不動産価格の推移は融資によって決まる

2020年12月16日729

 不動産の価格は、株価や為替などと同様に一定ではなく常に変動し推移している。

この記事では、不動産の価格変動及び推移に影響を与える融資などの要素を考えていきながら、我々投資家がどのような投資判断や行動をするべきかについて考える。

不動産の価格に影響を与える代表的な要素としては、景気や需要、住宅ローンの金利、人口動態などが存在している。

その中で不動産価格に最も影響を及ぼすと考えられているのが「国の政策」である

不動産取引の90%以上が金融機関の融資によって成立している。

融資が出やすい状況になれば不動産取引は活発になり、融資が渋られれば取引は減少することとなる。

金融機関の融資が不動産価格を決めていると言っても過言ではないのだ。

では、金融機関が融資について方針を決める基準は何なのか?

金融機関に対して具体的な指導を行うのは金融庁だが、金融庁の方針を「国の政策」として定めるのは政府だ。

融資を含めた各金融機関の業務は、業務停止などを命じることが可能な金融庁の指導の下「国の政策」を重要視せざるを得ないのだ。

言い換えれば、国が不動産価格の推移を決めているとも言えるであろう。

そのような根拠により、不動産投資を行う上で政府の金融政策は見逃すことができない判断材料となる。

吹き抜けのある部屋/モダンルーム

政府や日本銀行の金融政策がもたらした不動産バブル景気

1980年代後半から91年の不動産バブル景気は、政府や日本銀行の財政・金融政策により景気が過熱化することによりもたされた。

円高不況の問題を抱えていた当時の政府は、金融緩和政策のもと積極的な融資を行うよう金融機関に促し、株価や地価・不動産価格の急激な高騰につながる事となった。

当時は東京23区の不動産はアメリカ全土の不動産の価値があるとさえ言われていたほどだ。

この行き過ぎた状況を鑑みて、不動産価格を沈静化させるための方策として、1990年に政府は不動産向け融資を抑制するためにの「総量規制」を金融機関に通達した。

総量規制により金融機関は融資による貸し出しの上限を設定されることになったのだ。

総量規制は急激かつ極端に行われたので、融資を利用して不動産を購入したり設備投資をすることが出来なくなり、株価及び不動産価格は大幅に下落してバブル経済が崩壊した。

その後「失われた20年」と言われる時代の幕開けとなった。

この例からも、政府による融資の引き締め策や緩和策により、不動産化価格は大幅に上がったり下がったりと推移することがわかる。

金融政策が不動産の融資に影響する

近年では長期間続いたデフレーションを脱却するために数多くの政策を政府は打ち出しており、その1つが大規模な金融政策である。

日本銀行は2%の物価上昇率を目標として無期限の量的緩和策を用いている。

このような政策の影響もあり、バブル時代の経験を忘れていない金融機関は不動産に関する慎重な融資姿勢が変わり、積極的な融資姿勢となりはじめたのである。

数字的にも、不動産価格は2012年半ばを底に値上に転じてきており、それを境に不動産投資も活気を帯びて推移してきた経緯がある。

景気の推移を予測して不動産を買うことは可能なのか?

不動産価格が政府や日本銀行の政策に大きな影響を受けるというとうことが理解できた所で、自分自身の不動産投資への活用法を考えていく。

理想的な方法は、景気が最も悪くなったと思われるタイミング、近年言えば世界同時不況の直後に割安となった物件を取得する方法である。

しかし、現実的には難しい方法である。

その理由としては、不動産価格全体が下落する状況で金融機関の融資姿勢がとる方向性を考えればすぐにわかる。

当然、そのような景気が悪い状況では更なる不動産価格の下落に直面する可能性が高く、金融機関が融資に積極的な姿勢で取り組むとは考えにくい。

そうなると、手元に現金のある投資家や、既に利益が出ている不動産を複数所有していて不動産賃貸業で実績がある投資家でないと、そのような理想的なタイミングで不動産は取得できないと考えるべきであろう。

反対に、金融緩和の中で積極的な融資が受けられる現在のような場合はどうか?について考えてみよう。

不動産取引は活発になっており投資用の割安物件が以前よりは少ない状況だと言えるが、金融機関の競争により低金利での融資も受けられるので、割安な物件があれば積極的に買って良いタイミングだと言えるだろう。

景気は気にせず、自分が融資を受けられるタイミングで物件を買うべき

ここまでの内容で、不動産相場が上下し推移するメカニズムと投資判断の基準について記載した。

不動産課価格の決定には金融機関の融資が大きく影響し、融資が出るかどうかは国の政策によるところが大きい。

また、基本的には相場を予測することは不可能であり、仮にそれが出来たとしても、物件価格が安い状況は融資が閉じていることが原因となっていることが多い。

そのような状況下では、実績がない会社員投資家が不動産の融資を申し込んでも通らない可能性が高いと言える。

そのような観点から言えるのは、シンプルに自分が融資が受けられるときに良い物件を探して購入するという戦略が、不動産投資で中長期的な成功を目指すのであれば合理的なスタンスだと言える。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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