不動産投資ユニバーシティ代表の志村義明が日々の考察を伝えるコラムです

内定辞退する可能性がある会社に「御社が第一志望です」と言うべきか?

以前会った学生から「就活で困っている」という内容の質問をメールで受けた。

志村さん、お忙しいところすいません。お聞きしたいことがあり、連絡させていただきました。

ずっと〇〇業界に入りたくてその業界を中心に見てきたのですが、たまたま学内説明会で全然知らなかったこの会社に出会い、人事の方と話した時から、”私この会社に入りそうだな”と、上手くは説明できないんですが何かビビっと感じて、選考を受け始めました。

規模の小さい50名程度の会社であり、昨年の内定者が5人、今年も同じくらいを予定しているといっておりました。200名弱の中からグループディスカッションで18名に絞られ、その後の個人面談を通過し、最終面接です。

時期は早いのですが、私自身、保険などで受けた会社ではなく、一緒に働いてみたいと思える人に出会えて本当に行きたいと思っています。ですが、もともと本命であった〇〇業界の選考がこれから始まるため、就職活動はまだまだ続けるつもりです。

そこで、お聞きしたいのですが、最終面接ではどこまでを正直に話すべきなのでしょうか。就職活動は続けると言ってしまうのはタブーなのでしょうか。これまでの選考では全て正直に話しており、個人面接通過の電話を頂いた時も、あなたの人柄にとてと惹かれたといっていただきました。

選考が進んだ後での対応の仕方が無知であり、どのような態度で臨むべきなのか、教えていただきたいです。

内定は辞退しても大丈夫?

内定辞退が大丈夫かという質問は、まともな社会人ならほとんどの人が少なくとも何回かは聞かれたことがあると思う。

たくさんの人が聞かれている質問ではあるものの、答えは一様ではない。

「辞退しても全然問題ないよ!」

と言う人もいるし、

「私は正直に”まだ御社にすると決めきれていない”と面接で伝えて内定をもらったよ」

と言う人もいるだろう。

「御社が第一志望です」というのを「嘘も方便」のように使っているのだから自分もそうすると考える人がいる一方、それを潔しとしないタイプの人もいるからだ。

回答者本人の性格が出るとも言えるし、その回答が自分が受ける会社の面接で応用できるかは誰もわからない。正解がない難しい問題だ。

外資企業しか受けていないとこのような疑問は出ることはなく、そもそも面接する側とされる側が対等だと欧米企業の外資は考えることが多いので、こんな風に一方的に会社側が要望を伝えて拘束させること自体が起き得ないだろう。

私も外資系企業の考え方に賛成だ。

能力・経験に劣る新卒を雇用して年月をかけて育てるという日本独自の採用形態である「新卒一括採用」を通じてこのような会社と雇用者の間に見えない上下関係が出来ており、こういう所にもひずみ・弊害出ていると言える。

「弊社が第一志望ですか?内定出したら入社してくれますか?」

という面接官からの質問に対して

「仮の話は出来ません。逆に聞きますが、私に内定を出すつもりがあるのでしょうか?」

と学生が聞き返せるぐらいの関係の方が健全だと思う。

就活生の質問に対する志村の回答

志村です。

過去多くの人が悩んできたことなので私なりに回答します。

たしかに最終面接で「うちが本命ですか?」というのはたぶん聞いてくると思うし、もう少し突っ込んで「内定出したら就活を辞めてくれますか?」と聞いてくる会社もあると思います。

どうするべきかについての「絶対的な答え」はないですが、ある程度「こう考えるべき」というセオリーはあります。

まず、いまの就活全般の状況も踏まえて話すと、今は売り手市場で内定者の確保が比較的難しいと考えている会社がほとんどです。

もちろん人気ランキング上位の会社はこの限りではないですが、最終面接の会社は規模的にも知名度的にも確保が厳しいと考えているほとんどの会社と同じ状況だと思います。
(ちなみに、人気上位の会社だから良いと言っているわけではなく、自分が合いそうな会社に入るという考え方は非常にいいと思います。)

受けている会社は、内定を大手と同じタイミングで出しても辞退が続くので、まだ大手が内定を出していないいまの段階で囲い込むために最終面接をしているという状況です。

しかしながら、こういうタイプの会社は往々にして大手が内定を出したあとに辞退が発生するのが常であり、それもある程度見込んで内定を出す傾向にあります。5人採用する場合でも、少なくとも7-8人(もしくはもっと)内定を出していると思います。

何が言いたいかと言うと、「うちが本命ですか?」と聞かれて「はい御社が第一志望です」と学生が答えることについて、会社側も「絶対的に信用できる回答」として捉えているわけではないということです。

仮にその後に内定辞退したとしても「えっ、あなたは最終面接で第一志望だと言いませんでしたっけ?」という感じで言われることはかなり稀だと思います。

そんなこと言って学生本人が「たしかにそうでしたね。御社に入社します。」と言うわけはないですし、事実、面接の時に第一志望だったとしてもその後学生側の考えが変わることは往々にしてあるからです。

多くの学生は面接で「第一志望です」と言いつつ他の会社も受けており、会社側もそれをある程度わかっているというのが就活の実状です。

この状況を踏まえて〇〇さんがどうするかべきか?については〇〇さんの考え方次第なので何とも言えません。

誠実に正直に話すことをモットーにしているのであればそれを貫くのもいいと思います。

これはもはや「生き方」の問題で良いも悪いもないと思いますので、どうするかは自分で考えるしかないです。

ただし、現実問題、会社は就活生を能力+志望度の二面で見るので、第一志望だと言えないとすると会社側から見る印象が多少落ちるのはしょうがないと考えて下さい。

内定を出すかどうかを決めるのは面接官ではなく、終わったあと会議に掛けて決める形になることがほとんどです。

その際に、同じ評点でも志望度が高い学生とそれほどでもない学生がいたら、会議の中で前者を推す理由はないからです。仮にそういう意見を出したとしても、上司に「なんで?」「理由は?」と聞かれてあえなく引き下がることになります。

個人的には、社会に出ると物事を必ずしも正直に言わなくてもいい場面というのは多々出てくるので、それに対して柔軟に対応できないと多少の生き辛さは出てくると個人的には思います。

仮に内定辞退する形になっても、「前にお話しした段階では第一志望だと言いましたが、その後時間が経って他の会社の事も知り私の気持ちが変わりました」と素直に言えば問題ないことがほとんどだからです。

就活は学生と企業の「ばかしあい」だと言われれば、つまるところその通りのように思えます。

ただし、一点だけ本当に気を付けて欲しいことがあります。

こういう展開で一番ダメなのは、「内定辞退が出来ないので、本当はこれから受けたい会社があるけどここで就活を辞める」という選択をすることです。

「内定辞退が出来ない状況なのでしょうがなかった」という形で周りの状況に流されてながら決断することをしていると、次第にそれを正当化するために「最初からこの会社に自分は行きたかったんだ」という風に自分の気持ちに嘘をつくことになります。

それが癖になってしまうと、色々な場面で本当の自分の気持ちを自分自身に隠しながら生きていくことになります。

これを続けると、本当はやりたい仕事が他にあるのにその気持ちに直視しないでいると、次第に自分が本当は何がやりたかったのかがわからなくなってしまい、「夢も希望もない大人」になってしまいます。

自分自身の気持ちややりたい事に対して正直になることはぜひ忘れないで下さい

そのうえで他人に対して多少の方便を使うのは、生きていく上で必要な場合もあると思います。