資産管理会社をもたずに損してない?設立する3つのメリット

2019年12月01日5,959

収益物件は個人で購入する以外に、資産管理会社を設立して購入することが可能だ。資産管理会社を使って物件を購入すると、相続対策や税対策などさまざまなメリットを受けることができる。

資産管理会社をもたず損をしていないか、設立する3つのメリットやどんな人向きなのかを紹介していこう。

資産管理会社とは?

資産管理会社とは、自分や家族の不動産や株など資産管理を目的として設立された会社法人のことだ。

資産管理会社をもつことで税制面の優遇をうけられたり、相続対策になったりとメリットがあるため不動産投資家でも設立を検討する人が多い。

資産管理会社を設立する際の手続きや契約面などは通常の法人と変わらない。しかし、資産管理会社は別名「プライベートカンパニー」とよばれるように、通常の法人が行うような企業活動(営業など)はせず、オーナー自身の資産管理のみを行う。

その点で一般的な会社とは設立の目的が異なるのだ。

資産管理会社を設立したほうがいいのは「資産がある人」

資産管理会社を設立することは、不動産投資においてもさまざまなメリットがある。しかし、すべての人が資産管理会社をもったほうがいいわけではない。

資産管理会社を設立して恩恵を受けられるのは、大きな資産がある人や大きな資産を手にする可能性がある人だ。その理由をくわしく説明していこう。

個人の所得が大きい人

まず、資産管理会社を設立したほうがいいのは個人の「所得」が大きい人だ。

所得とは1年間の総収入金額から必要経費(会社員の場合は給与所得控除)を引いた金額のことである。個人の所得が増えるほど支払う税金も大きくなる。

資産管理会社を設立することで、その税金がおさえられるのだ。

個人の所得にかかる「所得税」は所得額により5〜45%まで変動する。対して、資産管理会社などの法人の所得にかかる「法人税」は、所得金額が800万円以下で約22%、所得金額が800万円以上で約30%の二段階式だ。

所得が一定ライン(1,000万円前後が目安)を超えると、個人で支払う所得税よりも法人で支払う法人税の方が税率は低くなる(表1参照)。よって、所得が大きい人は資産管理会社を設立した方が税率を抑えることができるということだ。

【表1:個人にかかる所得税と法人税の比較】

個人にかかる所得税 税率 法人税
(資本金が一億円の場合)
税率
195万円以下 5% 所得金額800万円以下 約22%
195万円超え330万円以下 10%
330万円超え 695万円以下 20%
695万円超え 900万円以下 23%
900万円超え 1,800万円以下 33% 所得金額800万円以上 約30%
1,800万円超え 4,000万円以下 40%
4,000万円超え 45%

相続する予定がある人

次に資産管理会社を設立したほうがいいのは株、不動産などの資産を相続する予定がある人だ。

株式投資や不動産投資で利益を得ている場合、その利益は相続財産として蓄積されていく。現在の相続税制度では、相続税を収める義務は亡くなった人の財産を相続した人に課せられている。

しかし、資産管理会社を設立し、親族を役員にして利益の一部を役員報酬として支払うことで、生前に利益の一部を贈与することができる

経費計上が可能な役員報酬として利益を分割して受け渡していけば、将来相続人たちが支払う相続税の負担を減らすことが可能になるのだ。

本気で不動産投資に取り組む人

本気で不動産投資に取り組もうと思っている人も資産管理会社を設立するべきだ。

物件を3棟以上買い進める予定があり、不動産投資の規模を広げていこうと考えている人は自然と所得が大きくなりやすい。資産管理会社を設立したほうが支払う税金をおさえられる。

それだけでなく、法人で物件を購入し、賃貸経営業の運営実績を積み上げていくと金融機関からの信用がつきやすいのだ。

また、法人は「消費税還付」によって消費税が戻ってくる可能性がある。

消費税還付は支払いすぎた消費税が還付される仕組みのことだが、還付を受けるには資産管理会社(法人)を設立する必要がある

消費税還付について、くわしくは「不動産の消費税還付で500万円得した事例」を参考にしてほしい。

[関連記事]アパート経営者が知っておくべき6つの必要経費マニュアル

資産管理会社を設立する3つのメリット

資産管理会社を設立して行う不動産投資には、個人で行う不動産投資にはないさまざまなメリットがある。資産管理会社を立ち上げることでどんな恩恵が受けられるのかみていこう。

メリット1:経費化できる範囲が広く「節税」しやすい

不動産賃貸業を運営するにあたって、収益を生むために使った費用はすべて経費化することができる

経費計上できること自体は個人でも法人(資産管理会社)でも変わらないが、法人は直接的に必要な費用以外も経費化することができ、経費の対象となる範囲が個人と比べて格段に広い。

たとえば、国税庁が「得意先や仕入先に対して接待したり贈答品を送ったりする際の費用」と定めている交際費。

以前は、資本金1億円以下のベンチャーや中小企業は交際費の10%が経費化されないという規定があった。しかし、平成25年4月に法改正が行われ、年間800万円以下であれば無条件で交際費を経費として計上できるようになった。

さらに平成26年4月には、「年間800万円を超えない部分の金額は経費化可能」か「飲食に要する費用の50%を経費とし、それ以外は経費とならない」のいずれかが選択可能になった。

経費が大きくなる(大きく計上できる)ということは、納める税金が下がり節税につながるということであり、資産管理会社設立のメリットといえる。

ほかにも個人と比較した際に、節税のポイントとなる項目で代表的なのは次のとおりだ。

役員報酬の支給

資産管理会社では、役員に「役員報酬」として給与を支払うことができる。この役員報酬は法人にとって損金(経費)だ。

自分だけでなく配偶者が役員になれば、配偶者にも支払うことができる。役員報酬として支払った金額を不動産所得から引くことで、その分法人としての納税額が下がるのだ。

ただし、役員報酬は個人の所得となり、受け取った人は所得税・住民税を支払わなくてはならない。それでも、役員報酬分に対して法人よりも個人での納税額が低ければ、その分が節税できたことになる。

退職金の支給

資産管理会社では、役員報酬同様に代表取締役や家族従業員へ退職金を支払うことができる。支払った退職金は全額経費として計上できる。

退職金への課税額は次のように計算され、通常の役員報酬よりも税額がかなり低くなることが大きなメリットだ。

課税額=(退職金 - 退職金所得控除額)/2

<退職金所得控除額>

勤続20年以下:40万円×勤続年数(最低80万円)

勤続20年超え:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

社宅の利用

個人の場合、自宅と事務所を兼用していれば使用率の按分によって家賃のいくらか分を経費計上できる。しかし、事務所と居住地が分かれている場合には自宅の家賃を経費にすることはできない。

一方、資産管理会社を利用する場合、事業とはまったく関係ない居住専用の自宅を社宅扱いにすることにより、家賃の50%程度を経費計上することができるのだ。

日当の支給

資産管理会社では、交通費や宿泊費とは別に出張の手当などを支給することが可能だ。たとえば次のような形だ。

  • 宿泊日当を1日当たり2万円支給
  • 日帰り出張手当を1回あたり5,000円支給
  • 交通費を新幹線や航空機の利用クラスを定めて支給

これらはあらかじめ旅費規定として定めておかないといけない。決算の段階であとから作るのはNGだ。日当は会社にとって全額経費となり、もらった側も所得にはならない。

実際のホテル代を5,000円におさえて、宿泊日当を2万円もらうということもできるのだ。うまく使えば、かなりメリットのある仕組みである。

赤字の繰り越し

個人の場合、青色申告をすれば欠損金(赤字)を翌年以降3年間繰り越すことができる。資産管理会社はさらに長く、7年間の繰り越しが可能だ。

欠損金を繰り越すことによって、利益が出た年度に欠損金を計上して節税することができる。

[関連記事] 不動産投資ローンの融資を受けられる金融機関一覧(年収別)

メリット2:相続対策に有利

相続する予定がある人」の章でも説明したが、資産管理会社の設立は相続対策に有利である。

個人で相続をすると資産はすべて相続税の課税対象となる。一方で、資産管理会社を設立すると、親族を役員として就任させ役員報酬(給与)という形で分割して資産を受け渡すことができるようになる。

経費計上が可能な給与として資産を徐々に受け渡していくことで、将来相続税の対象となる相続資産総額を減らすことができ、相続税対策になるのである。

メリット3:厚生年金に加入することができる

資産管理会社を設立すると、厚生年金に加入することができるようになるのも大きなメリットだ。

個人事業主など個人として事業を行う場合、基本的に加入する年金は国民年金になる。会社員などが加入する厚生年金と国民年金では、個人で負担する保険料や将来の受給額などが異なるため、できれば厚生年金に加入したいという人は少なくない。

資産管理会社を設立すれば、会社の役員、社員として所属し、厚生年金などの社会保険に加入することができるようになるのだ。

資産管理会社の設立にはデメリットも?

資産管理会社を設立するメリットを紹介してきたが、資産管理会社の設立にはデメリットも存在する。メリットだけでなくデメリットもしっかり把握し、資産管理会社を設立するべきなのか検討しよう。

デメリット1:設立手続きが必要

資産管理会社の設立は手続きが面倒というデメリットがある。

手続きを自分で行う場合には安い金額で設立することができるが、資産管理会社の設立は慣れていなければ複雑でやや面倒である。

行政書士事務所などに設立を依頼した場合は、合同会社で15万円、株式会社で27万円程度がかかる。設立方法について、くわしくは「資産管理会社の設立方法3ステップ」の章を参考にしてほしい。

デメリット2:維持するための費用や手間がかかる

つぎに、資産管理会社は、設立時だけでなく維持するためにも費用や手間がかかるという点がデメリットだ。

利益がでればでた分の法人税や住民税、事業所税などの税金がかかってくる。たとえ経営が赤字でも法人住民税7万円は必ず発生する。

また、資産管理会社の設立後は会計が複雑化する。自分で会計をすれば安くすむしできなくもないが、それなりの知識と時間が必要になる。税理士や会計士に任せたほうが確実で安全だ。

税理士や会計士に任せる場合には、税理士費用(おおむね25〜30万円)が毎年かかる。

デメリット3:長期譲渡所得の優遇税制が利用できない

資産管理会社を設立すると、長期譲渡所得の優遇制度を利用できないという点もデメリットになりうる。「長期譲渡所得の優遇制度」とは簡単にいうと、物件を5年以上保有すると売却する際の税金が安くなる制度のことである。

物件を売却した際に生じる譲渡益に対する税率は個人と法人で異なる。

個人の場合、5年以内に売却して得た売却益である短期譲渡所得にかけられる税率は39%、5年超で売却して得た売却益である長期譲渡所得にかけられる税率は20%だ。

一方、法人の場合、税率は一律で約39%である。ゆえに、5年を超えた物件を売ろうと思ったら、法人より個人として売却したほうが支払う税金が安くなるのだ。

これについては、毎月の家賃収入(インカムゲイン)を目的に行う不動産投資であれば、あまり意識しなくてもよい。

しかし、5年から10年の短スパンで不動産売却益(キャピタルゲイン)を狙う投資手法であれば考慮する必要があり、法人でなく個人で行う不動産投資を視野に入れたほうがよいだろう。

資産管理会社の設立方法3ステップ

資産管理会社を設立するメリットやデメリットについて説明してきたが、いざ資産管理会社を立ち上げようと思ったら、どのような手順を踏んで設立すればよいのだろうか。

ここでは資産管理会社の設立方法を簡単に説明する。

1.社名、本店所在地、事業目的等を決める

資産管理会社を設立するにあたり、まずは社名や会社の所在地、事業目的等を決める必要がある。

社名

社名は一定のルールに沿っていれば自由につけて問題ない。

社名には、ひらがな、漢字、カタカナ、ローマ字、アラビア数字に加えて、「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「・」(なかてん)、「.」(ピリオド)の6種類の符号を使用することができる。

また、社名には必ず「株式会社」または「合同会社」という文言を付けなければならない。インターネットなどで同一屋号の会社がないかを調べ、それを避けた名前にしよう。

本店所在地

本店所在地は自宅や事務所でもよく、バーチャルオフィスでも問題ない。

事業目的

事業目的は不動産事業のみとし、「前各号に付帯する一切の事業」という文言を入れれば、できる業務の幅も広がる。

資本金

資本金は1円からでも問題はないが、銀行から融資を受けたいのであれば、会社を経営する意思があることを銀行に示すため、それなりの金額にしよう。

基準として、以前有限会社の最低資本として定められていた300万円は用意したほうがよいだろう。

2.会社設立に必要になる書類を揃える

資産管理会社を設立申請するにあたり、いくつかの書類を準備する必要がある。

会社を設立する際に必要になるのが定款(法人の組織・活動について定めた根本規則を記した書面)だ。これは司法書士の先生に作ってもらうとよい。

定款の認証は公証役場で行われる。公証役場で定款と4万円の印紙を出し、手続きを行い、完了時に定款の控えを5万円の手数料と引き換えに受け取る。

司法書士は電子認証ができるため、司法書士にお願いした場合は4万円の印紙代が不要になる。

また、書類の押印や銀行口座の開設に使われる代表者印(丸印)、角印、銀行印の3点は事前に作っておこう。

3.役所へ届け出をだす

資産管理会社の設立に必要な書類などを揃えたあとは、法務局に登記申請を行う。

さらに、税務署、自治体などに次の必要書類を提出する必要がある。

  • 法人設立届書(定款コピー、株主名簿、設立時貸借対照表を添付)
  • 青色申告承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届け出書

事業開始の届け出

税務署への申請は忘れがちだが、必ず行っておこう。「青色申告承認申請書」を提出することで、「欠損金の繰越控除」を受けることができる。

これは決算で赤字が発生した場合、その後7年間繰越で利益と相殺できる措置である。

初年度は赤字になるケースが多く、控除を受けないのはとてももったいない。申請は法人設立から2ヶ月以内が期限である。

資産管理会社の種類と設立にかかる費用は?

資産管理会社を設立する際の法人形態として大きく「株式会社」「合同会社」にわけられる。

資産管理会社を運営するにあたり、法人形態は「株式会社」「合同会社」のどちらでも問題ない。ただし、合同会社のほうが低コストで設立することができる。

ここでは資産管理会社の種類と、設立にかかる費用について説明していく。

株式会社の場合

まずは株式会社の特徴から説明していこう。

株式会社とは株式を発行することで投資家から資金を調達し、調達した資金で事業活動を行なう会社のことである。

株式会社の大きなメリットはほかの法人形態に比べて圧倒的に社会的イメージがよいところだろう。対人からの信用度も高くなる。

株式会社のデメリットとしては、ほかの法人形態と比べて設立費用が高額になることだ。株式会社の設立にかかる費用は次のとおりだ。

  • 定款認証の公証人手数料5万円
  • 登録免許税15万円
  • 定款印紙代4万円
  • 定款、登記簿の謄本手数料 数千円

合計して約25万円の費用がかかる。設立にお金がかかっても、対人からの信用を重視する場合は株式会社を選択するとよいだろう。

合同会社の場合

合同会社とは、会社の経営者と出資者が同一であり、出資者全員が有限責任社員である法人形態のことである。有限責任とは、会社が負債を抱えた場合に出資額以上の責任を負わなくてよいことをさす。

合同会社のメリットは株式会社と比べて設立費用が安いという点だ。合同会社の設立にかかる費用は次のとおりだ。

  • 登録免許税6万円
  • 定款印紙代4万円
  • 定款、登記簿の謄本手数料 数千円

合計して約10万円になる。合同会社は株式会社と比べて登録免許税が安く、定款認証の公証人手数料もかからない。会社設立の費用をおさえたい場合は合同会社を選択するとよいだろう。

資産管理会社は目的や所得水準によって設立するかどうかを決めよう!

 

資産管理会社を作るメリットをわかっていただけただろうか。会社を作るというとむずかしく聞こえるが、資産管理会社を設立することは誰でも可能である。

所得や相続などの事情、生活水準によって資産管理会社を設立したほうがよいかどうかは変わってくるが、不動産投資に本気で取り組み、今後規模を広げていきたい人は資産管理会社の設立を考えてみよう。

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