不動産投資において<頭金を多く入れる>や<繰り上げ返済>は有効なのか

2020年12月17日831

 自宅を購入する際に住宅ローンを使う場合、頭金を多く入れたり繰り上げ返済をしたりすることが、毎月の家計負担を減らすために有効だと言われる。

しかしこれは、アパートなどの収益物件に対する融資には必ずしも当てはまらない。

繰り上げ返済は行う必要がない

住宅ローンで、なぜみな頭金を入れたり繰り上げ返済をしたりしたがるのかというと、毎月の給料からローンの返済に充てる金額を減らしたいからである。

ある家庭が、住宅ローンで3,000万円の借入があり、元利均等で利率1・5%、融資期間が30年だとすると、毎月の返済金額は10万3,536円になる。

これに対して、頭金を500万円入れて融資による借入金を2500万円にすると、毎月の返済は8万6280円になる。

頭金を500万円入れたり繰り上げ返済をしたりすると、頭金ゼロの時と比べて毎月1万7256円の負担減になるので、その分だけ生活が楽になるという論法である。

しかし本当にそうだろうか?

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この家庭は、住宅を購入する際に頭金として500万円を貯金から使っている。毎月のお金の流出だけを見ると減っているが、実際は500万円に対して毎年1・5%の金利分しか得をしていない。

この家庭が500万円を年1・5%以上の利回りで不動産を含む金融商品を買って運用することができるのであれば、頭金を入れる行動自体に合理性がないということになる。

ここまで住宅ローンの話をしたが、収益物件への融資については考えるべきポイントが住宅ローンとは異なる。

頭金を多く入れたり、途中で繰り上げ返済をしたりすると、毎月の返済金額が少なくなる点は同じである。

不動産投資では、家賃収入に対する返済の比率は50%を切る水準が安全だと言われており、返済金額はできるだけ少ないほうが不動産経営を安定的に行える。しかし、収益物件を持っていると突発的な事故に見舞われることが良くある。

給排水設備の故障、雨漏り、退去によるリフォームなどいろいろな臨時出費が重なることも少なくない。

そのような時に、住宅ローンの例のように500万円の自己資金を頭金で入れてしまって、貯金額がなくなっていると、これらの臨時出費に対応できなくなるおそれがある。

毎月の返済を少なくして返済比率を下げることは重要だが、不動産投資においては臨時出費に耐えられるだけの自己資金を用意しておくことがリスクヘッジのためには絶対に必要なのである。

投資規模を拡大して資産を増やすためにも資金が必要

自己資金を頭金や繰り上げ返済に利用するべきでない理由は他にもある。前述した住宅ローンの例では、500万円を1・5%以上で運用できる場合は頭金としてお金を淹れないほうがいいという話をした。

これは逆に言うと、年1・5%以上で運用できないのであれば、頭金を入れたり繰り上げ返済をしたりするという選択肢も悪くないということになる。定期預金に預けることしか選択肢がないのであれば、居住用の物件を買う住宅ローンは早めに繰り上げ返済をした方が良いケースもあるのである。

しかし、不動産投資においては様相が異なり、頭金は次の物件の購入資金として活用できる可能性がある。住宅ローンの例と違い、次の物件という運用先があるのである。

次の物件を買うための手付金や頭金にすることができれば、よりキャッシュフローを得られる機会が増えることになる。

投資規模を拡大したいのであれば、自己資金はできるだけ温存しておいたほうがいいのである。

融資を受ける際は、できるだけ頭金を入れず繰り上げ返済もしないほうがいいと私は考えているが、気をつけるべきことが一点ある。

この話は、今のように低金利で資金を調達できる場合に限るという点だ。

金利が上昇する局面においては、繰り上げ返済をして借入金を減らすことが有効な場合もある。

また、数億円など投資額が一定規模以上に達している場合は、資金の一部を繰り上げ返済に回して自己資本比率を上げることが、リスクヘッジや追加融資を受ける際に有効な場合もある。

このように外部環境によって取るべき行動は変わってくるので、借入金を増やして攻めるのか、借入金を減らしてリスクヘッジするのかのバランスは、市中金利が高いのか低いのかによっても変える必要がある。


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この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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