公務員でも不動産投資はできる!注意すべき3つのポイント
不動産投資は今、会社員の副業として注目されている。これから始めたいと思う人のなかには公務員もいるだろう。
公務員は規定によって副業が原則禁止されているため不動産投資もできないと思われがちだ。しかし、いくつかの点に気をつければ不動産投資を行うことができる。
今回は公務員が不動産投資を始めるうえで注意すべきポイントを紹介していく。公務員だけでなく、副業が禁止されている会社員もぜひ参考にしてほしい。
目次
公務員は副業が禁止されているって本当!?
公務員は「副業」をすることが法律で禁止されている。
公務員が不動産投資に興味をもち、これから始めたいと思った時に気になるのが「不動産投資が副業に該当するかどうか」ということだろう。
ここでは法律で定められている公務員の副業禁止法について説明していく。
公務員の「副業」は原則として禁止されている
公務員の副業禁止規定は憲法や国家公務員法、地方公務員法、人事院規則によって定められている。以下は国家公務員法の抜粋である。
第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
第百四条 職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。(職員の職務の範囲)
公務員の副業が禁止されているのは、次のような理由からだ。
- 職務専念:副業をすることで本業に集中できなくなることを防ぐため
- 秘密保持:本業で得た秘密が流出することを防ぐため
- 信用保証:世間的なイメージを守り、勤務先の社会的な信用を損なわせないため
公務員の不動産投資は一定の規模内であれば副業にあたらない
では、不動産投資は副業にあたるのだろうか。
公務員は副業として営利企業で働くだけでなく、自営業も禁止されている。しかし、農業や太陽光発電、不動産賃貸業については人事院規則によって定められた一定の規模内であれば公務員でも行うことができる。
以下は人事院規則14-8第一項を抜粋したものである。
「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合をいう。なお、名義が他人であっても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合もこれに該当する。
4 前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当するときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。
ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
(2)駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。
ロ 駐車台数が10台以上であること。
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
(4)(1)又は(2)に掲げる不動産等の賃貸と同様の事情にあると認められる場合
5 「人事院が定める場合」は、次に掲げる場合とする。
一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(1) 職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
(2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
(3) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
農業や不動産は親から引き継いで営むことも多い。それに限らず、自らの意思で不動産投資を行う場合も一定の範囲内であれば副業の許可を得ずに投資を行うことが可能なのだ。
「一定の規模」がどれくらいかを含め、公務員が合法的に不動産投資を行うためのポイントをみていこう。
[関連記事] 労働集約型の副業をやめて不労所得を得るべき理由「ばれない」の思い込みは危険!公務員が合法的に不動産投資を行うためのポイント3つ
公務員の不動産投資は一定の規模以下で行う必要があるが、なかにはどうせばれないからと何も気にせず行ってしまう人もいるだろう。しかし、ばれないという思い込みは危険なためおすすめしない。
ここでは、公務員が合法的に不動産投資を行うためのポイントを紹介していこう。
ポイント1:一定の規模以下で不動産投資を行う
公務員が不動産投資を行う際に注意したい1つめのポイントは、「一定の規模以下で行う」ということだ。規則で定められている副業とみなされる「一定の規模」は次の基準である。
- 5棟10室未満、かつ年間の家賃収入が500万円以上
- 土地の賃貸については賃貸契約の件数が10件以上
- 駐車場賃貸の場合は駐車台数が10台以上
ほかにも次のような不動産は事業に該当する
- 劇場・映画館など遊戯のための設備がある不動産
- 旅館・ホテルなど特定の業務のために使用される不動産
- 建築物である駐車場や機械設備を設けた駐車場
つまり、これらの規模以下で運営すれば規則上の副業に該当しないため、公務員でも不動産投資が行えるのだ。
ポイント2:不動産の管理は自分で行わない
公務員が不動産投資を行う際に注意したい2つめのポイントは、「不動産の管理を自分で行わない」ということだ。
公務員の副業に規定が設けられているのは、一定の規模内であれば本業に影響を及ぼさないと考えられているためである。
不動産の管理を自分で行うのは「事業」を行っているのと同様とみなされ、本業に支障をきたす可能性があるため不動産の管理は管理会社に任せよう。
[関連記事]投資マンション購入後に失敗しないための管理会社の選び方
ポイント3:規定を越えた場合は許可が必要
公務員が不動産投資を行う際に注意したい3つめのポイントは、「規定を超えた場合に許可をとる」ということだ。
公務員の副業については一定の規定が設けられているが、一定の規模を超えた場合でも許可を得れば不動産投資を続けることが可能である。
規定を超えた場合は部署の所属長へ報告しよう。報告後は雇用されている省庁・役所からの許可を待つという形になる。人事院が公開している自衛権業承認申請書に必要事項を記入して提出しよう。申請書とあわせて物件に関する書類を提出する必要があるため申請は物件を購入したあとになる。
物件購入後に経営許可がおりないといった事態を避けるために事前に所属部署の確認を得るようにしよう。
副業にあたる不動産投資を無許可で行うのはハイリスク!
公務員が規定を超えて不動産投資を行う際「ばれない」という思い込みは危険だと説明した。もし公務員が副業にあたる不動産投資を無許可で行った場合、どんな事態になりうるのだろうか。
ここでは公務員が無許可で規定以上の不動産投資を行うリスクについて解説していく。
公務員の副業は懲戒処分の対象になる
前提として、公務員の副業は懲戒処分になる。規定を超えた不動産投資を無許可で行った場合も懲戒処分の対象になりうるのだ。
たとえば民間企業で働く会社員が懲戒処分を受けた場合は基本的に報道されることはない。しかし、公務員の場合は懲戒処分になるとメディアで報道されることもあり社会的な影響がとても大きい。規則違反が公になったことで職場に居づらくなり自己退職に追い込まれるケースもみられる。その影響は自分以外の家族にも及んでしまうだろう。
許可を得ずに行う公務員の不動産投資はリスクが大きすぎるため、一定規模を超え副業にあたる不動産投資は必ず申請を行おう。
公務員の不動産投資が問題になった事例
実際に公務員の不動産投資が問題になった事例を紹介しよう。
勤務中に商談メールを行っていた市職員が懲戒処分
兵庫県宝塚市の職員が勤務中に不動産投資に関連する商談メールを1万5千通も送っていたとして停職6カ月の懲戒処分を受けた。
神戸新聞によると職員は全国に計10棟342戸のマンションを所有していた。公務員としての給与以外に年間7,000万円以上の収入を得ていたようだ。
無許可で家賃収入7000万円を得ていた消防士が懲戒処分
地方公務員の消防士が許可を得ずにマンションや駐車場などの賃貸収入で年間7000万円を得ていたとして減給10分の1の懲戒処分を受けた。
消防士はマンション4棟、駐車場3カ所などを所有して賃貸収入を得ていて、住民からの通報によって発覚した。
公務員の不動産投資は法人化できる?
これまで公務員が「個人」で行う不動産投資について解説してきた。ここからは公務員が「法人」を設立して行う不動産投資について説明していこう。
法人化とは会社を設立して不動産投資物件を所有することだ。
不動産投資は運用の規模が大きくなってくると法人化したほうが税率や資金調達面から有利な場合がある。しかし、国家公務員法、地方公務員法には「会社役員になってはならない」ということが明文化されており、公務員が会社を設立して法人化することは副業禁止規定に抵触するリスクがある。
では、公務員が法人化をして不動産投資を行うのは不可能なのだろうか。
公務員が不動産投資で法人化するメリット
公務員が行う不動産投資は個人と法人で制約が異なる。
公務員が個人で不動産投資を行う場合は一定の規模を守る必要がある。しかし、法人で行う不動産投資は公務員個人でなく会社が不動産投資を行うということになるため副業規定の影響を受けない。
公務員が法人化して不動産投資を行う場合は一定ラインの「5棟10室」「年間の家賃収入が500万円」を超えた投資が可能になる。ほかにも法人化することで税負担が減るなどのメリットもある。
法人化は不動産投資で事業を拡大していくには有利なのだ。
[関連記事]収益不動産を資産管理法人で買うべきか個人で買うべきか
公務員が法人化して不動産投資を行うのは可能か?
法人化することにメリットがあることはわかっても、そもそも公務員による法人設立は副業禁止規定によって制限されている。しかし、公務員本人ではなく配偶者や家族名義で法人設立することは可能だ。
公務員が法人化するための代表的な方法は配偶者や家族を代表取締役にして会社を設立するやり方である。
公務員本人は株主となり100%出資することで、金融機関から融資を受けることができるのだ。ただし、役所や税務署の調査が入る可能性があるため、法人を設立する際は登記先住所を自宅以外にしておこう。
不動産投資は公務員との相性がいい!
融資の審査が通りやすい
公務員は融資の審査面でうけるメリットがとても大きい。
安定性が高い公務員という職業は民間企業に勤めている人より与信が高い。金融機関は融資を行う際、経済力や家族構成などを総合的に審査するが、与信の高い公務員は高属性とみなされ、好条件で融資を受けることができるのだ。
低金利で融資を受けることもできるため、公務員は属性による恩恵を最大限利用しよう。
[関連記事]不動産投資で融資を受けるには、属性の理解が重要
本業が忙しくてもできる
次に、不動産投資が本業にほとんど影響を与えず行える投資だということだ。
不動産投資で得られる収入は働かなくても得ることができる不労所得である。副業禁止規定に触れるため、公務員は物件の管理を管理会社に任せるのが一般的だ。
運営はほぼ管理会社に任せることができるため、不動産投資は本業が忙しい公務員とも相性が良い投資なのだ。
[関連記事]サラリーマン・会社員に不動産投資をおススメする理由
公務員が不動産投資で失敗するケースとは?対策はある?
不動産投資は高属性な公務員にとって有利な投資である。しかし、与信が高い公務員だからこそ失敗するケースも存在するため注意が必要だ。
ここでは公務員が不動産投資で失敗するケースと対応策について説明していく。
失敗1:収益性の低い物件を購入してしまう
公務員の不動産投資の失敗で一番多いのは、不動産会社にいわれるがまま収益性の低い物件を購入してしまうケースだ。
与信が高い公務員は不動産会社から高額物件や融資が出る限界ラインの物件を勧められやすい。それらがきちんと収益を生み出す物件であれば問題ないのだが、そうでない場合も多い。
不動産会社に言いくるめられて収益性の低い物件を購入してしまわないように、購入前に自分である程度の知識を得てきちんと調査を行うことが大切だ。
[関連記事]マンション経営で失敗して破たんした2人の事例
失敗2:一定の規模を超えた不動産投資が勤務先にばれる
つぎに、一定の規模を超えた不動産投資が勤務先にばれてしまう失敗だ。
万が一、懲戒解雇になってしまった場合には、普段の生活はもちろん与信がつきやすいという公務員の特性も生かせなくなる。投資用の不動産を購入する際は一定の規模を超えないように調整するか、家族や配偶者を代表にして法人化するなどの対策を行おう。
ほかにも、勤務中に不動産投資関連のことを行っていると誤解されたり、妬まれたりしてトラブルになる危険性があるため、勤務先で不動産投資の話をするのはできる限り控えたほうがいいだろう。
公務員で不動産投資に成功・失敗した人の事例
融資を好条件で受けることができる公務員にとって、不動産投資はうってつけの投資だ。始めないのはもったいないとすらいえる。だからといって、なにも勉強をせずに始めると思わぬ落とし穴にはまってしまう。ここでは、公務員が不動産投資に成功した事例と失敗した事例をあげていく。
不動産投資で失敗した公務員Aさんの事例
まずは失敗事例からみていこう。与信があるために不動産会社に言いくるめられるがまま収益性の低い物件を購入してしまったAさんの失敗事例である。
Aさん:公務員/年収600万円/40代男性
Aさんは不動産会社に勧められて利回り8%の物件を1億円で購入した。購入した物件は想定家賃で入居者が決まり、月々のキャッシュフローもきちんとでていた。
しかし、ほどなくしてAさんが購入した物件は売主が8000万円で不動産会社に売っていたことが判明する。買ってすぐに2000万円の含み損が発生している状態であり、購入した物件の相場は利回り8%ではなく10%だったのだ。
このあとAさんは購入した物件を手放そうとするが、実際の相場と大きく異なるため売却ができなくなってしまった。
Aさんのような失敗はよくみられる。このような事態にならないためには不動産会社が提示する情報だけを鵜呑みにするのではなく、物件価格の相場を自分できちんと調査することが大切だ。
不動産購入前に少なくとも収支と利回り計算、競合物件の価格調査は必ず行おう。
不動産投資で成功したBさんの事例
つぎに不動産投資で成功したBさんの事例を紹介しよう。
Bさん:公務員/年収500万円/30代男性
Bさんは不動産投資で利益をだしている知人の話を聞き、不動産投資を始めてみようと決意した。
物件を購入する前に、まず不動産投資の本を読むことからはじめ、不動産投資セミナーにも参加した。セミナーがきっかけで信頼できるメンターや投資仲間に出会うこともできた。
Bさんが1棟目に購入したのは約500万円の小さなマンションだ。そのあともメンターからのアドバイスを受けながら物件を買い進めていき、現在では年間500万円の家賃収入を得ることができている。
Bさんが成功した要因は公務員という高属性に甘えず、自分でゼロから知識を得る努力をしたことだ。また、すでに不動産投資で成功しているメンターをみつけられたことも大きいだろう。
不動産投資では自分に不足している知識や情報をいかに周りから集められるかも重要になってくるのだ。
[関連記事] 不動産投資セミナーを失敗せず選ぶ5つのポイント公務員は不動産投資に向いている!しかし、始める前にしっかりと知識を得るべき
公務員の副業は禁止されているが、「年間の家賃収入が500万円以下」「5棟10室未満」であれば不動産投資を始めることが可能だと紹介してきた。
また、家族や配偶者を代表にして法人化することで、さらに大きな規模の投資を行うこともできる。
公務員は高属性としてうけるメリットがたくさんあり、不動産投資にむいている職業だ。公務員ならではのメリットを活かすめには物件購入前に必要な知識や情報を得ておこう。
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この記事の監修者
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