マンション経営で破綻! 失敗した2人の事例からみるリスク対策

2021年06月18日84,297

マンション経営で年間数億円の収益を上げる人がいる一方、ローン返済に苦しみ破綻してしまう人が存在する。その分かれ目はなんなのか?

成功を夢みたマンション経営で失敗し破綻した2人の事例をもとに、マンション経営で失敗しないために絶対におさえておきたい心構えをみていこう。

Aさん・Bさんの話は決して架空の物語ではなく、実際に起きた失敗事例だ。マンション経営に少しでも興味があるのであれば、他人事ではなく明日は我が身というつもりで読んでみてほしい。

マンション経営に失敗する人はそんなに多いのか?

まず、読む前に理解してほしいのは、投資用マンションを買ったとしても、よほどのことがない限り破綻することはないという事実だ。

収益目的のマンションやアパートの融資で有名なスルガ銀行は、マンション経営で失敗・破綻する割合はわずか0.2%(2018年)だというデータを発表している。

これは債務の総額に対しての比率なので、件数ベースではもっと少なくなるだろう。マンション経営は決してコントロールできないほど危険なリスクをはらんでいる投資ではないのだ。

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ケース1:新築ワンルームマンションを買った公務員Aさんの失敗

【マンションオーナーのプロフィール】

  • Aさん
  • 40代/男性
  • 東京都内の市役所勤務の公務員
  • 購入物件:3,200万円のワンルームマンション(新築)、3,400万円のワンルームマンション(築5年)、2,400万円のワンルームマンション(築7年)

はじめに紹介するのは、新築ワンルームマンションを買って失敗したAさんのケースだ。Aさんの事例は、動画でも紹介している。

動画『不動産投資で失敗して破たんした人の事例』

1.「マンション経営を始めないか?」営業マンからの電話

Aさんは、20年間都内の市役所で働いている公務員の40代男性だ。

公務員宿舎に住んで生活をしているため、お金は貯まるがいたって真面目な生活で、派手に遊んだりギャンブルに手をだしたりしたことはまったくなかった。

こんな人がマンション経営を始め、失敗し破綻してしまったのだ。彼をよく知る周囲の人はとても驚いていた。

Aさんが1室目のワンルームマンションを買ったのは5年前のある日だ。Aさんがたまたま仕事から早く帰り自宅にいた時、ワンルームマンション経営の販売営業の電話がかかってきた。

そういった勧誘電話は普段まったく相手にしないものの、営業マンがたまたま同郷だということで、つい話し込んでしまった。

ひとしきり地元の話で盛り上がり、「どうしてもAさんと会いたい。マンション経営の話を聞いてほしい」とお願いされ、Aさんはその営業マンと一度だけ会うことにした。

新聞などのメディアで頻繁に年金制度の破綻が叫ばれ、老後資金に漠然とした不安をもっていたAさん。営業マンが「投資用マンションは年金や生命保険の代わりになる」と電話口で言っていたことに興味をひかれた。

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2.すすめられたのは「新築ワンルームマンション」

新築ワンルームマンションのイメージ

営業マンとは1週間後都内の喫茶店で会うことになった。電話で話した同郷の営業マンと、同席した彼の上司からマンション経営に関する話を聞いた。

営業マンの上司は意外にも女性で、ダークグレーのパンツスーツを着たいかにも仕事がデキる風な女性だった。

彼女らがすすめてきたのは、都内山手線の某駅に建設予定の「新築ワンルームマンション」。新築マンションのワンルーム1室だ。

利回り4%台と説明されたが、当時のAさんは利回りの概念も理解できておらず、マンション経営がなぜ年金の代わりになるのか初めて知った状態だった。

物件価格は3,200万円で、それが高いのか安いのかもよくわからないままだったが、さすがに即決できず、持ち帰らないと決められないと答えた。

別れ際に、「すぐ決めないと明日には売り切れているかもしれない」「こんないい物件はなかなかでてこない」と言われたため、紹介してくれたのは人気がある物件なのだとAさんは思った。

3.友人に相談「裏があるのでは…?危なくないか…?」

不動産会社の2人は、話もしっかり聞いてくれ、その場で強引に契約を迫るようなこともなかったため、Aさんにとって悪い印象はなかった。

同郷の営業マンもその上司の女性も身なりがきちんとして対応も丁寧だったためいい人そうに見え、パンフレットなどの資料も綺麗な作りのものがそろっていて信頼できる会社だと思ったのだ。

Aさんはマンション経営についてなんとなくいいなと思ったものの、初めて聞く話ばかりだったため一人では判断ができずにいた。

そこでAさんは、マンション経営を始めることについて自分の友人数名に相談した。

案の定、友人たちからは「絶対に裏がある話に違いない」「本当に儲かるなら自分だけでやって人にすすめるわけがない」などと言われ反対された。

しかし、「なぜ買ってはいけないか」「どこが問題なのか」を明確に説明できる人はいなかった。友人たちはとくに根拠なく「なんとなく危なそうだ」と言っているだけだとAさんは感じた。

4.頭金わずか「15万円」で、毎月5,000円の家賃収入

家賃収入のイメージ

そうこうしているうちに、「紹介した物件が売り切れそうだ」という電話が営業マンから入った。

若干のためらいはあったものの、Aさんは営業マンを信じて3,200万円の物件を買うことにした。

総額数千万円の物件にもかかわらず、最初に必要な頭金はわずか15万円だった。Aさんは、収支計算(収益シミュレーション)を自分でほとんどやっていなかったが、少なくとも損することはないだろうと思っていた。

その後、無事に契約・決済と進み、Aさんははれてマンション経営を行う不動産オーナーとなったのだ。建設中だった物件は半年たって完成し、ほどなく想定通りの家賃で入居者も決まった。

毎月の家賃収入とローンの差額が月5,000円程度入るようになり、すべてが順調に進んでいた。

Aさんは毎月、家賃収入が定期的に入る預金通帳を見ながら、自分の決断が正しかったことを確信していた。

5.リスク分散のために2つ目の物件を追加購入

その後、Aさんのもとにはなぜかワンルームマンションの営業電話が増え、最初に買った会社とは違う不動産会社の営業マンの話を何度か聞くようになった。

すでにマンション経営を始め利益をだしていたAさんは、不動産投資の知識が少し増え、違う会社の人の話も聞いてみたいと思ったのだ。

そこで聞いたのは「物件を複数保有し、リスク分散をしたほうがいい」という営業マンの話だった。

いくつかの物件を違う場所にもっていたほうが安全だという話には、それなりに説得力があった。

その営業マンの言葉を真に受けたAさんは、その後も何回か打ち合わせを重ね、都内で山手線の某駅から徒歩10分の物件を買うことにした。

この物件は、事前の収支計算では利益がでる想定だったが、実際に募集を開始してみると家賃を下げないと入居者が決まらず、結局実際の収支はトントンぐらい(利益も損失もない状態)になってしまった。

この時点で、Aさんは2室のワンルームマンションを保有することになった。

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6.3年後…マンション経営の問題が表面化

Aさんのマンション経営で問題が表面化したのは、最初のマンションを購入してから3年後だ。

2室あった保有物件の空室がたまたま同時に発生し、それをカバーするためのリフォーム費用が合計15万円もかかってしまった。

リフォームをして募集を再開し、2ヶ月後に2部屋とも入居者が決まったが、家賃はあわせて15,000円も下がってしまった。

結局、空室時のローンも含めて50万円ほどが手持ち資金から一気にでていってしまったのだ。

これまでの収支は、保有する2室あわせて月5,000円しかプラスになっていなかったため、計算するまでもなく完全な赤字である。

この時はじめて、「自分はとりかえしのつかない失敗をしているのではないか」という疑念が、Aさんの頭をよぎった。

7.3つ目の物件購入でさらに深刻な経営難に

保有する2部屋に空室が発生したのと同時期に、Aさんは2つ目の物件を購入した会社の別の営業マンから話を聞いていた。

以前対応してくれた営業マンはすでに退職したようだった。新しい営業マンは信頼がおける風貌の30代だったが、この見立ては大きな間違いだったことがのちに発覚する。

この営業マンが言うには、Aさんはすでにワンルームマンションを2部屋保有していて、普通はこれ以上ローンがおりず物件を買うことはできない。しかし、その営業マンを通して話をすれば大丈夫だと言うのだ。

Aさんはやや疑問に思いながらも、他にはない特別な話だという営業マンのことを信頼し、3つ目の物件を購入することにした。

購入物件は私鉄沿線の物件で、利回りは4.5%と低かったが、具体的な収支計算表を見せられたのはなんと契約当日だった。

家賃9万円に対して返済は7万円前後だという話は事前に聞いていたが、その返済額はじつはローン1つだけの話であった。

そのローンでは物件価格の6割しかカバーできておらず、実際には無担保のカードローンを併用する形ですべての返済をまかなうというのだ。

銀行ローンとカードローンあわせて、返済総額は13万円にもなった。9万円の収入に対して出費が13万円では、毎月4万円もの赤字になってしまう。

しかし、この話を聞いたのが契約日当日だったため、Aさんは営業マンに押し切られる形で契約書に印鑑を押してしまった。

完全に失敗物件を購入したことに後日気づいたAさんは、この営業マンに抗議した。しかし、担当した営業マンからは何の返答もなかった。

そのかわりに不動産会社の事務員から電話で返事があったが、「ローンについては説明済みであり、会社は一切関知していない」という冷たい対応だった。

8.藁にもすがる思いで売却を検討…しかし、売れない!

悩む人のイメージ

その後、月々5万円にも上る赤字額の出費に耐えられなくなったAさんは、物件の売却を決意して大手不動産会社に問い合わせをした。

それとともに、赤字補填のため当面の資金を消費者金融から借りる決断をした。

Aさんが保有する物件の合計購入額は、3戸あわせて9,000万円だった。多少の損はでるかもしれないが9,000万円付近で売れるとAさんは考えていた。

しかし、売却査定を依頼した大手不動産会社からの回答は「6,000万円台でしか売れない」という内容で、Aさんは絶句した。

その会社の担当者いわく、そもそもAさんは1室目の物件からかなり割高で買っており、完成後の中古物件をその値段で買う人はまずいないとのことだった。

その後、数社に売却査定を依頼したが、どこも同じような回答だった。それでは、残りのローンを完済することができない

それから半年たつと、消費者金融の支払いも厳しくなってきた。

Aさんは途方に暮れながらも、その後1年間ローンの支払いに耐えてきたが打開策がみつからず、やむなく自己破産の手続きをすることにした。

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ケース2:1棟マンションを買って失敗した会社員Bさん

【マンションオーナーのプロフィール】

  • Bさん
  • 45歳/男性
  • 関西の大手メーカー勤務の会社員
  • 購入物件:1億円の一棟マンション(築25年)

Bさんは関西の大手メーカーに勤める45才の男性だ。結婚しており、5歳年下の妻がいる。

投資にはもともと興味があり、株はひとしきり経験したが、2008年のリーマンショックで大きく損をしてしまった。その後、仕事が毎日深夜まで続くようになり、投資をする余裕はなかった。

1.株で失敗したBさん、妻のすすめで不動産投資の世界へ

そんなBさんが収益物件を専門に扱っている東京の不動産会社に行くことになったのは、妻から友達経由でその会社の社長を紹介するという話があったからだ。

Bさんの妻は交友関係が広く、Bさんが知らない友人も多くいる。

Bさんと妻は、不動産会社の社長から直接話を聞くことになり、六本木にあるオフィスを訪れた。

その不動産会社は六本木の中心地から数分の場所にあり、内装はモダンなつくりで、Bさんの妻が好きそうなラグジュアリーで華やかな雰囲気だった。

出迎えてくれた不動産会社の社長は30代後半ぐらいでBさんよりも若かったが、一目見て高級だとわかるようなネイビーストライプのスーツを身にまとっていた。

2.仲介手数料無料に家賃保証…不動産投資会社への初訪問で圧倒されるBさん

Bさんと妻は、オフィス内のミーティングルームで話を聞くことになった。

その社長が4年前に始めた不動産会社は、収益マンションを専門に扱う会社で、仕入れた物件の販売を行っているという。

自社販売であれば仲介手数料が無料になるうえに、家賃保証がつくというのがメリットだという説明が社長からあった。その日はいなかったBさんの妻の友人も、札幌にある1億5,000万円の1棟マンションをこの会社から買ったそうだ。

社長は、「お客様ファーストでやっている」「自分たちはプロなのですべて任せてほしい」という話をし、自分がいかに苦労して今の会社を作り、多くの人がマンション経営を始めるべきかということを1時間にわたり語った。

Bさんは、初めての聞くマンション経営の話に面食らっており、すぐに取り組みたいとは思わなかったが、事前に友達から話を聞いていたBさんの妻はかなりノリ気な様子だった。

その日は具体的な物件の提案はなく、Bさんたちは1時間半程度でその会社をあとにすることになった。

その後、Bさんが昼間働いているあいだに、Bさんの妻は何回か電話をうけて説明を聞いていたらしい。

[関連記事] 良い物件があっても不動産会社が自社で購入しない理由

3.月々「10万円」の家賃収入が得られる想定の1億円物件を購入

それから数週間たち、Bさんがマンション経営のことを忘れていた頃、妻から例の不動産会社から物件情報が送られてきたと言われ、Bさんも資料を見てみた。

物件の立地は奈良県の某所で、駅からは近いものの実際どのような場所なのか、九州出身のBさんにはよくわからなかった。地理的には、地元が関西の妻のほうがくわしそうだった。

鉄骨造で築25年と築年数は経過していたが、写真を見る限り物件の見た目はかなりきれいだとBさんは思った。

どうやら、この物件はリフォームをして外壁を塗り替えたばかりらしい。ツートンカラーでおしゃれな雰囲気だ。

物件価格は1億円で、利回りは10%くらいだった。バスとトイレが一緒になった3点ユニットタイプの1Kが30戸ある「1棟マンション」で、その時点での空室はわずか1室しかない。

ずっと満室の状態だったという営業マンからの説明もあり、空室のリスクは少ないように思えた。

念のため、不動産会社を紹介してくれた妻の友人にも奥さん経由で相談したところ、ぜひ買ったほうがいいという反応だった。

Bさんは思案したが、妻のすすめもあり、30年ローンの融資を受けて物件を購入することにした。

Bさんが実際の物件を新幹線に乗って現地に見に行ったのは決済を行う直前だったが、あいにく空室の1部屋はリフォームを行っていて中が見れなかった。Bさんは物件の外見だけを確認して現地をあとにした。

Bさんは、事前に収支シミュレーションを確認しており、月々10万円程度が利益として手元に入る計算だったため、買っても問題ないだろうと考えた。

Bさんの妻も、「これで大家さんの仲間入りができる」と喜んでいた。

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4.購入後に問題発覚!頻発する空室と赤字経営

リフォームのイメージ

しかし、実際に物件を購入してみると、空室が頻繁に発生した。

空室がでるたびに、リフォームに10〜15万円、募集のために約7万円の広告費がかかった。空室は2ヶ月ごとに1戸ずつ発生したため、単月でみると完全に赤字だった。

Bさんは、ローンの返済金利が4.5%と高く、中古物件にもかかわらず30年という長期返済になっていることも気になっていた。

今はリフォームした直後で多少きれいでも、もともとは築25年の中古物件だ。30年後もこのままの家賃を維持して賃貸にだせるはずがない。

5.すでに築25年…この先マンション経営を続けていけるのか?

Bさんは、今後の収支が心配になり調べてみたところ、マンションの外壁を塗ったり水道の配管をかえたりするのには、1,000万円程度の費用がかかることがわかった。

さらに、空室が頻発することを疑問に感じたBさんが現地の不動産会社に聞き取り調査にいったところ、Bさんの物件はバスとトイレが一緒になっており、あまり人気がないといわれた。

これは、購入する物件の間取りがその地域で好まれるかを事前に確認していなかったBさんの手落ちだった。

Bさんのマンション経営はまだ完全に失敗したわけではなく、赤字の月があるもののすぐに破綻する兆しがあるわけではない。

しかし、今後も無事にマンション経営を続けていくことができるか、不安になっていた。

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Aさん・Bさんはなぜマンション経営に失敗した?

Aさん・Bさんの話は、マンション経営における典型的な失敗事例だ。いずれも、不動産会社の営業マンの話を鵜呑みにし、自分での確認や調査を怠っていることが一番の問題だ。

Aさん・Bさんともに、自分で勉強する姿勢があれば、このような事態は避けられただろう。

Bさんのケースは、すぐに破綻することはないと思われるが、銀行はBさんの給与収入をあてにして融資を実行している。

Bさんが買ったような地方の築古鉄骨物件は、詳細を見るまでもなく積算評価が大きく割れていて、地方物件のわりに収益性も低い。さらには、収益評価もよくない。

それなのに、キャッシュフローがマイナスになっていないのは、融資期間が30年と長いからだ。

Bさんは、現在の物件で耐用年数を大きく越えて融資を受けているため、ほかの銀行で借り換えをしたり、追加で物件を購入することは不可能だ。

このままでは売却することも難しいため、ローンの残債が減るまでどうにか耐えるしかない。問題は大きく顕在化していないものの、経営的にはかなり厳しい状況だといえる。

Aさん・Bさんのケースのほかにも、マンション経営でよくある失敗パターンが存在する。

たとえば、「節税効果を期待しての投資」「年金、生命保険対策としての投資」「サブリースによる家賃保証をつけてしまう」「利回り最優先思考」などだ。

どれも必ず失敗に繋がるというわけではなく、やりようによっては利益を上げることもできるだろう。

しかし、マンション経営で重要なのは、局所的・一時的なメリットを追うのではなく、全体を長期的にみる視点だ。

「いかに節税するか」「いかに利回りの高い物件を買うか」など目の前の一部分にとらわれていると、思わぬ落とし穴にハマることになる。

マンション経営は、数年~数十年にわたって利益を追求していく投資だ。物件購入から売却、さらにはその次の物件購入を考えたうえで、自分なりの考えと戦略をもって駒を進めていく必要があるのだ。

マンション経営にリスクはつきもの!失敗しないための心構え

マンション経営などの不動産投資に限らず、リスクが伴わない投資というものはない。大切なのは、そのリスクとどう向き合っていくかだ。

マンション経営のリスクでいうと、次のようなものがある。

保有物件に空室が発生したり入居者の家賃滞納が発生したり、地震などの天災や火災などにより保有物件が機能しなくなり「家賃収入が途絶えるリスク」。

ローン返済の元手である家賃収入が途絶えたり、金利上昇による返済額増加などによって「ローン返済ができなくなる(苦しくなる)リスク」。

家賃収入が不十分で、ローン返済も厳しいがために物件を売却しようと思うも、買い手がつかなかったり、ローンを完済できるだけの売却額にならず「物件を手放せないリスク」。

マンション経営のリスクは、段階ごとに大きく分けるだけでもこれだけある。細かくいえばさらに多い。

マンション経営を行うということは、少なくともこれだけのリスクと向き合い、何らかの対策をとっていく必要があるということだ。大きな金額を動かすということに慣れていない場合、それだけで精神的な負担も大きくなるだろう。

「買っただけで毎月家賃収入が手に入る」という甘い考えをもっているなら今すぐに捨てたほうがいい。「不動産屋や不動産投資家の知人が紹介してくれるなら間違いなく良い物件だ」といった思い込みも失敗のもとだ。

不動産会社の営業マンは、決して投資家の味方ではない

決済をして物件の引き渡しをすれば仕事が終わりだと考える不動産仲介業社は、買ってからが始まりとなる投資家とは見ている景色が大きく異なるのだ。

最終的な判断を行い、責任をとれるのは自分しかいないことを忘れてはいけない。

マンション経営での失敗事例を知り、成功マインドをもとう!

不安感をあおる話が多くなったが、きちんと勉強していれば、実際にAさんBさんのようにマンション経営で失敗する可能性は低い。さらにいうと、知恵をふり絞って対策を講じれば、AさんやBさんの状態から復活することも可能だ。

マンション経営で成功する人というのはたくさんいて、その勝ちパターンは本当に人それぞれである。しかし、失敗する人にはたいていAさん・Bさんのような「他力本願」「勉強不足」といった共通点がある。

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この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
詳細プロフィール

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