不動産投資で失敗しないためには「ミドルリスク・ハイリターン」を狙う
不動産投資は大きなお金を動かすので、いかに失敗しないようにすることが重要だ。
しかし、不動産投資のリスクは借金額の絶対額の大きさとイコールではない。
また、過度に失敗するリスクが少ない物件を選んでしまうのは実は危ない。収益性が低過ぎる場合があるからだ。
失敗するリスクと収益性のリターンのバランスが重要で、リスク<リターンとなっていることが非常に重要なのだ。
1億円分の借金をして物件を購入すると、1億円分のリスクを背負うことに不安視する人も居る。
しかしその物件が1.3億円の価値があれば失敗する危険性が高いと懸念することもないだろう。
逆に、2,000万円で買ったが売っても1,000万円にしかならず、利回りも低い物件があったとする。
金額が小さいので、借金額を尺度とするリスクの絶対量は1億円の物件よりも小さいが、リターンのバランスが悪いのでこちらの方が失敗の危険性が高い状態だ。
失敗の懸念が少ないと思われている物件の典型例は、都市部のワンルームマンションだ。
これらの物件は立地こそいい場合が多いものの、東京だと利回りは4-5%だ。
空室リスクは低いがそれ以上に利回りが低いので、場合によっては最初から月数万円の手出しも出て来る。
ローリスクであるものの超ローリターン過ぎるので、割に合わない危険な投資なのだ。
利回りは都市部なら7%-10%、地方なら10%-13%が一つの目安だ。
都市部は利回りが7%程度なので、投下資金に対するリターンの割合は良くないものの、その分の価格下落や空室リスクが少ないとみなされている。
不動産市場は一対一の相対取引だが、その時々の周辺の成約金額が十分加味されていれば、物件の価格形成はリスクとリターンが均衡した金額になっているはずだからだ。
不動産市場のプレイヤー全員が合理的な判断をしているという前提が付くが、実際にそうなっているケースがほとんどだ。
例を出そう。
ある人がAという物件を1億円で売りたいとしても、同じような物件が9,000万円で複数売りに出ていたら、そちらの方から売れて行くだろう。
9,000万円で他の物件が売れた後なら物件Aが1億円で売れるかというとそうではなく、新しい物件が9,000万円で売りに出されるので物件Aは永遠に1億円では売れない。
逆に物件Aが8,000万円で売りに出されていれば、9,000万円で他の物件を買おうとしていた人は物件Aから検討するだろう。そうなると売れる可能性は高くなる。
そうなった場合、他の物件も8,000万円まで下げるかどうかが、同スペックの物件の価格形成に反映される。買いたい人が多ければ9000万円のままにするかもしれないし、買いたい人が少なければ8,000万円まで下げて売ろうと考えるかもしれない。
こうして不動産の価格相場は、上がったり下がったりして変化することになるのだ。
このように、基本的には需給によって価格が決まるが、同じスペックの物件でも所在するエリアが違えば、リスク量も得られるリターンも変わってくる。
同じ家賃収入が1,000万円の物件でも、都市部で7%の利回りで市場価格が形成されているとすると、物件価格は1.4億円で取引がされるだろう。
一方、同じスペックの物件でも地方だと利回り10%ぐらいないと空室リスクなどに対応できないとすると、同じ家賃収入1,000万円の物件でも物件価格は1億円で取引されるのだ。
リスクとリターンの基本的な話は上記の通りであり、都市部だからいい、地方だからダメということはない。
都市部には都市部で利回りが低いというデメリットがあり、地方は地方で人口減や地価下落のリスクがあるからだ。
このような中で重要になってくるのは、都市部でも地方でも、とにかく割安に物件を購入することだ。
結局はこれが不動産投資で失敗することに対する一番のリスクヘッジになる。
築20年のRCが都市部で利回り7%で取引されている物件なのであれば、8%の利回りで買うのだ。地方で10%で取引されているなら、11%で買えるよう努力するのだ。
こういう物件を見つけられると、都市部であればローリスク・ミドルリターンが狙えるし、地方で買えればミドルリスク・ハイリターンになる。
私が地方物件の購入を勧めているのは、このような割安な物件は地方の方が見つけやすいからだ。
東京23区内は資金がある企業や個人はいくらでも存在する。なかなか割安に購入することは現実的に難しいケースが多い。
これが地方になると別だ。外国のプレイヤーは入ってこないし、情報の流通量も乏しい。難しいことに変わりはないが、利回り20%以上の物件探せば見つかる。
割安に物件を買っておけば、いざとなったら購入した金額で売ることも可能だ。
多少想定と違っていても、損をしないで売り抜けることが出来るだろう。
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この記事の監修者
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