REITの利回りと不動産の利回りは意味が異なる

2020年12月17日1,086

不動産投資は特殊な投資だと言われる。

それは、株、ETF、REIT、債券、金などの金融商品と横比較しながら運用することが極めて難しいからだ。

プロの資産運用会社でも、株・債券などの伝統的な資産を扱う会社は不動産を扱わないケースがほとんどだ。

資産運用会社は、不動産を扱う専門の会社を別に設けている場合も多い。

「利回り」という言葉についても、不動産とその他の金融商品(REITを含む)では意味合いが異なるので単純比較が出来ない。

この項ではそのことについて説明を行いたいと思う。

不動産の利回りが金融商品の利回りと異なる理由

収益物件の概要資料に載っている利回りは「表面利回り」である。

表面利回りは

年間家賃年収 ÷ 物件価格

で計算される。ちなみに、年間家賃年収は想定の家賃の合計を利用する。実際は空室がある場合も、募集家賃で入居したと仮定して計算するのだ。

物件価格が5,000万円、年間家賃収入が400万円の物件は、

400万円 ÷ 5,000万円 = 利回り8%

となる。

巷で出回っている、中古物件の利回りがどの位なのかというと、大まかなイメージとしては下記の通りとなる。

都内23区 5%-8%
地方政令指定都市 8%-10%
人口20万人程度の市町村 9%-12%

大体イメージと合っているだろうか?

利回り8%の物件であれば、東京都内でも恐らく見つけることが出来るだろう。

もちろん、築年数、構造、立地、景況などの総合的な要素から利回りの相場は決まる。例外的に割安・割高な物件は当然ながら存在する。上記はあくまでもこの項で説明するに当たっての一般的な参考数値だ。

間違えた解説の中で多いのが、「不動産投資は他の金融商品と比べて利回りが高い」という説明だ。

確かに8%とか10%という数値だけ見ると非常に高く見える。でも本当だろうか。

ゆうちょ銀行を例に挙げると、定期預金は10年で0.04%なので、それと比べると利回りは200倍も高くなる。

だが、定期預金は元本保証なので、不動産のように収入が変動する投資と比べるのは、リスク(ブレ幅)が大きく異なるので適切ではない。

同じく元本保証ではない株式、投資信託、上場REITなどと比べるとどうだろうか。株式投資にも利回り換算可能な配当というものがある。

投資信託にも分配金という配当に似たものがあり、購入時の株価と配当金の割合から、同じように利回りを計算することは可能だ。

通常、配当利回りは5%を超える会社はまれで、3%を超える会社のほとんどがJASDAQなどの新興市場の小型株だ。

株価何らかの理由により極端に下がっている局面でない限り、銀行などの大型株で配当利回りが数%を超えることはまずない。

REITも2%-4%程度の利回りであることが多い。

ただしこれは不動産投資で言う表面利回りではなく、実質利回り(ネット利回り)だ。

株式投資は不動産と違い値上がり益を目的にする

そもそで、も株は株価自体の上下で儲けようとしている人がほとんどなので、配当利回りよりも株価の将来価値の方に重点を置いて検討する投資法が多い。

利回りを重視する不動産投資とは根本的に考え方が異なるのだ。

この株価の上昇による利益を「キャピタルゲイン」と呼ぶ。

日本の不動産は都心部などの一部地域を除き、築年とともに価格が上がる物件はまずない。

不動産投資において家賃収入と物件価格の割合(=利回り)を重視するのは、物件価格自体の上昇がないと考える人がほとんどだからだ。

5,000万円の物件があり、利回りが2%だとしたら、皆さんは購入するだろうか?

恐らく「NO」だと思う。

しかしながら、物件価格が上昇しており、来年には6,000万円になることが見込まれるとしたらどうだろうか。

近いうちに値上がり益が見込めるのであれば、購入を検討する人もいると思う。日本もかつてはこういう時代が実際あったのだが・・・

このように価格の上昇を見込んで不動産を買うなら、株を買う人と同じ行動原理となり、値上益を意味する「キャピタルゲイン」を狙う投資になる。

一方、利回りを重視する考えは「インカムゲイン」を重視した考えになる。

インカムとは定期的な収入のことで、不動産投資では家賃がインカムにあたる。

家賃収入と物件価格を比べて、より家賃収入が見込める高い利回りが物件を狙うことになるので、多くの不動産投資家は「インカムゲイン」を重視している投資を行っていると言える。

家賃収入でインカムゲインを狙う不動産投資

価格上昇でキャピタルゲインを狙う株式投資

元本保証の定期預金

を、「利回り」のみで比べることには意味はないことが理解できただろう。

しかも不動産投資の家賃収入には、管理費用、税金、銀行返済、利息などは入っていないので、利回り10%の物件を買ったからと言って、購入価格の10分の1が毎年自分の貯金になるわけでは決してない。

不動産投資における「利回り」は、あくまでも物件同士を比べるためのものだと考えるようにする必要がある。

不動産の利回りを他の金融商品と比べたところで、不動産投資の優位性が説明出来るわけではないのだ。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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