京都の定める「経年原価補正率表」の25年後の補正率
上記のマンションの固定資産税、築年数別の対応表は下記である。
新築(3,800万円) | 築6年(3,500万円) | 築15年(3,000万円) | 築25年(2,300万円) | |
---|---|---|---|---|
固定資産税(土地) | 35,000 | 35,000 | 35,000 | 35,000 |
固定資産税(建物) | 70,000 | 116,690 | 87,150 | 55,888 |
固定資産税総額 | 105,000 | 151,690 | 122,150 | 90,888 |
どっちが得?マンションと一戸建ての固定資産税
固定資産税の観点からみると、同じ金額のマンションと一戸建てでは、一戸建てのほうが長期的には得になるだろう。
マンションは、一戸あたりで土地が占める金額が小さいが、固定資産税の軽減措置は建物よりも土地に対する軽減措置の方が大きい。土地の固定資産税の軽減措置は宅地200㎡以下の部分が1/6の軽減がずっと続くが、建物部分の軽減措置は新築から5年程度で終了してしまう。
また、建物部分の価値の下がり方も、鉄筋コンクリート造(RC)のマンションより木造の一戸建ての方が早いため(参照:経年原価補正率表)、マンションよりも一戸建ての方が長期的にみて固定資産税の支払いは少なくなるだろう。
マンションの固定資産税など購入後の費用も含めた資金計画を立てよう!
マンション購入時には、住宅ローンなど大きな金額にばかり目がいきがちだ。しかし、実際には、マンション購入後も固定資産税や修繕積立金や管理費などの費用が継続的にかかる。マンション購入前にそれらを含めた資金計画を立てていないと、後々苦しい状況に陥りかねない。
長く安心してマンションで生活していくためには、マンション購入前から、住宅ローン以外にも固定資産税などの費用が毎年かかることを認識したうえで資金計画を立てておくべきだろう。
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この記事の監修者
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