芸能人の島田紳助が実践している高級マンション投資とは

2020年12月18日6,746

既に引退してしまったが、売れっ子のタレントだった島田紳助が不動産投資を行っていたことは有名だ。

芸人としての彼は個人的にわりかし嫌いではなかった。しかし注目するべきなのは、タレントのギャラを自ら選定した不動産物件に再投資していたその投資法だ。

登記簿を見てみると、大阪市内の自宅マンション、都内の戸建、石垣島の戸建の他に、都内のテナントや飲食店も複数経営している模様だ。また、ハワイにもコンドミニアムを持っている。

個人的な借り入れがあるのかはわからないが、登記上の残債はない。資産総額は50億円を超えるとも言われている。

彼の投資法はいわゆる高額所得者にありがちな、一等地のマンションやビルをそこそこの値段で買う手法ではない。

裏ルートや競売などからそれなりに安い値段のものを現金や個人の借り入れで買っているのだ。この点は我々のような試算を持たざる普通の人も大変参考になると思う。

物件をいかに安く仕入れるかが、勝負の分かれ目なのだ。彼は駆け出しの芸人のころから、隙間の時間があればテレビ局近くの物件を見て回ることを繰り返していたらしい。

このやり方だと物件数は相当限られるので手法としていいかどうかは別だが、並大抵の行動力ではないことが窺い知れるエピソードだ。

20代~30代の駆け出しの頃は、恐らく融資は受けられなかっただろう。資金調達についても、島田紳助個人の信用力や行動力によってお金を集めていたものと思われる。

お金持ちの投資で多いのが、現金が潤沢にあるがゆえに沢山の選択肢があり、収益が上がらない新築マンションなどを沢山買ってしまうパターンだ。

新築ワンルームを買ってしまう人はお金持ちでなくでも多いのだが、お金を持っていると結果的に沢山買えてしまうため、更にドツボにハマってしまう人が実際は多い。

私が過去に実際に会った士業の人で、「地方・利回り一桁・築30年・鉄骨」の物件を、3億円分一気に買ったことを自慢している人がいた。

しかも金利は4.5%なので収益は全然上がらない。この人は、仲間の投資家達に後れを取るまいと投資規模拡大を優先し、無理して短期間で複数棟購入してしまったのだ。

いくら本業で収入があっても、こういう投資法をしてしまったら破産することになる可能性も出て来るだろう。

資金力があったり収入が多いことが、必ずしも良い結果を生むとは限らないのだ。逆に資金に限りがあると、それをどう効率的にレバレッジをかけて収益を生もうか必死に考える人も多い。

駆け出しのころの島田紳助は、正にこの後者のパターンだったのだろう。若年の時に「安く仕入れる」という投資の基本を身に付けていたため、後年資産が増えた時も大きな失敗をすることなく、不動産を増やすことが出来たのだと思う。

現金で購入する彼の手法を我々が真似できるわけではないが、その行動力については見習うべき点も多い。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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