不動産投資の税金1(物件購入前の税金)

2020年12月18日1,087

不動産投資を始める前に税金のことを考える人はあまり居ない。

私もそうだったが、購入する前にはたくさんの書籍を読み、セミナーに通い、物件調査のために各地を訪れる。

泊りがけで、複数の物件を見るような場合もあるだろう。

しかしながら、これらの費用が全て経費化出来ると知っている人はこの段階では稀だ。

不動産投資を始める前(家賃収入が発生する前)の費用は経費化が出来るのだ。

是非、私のような過ちは犯さず、自腹を切るようなことはしない方法を学んで欲しいと思う。

物件を購入する前に掛かった経費は、全て経費となるわけではなく、資産計上するものと経費化するもので分かれる。

税の処理を行うには知識が必要だが、ともあれまずは領収書を取っておくことから始める必要がある。

開業費の税務処理

不動産投資は事業なので、購入する前の費用は「開業費」として扱われる。

物件調査に掛かった費用は、個人の場合は全て開業費になる。そして開業費は5年以内に任意償却が出来るというのが、まず覚えておくべき重要なポイントだ。

法人の場合、設立に掛かった費用は「創立費」として処理する。個人と同様に物件の調査費用は開業費となる。

開業費は、以下の3つの要件を満たす必要がある。

  • 業務に関して支出する費用で、かつ、その支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶこと
  • 資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用でないこと
  • 事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用であること

例えば、開業費が50万円掛かった場合、初年度に全額損金計上しても大丈夫だし、3年や5年で均等計上しても大丈夫だ。かなり柔軟に対応可能な経費だと言える。

開業費・創立費は、非常に便利に扱うことが可能なのだ。

注意が必要なのは、既に区分所有のマンションを一戸持っていたり、駐車場を貸しているなどの場合は、もうすでに家賃収入が発生しているので開業している状態になってしまうという点だ。

この場合は、物件を購入するまでの費用も開業費にはならない。

不動産投資の税金2(物件購入時の税金)に続く。

※税理士以外が税理士業務を行うことは禁じられています。税務に関しては、これらの記事を参考にして税理士にご相談下さい。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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