新築アパート投資ってどうなの!?成功へ導く判断基準を解説!
新築アパート投資と聞いてどのようなイメージを持つだろう。
新築なら安定した入居と家賃収入が得られる反面、投資額も大きくなるので心配、などイメージは様々だろう。この記事では新築アパート投資の概要を説明し、他の投資手法と比較しながらメリット・デメリットを整理する。
自分の状況に照らし合わせてどのように取り組むか、物件の良し悪しの判断基準を身に着け、新築アパート投資を成功させるための方法を解説する。
新築アパート投資の概要
新築アパート投資は土地にアパートを新築して賃貸に出して家賃収入を得ていく不動産投資方法である。
アパート1棟をまるごと所有して複数の部屋を運用するため全部空室で家賃収入ゼロということはほとんどなく安定した収益が得られるという特徴がある。また、ゼロから企画するので差別化することができ、競争力の強い物件を作ることができる。
新築アパート投資は大きく分けて2つの方法がある。
- 新築の建売物件を購入して始める方法
- 土地の取得から建築まですべて自身で行う方法
建売物件を購入する場合には、不動産会社が選定した土地に対して設計された建物を購入するので、手間がないため手軽だが、当然ながら各社マージンが発生するので土地から新築企画よりは割高となる。
一方、土地の取得から始める場合には立地からアパート本体まで自分の理想の物件を構築できる反面、土地や建築の知識、経験、交渉力、推進力など総合力が必要になる。
自身の環境や投資方針によってどちらがよいかは異なるので、それぞれの特徴を理解し、信頼のおける先輩投資家や不動産会社、建設会社に相談しながら決めていくのがオススメである。
表面利回り目安としては、東京23区で6〜7%、一都三県で7〜8%、その他地方であれば更に利回りは上がるだろう。中古物件に比べると低い利回りになるが、入居付けのし安さ、修繕の少なさなどから表面利回りと実質利回りの差は少ない投資となる。
想定利回りを実現するには建築費の相場も抑えておく必要があるだろう。目安として下表の通りである。
構造 2階建て 3階建て
木造 坪75~95万円程度 坪80~100万円
軽量鉄骨造
重量鉄骨造坪85~100万円程度
坪85~110万円程度(軽量鉄骨)坪90~105万円
(重量鉄骨)坪90~115万円
鉄筋コンクリート造 坪90~110万円程度
新築アパート投資のメリット
新築アパート投資にはどのようなメリットがあるか、中古アパートと比較して代表的なものを解説していく。
空室リスクが少ない
新築アパートは中古アパートに比べ入居希望者が集まりやすいため賃貸ニーズのあるエリアでさえあれば空室リスクを心配する必要はない。中古アパートを購入する場合、空室リスクを回避するために詳細な調査が必要であったり何らかのリフォームをしたりなどが必要だが新築ならその手間はかからない。専門的なノウハウがなくてもアパート経営に取り組むことができる。
付加価値のついた物件を建築できる
新築アパートを建てる場合、一から建築設計するので建築条件の範囲内ではあるが自分の思い通りのアパートを建築することができる。付加価値をつけ競合物件との差別化をはかることで将来的にも安定した入居者確保が可能となる。
有利な条件で融資を受けられる
一般的に「新築」に対する銀行融資は中古と違い積極的であり、木造であるアパートは本来耐用年数が22年のところ30年や35年の融資期間を設定する銀行もあり、かつ金利も低く抑えられるのでキャッシュフローが出やすい投資法となる。
「融資が出やすい」かつ「キャッシュフローがでる」ため、投資初心者でも気軽に参入しやすくなっている。
中古アパートと比べ修繕費がかからない
新築アパートは中古アパートと比べると修繕費が余りかからない。新築で購入した場合、全てが新品で大きな修繕費は必要とならないし各種保証期間中は保証で対応できる。
新築は設備面の故障がほぼ起きないので約10年程度はエアコンやガス機器、建具の壊れ、排水管のトラブルなどと無縁なため手間も経費も抑えることができる。
税金面の優遇がある
建物の固定資産税が優遇される。「新築された住宅が床面積の要件を満たす場合」には3年間、「3階建以上の耐火・準耐火建築物」は5年間、固定資産税額が1戸あたり120㎡相当分までが2分の1減額される。建物の固定資産税は重い負担のため3年間もしくは5年間について半額となるのは賃貸経営のキャッシュフローに良い効果がある。
相続対策
土地だけで保有していると固定資産税と土地評価が高い状態となる。土地の上に貸家が建築されると土地の固定資産税はほとんどのケースで1/6になる。固定資産税が120万程度かかっていたとすると100万ほど安くなる計算である。
また、相続が発生した場合の土地評価については土地の上に建物を建築し他の人に貸している場合は土地の評価が下がる仕組みとなっているので土地だけで持っている場合よりも相続税が下がる仕組みとなっている。そのため相続税が強化された昨今は地主が相続税対策としてアパートを建築する動きが活発になっている。
新築アパート投資のデメリット
アパート投資における新築のメリットを見てきたが、必ずしも新築アパート投資がベストというわけではない。新築アパート投資における注意点やリスクも確認しておこう。
運用開始までの手間や時間がかかる
新築アパートは自分の理想とするアパートを建築できるというメリットがあるが土地の選定から物件の設計、入居者募集など運用開始までの手間や時間が多くかかる。おおよそ1年程度は見ておいた方がよい。新築の建売を選べば時間は多少短縮できるが、中古アパートのように、購入直後から家賃収入が得られるものではなく入居者を付ける期間も必要となる。中古物件と違い建設期間があるため.
返済比率が高い
新築アパート投資は中古に比べ利回りが低いので家賃収入に占める返済額の比率(返済比率)が高くなりやすい。つまり手元のキャッシュフローが残りにくいので何か突発的な修繕などの対応のために手元資金は確保しておく必要がある。
その対策として融資期間を延ばしてキャッシュフローを増やすこともできるが、それ自体は根本的な解決策にはならず返済が進まず売却時にしわ寄せがくるので注意が必要だ。アパートは築年数が経過すると家賃収入が下落しやすいため大規模修繕が発生した場合等に返済が困難にならないように十分な資金計画を立てておく必要がある。
家賃が下落しやすい
新築アパートは新築時が当然高い家賃を得ることができるが中古に比べて家賃の下落は早くなる。新築〜築10年で約10%下落し、築10〜20年で下落率は緩やかになり、築20年以降は下落率がほぼ横ばいとなる。家賃下落をシミュレーションに織り込まずに新築アパートを建築すると後で収支悪化に困ることになる。築25年までは毎年の家賃下落率を1%見込んでおくと良いだろう。
融資期間が長いとデットクロスになりやすい
木造の法定耐用年数は22年だが新築アパートは22年を超える融資期間を設定してくれる銀行も多く30年や35年で融資を受けることができる。毎年の減価償却のスピードと返済スピードにギャップが生まれる。
デットクロスはやや難しい概念だが、簡単にいえばキャッシュフローが出なくなるタイミングがくるということだ。例えば法定耐用年数で減価償却していると22年後には減価償却がなくなる。この時には減価償却という経費が少なくなり利益がとてもでるようになり税金が上がることになる。しかし30年ローンであればあと8年は返済が残っている計算になる。家賃収入から返済をして税金を払うと手元に現金が残らないという事態が発生する。
売却時に残存耐用年数の影響を受けやすい
新築時には長期で融資をしてくれる銀行も中古となると長期で融資をしてくれなくなる。法定耐用年数22年の木造で10年経過すると残存耐用年数12年が融資期間の基本となる。
中には12年を超える融資をしてくれる銀行もあるが基本が12年となるので購入する側からすると買いづらい物件になってしまう。耐用年数の観点から新築アパートが古くなると売却がしづらい物件へ変わっていくことを理解しておく必要がある。
建設会社の破たん
工事期間中に建設会社が破たんすると大変なことになる。建設中の建物は建設会社のもののため、きちんと引渡しができるか、支払い済みの建設代金の回収ができるか、建設中の建物を他の会社が引き継いで工事をしてくれるか、など様々な問題が発生する。
対策としては契約前に会社規模や実績、決算書を見せてもらう、現場管理の人数、先方のオフィスに伺う、与信調査を行うなどの調査をしっかりする必要がある。与信調査は借り入れする金融機関が調査してくれる場合もあるので聞いてみるといいだろう。
想定した建物が建たない
土地を先に購入するケースによくありがちなのが当初の予定と違い狭く小さい建物しか建たないケースだ。業者の販売図面に参考プランがある場合があるがその通りに必ず建築できる訳ではない。建ぺい率容積率をすべて消化できる建物は実際は少なく、斜線規制や日影規制、各都道府県や区毎の条例、ワンルーム規制や窓先空地の確保など建築確認時の制約はたくさんある。また設計を進めていく中で諸官庁と協議をする中でプラン変更せざる追えないケースも多々ある。
このことを理解せずに業者の言う数字やプランだけを信じて進めてしまうと痛い目に遭うことになる。販売図面に「建築確認申請前なので、参考プランとなります」などという注意書きがある場合は要注意である。土地契約前には必ず建築士と打合せしておく必要がある。
他の不動産投資との比較
ここまでは新築アパートのメリット・デメリットを解説してきた。新築なので安定した経営が可能であるが、竣工するまでには様々なリスクが存在することがわかっただろう。ここからは不動産投資における他の手法と新築アパートとの比較を見てみよう。
新築マンション(RC)との比較
新築アパートのメリットとして間取りの自由度が高く、建築コストが安いため借入金額も少額なので取り組みやすい、RCに比べ解体費用が安いため建て替えも容易にできるなどが挙げられる。一方デメリットとしては、RCに比べ災害に弱い、防音性が低い、耐用年数が短いので出口戦略が難しいなどが挙げられる。
区分マンションとの比較
区分マンションのメリットとしては未経験者にとっては少額の自己資金で始められることが挙げられる。
一方、デメリットとして下記が考えられる。
- 管理費の他に修繕積立金などの費用が毎月かかり実質利回りが低い。
- 1棟ごとに同じ間取りで何十室ものライバルがいる。
- 部屋ごとに管理会社が違いどんな入居者が入ってくるのか把握できない
- 一人の所有者が安い家賃で募集すると建物全体が安いほうへ影響を受けやすい。
- 他の部屋で事件事故が起きると全体に影響する恐れあり。
- 退去すると次の入居者が決まるまで収入がゼロ。
- あくまで部屋の権利のため(土地がない)基本的に古くなる程価格が下がる傾向。
価格は安く手軽さはあるが実情は上記の理由からしっかり利益を出すことは難しい投資と言える。
新築戸建との比較
収益物件の基本として土地に対して建ぺい率・容積率を最大限使い切って可能な限り建物を大きく建てることが重要になるが、戸建ての場合、建ぺい率・容積率が40%・80%や60%・100%の地域に建てることが多く、駐車場や庭を取ったりするので総事業費にしめる土地価格の割合が高くなり結果利回りがアパートに比べて低くなる。
加えて同じ延床であれば大きい部屋1つより小さい部屋複数戸の方が利回りも伸ばすことができる。例えば20m2で5万円の部屋があったとして、2戸分の40m2の部屋が倍の10万円取れるケースは少ない。せいぜい7〜8万円になってしまう。
新築アパートに向いている人
ここまでで新築アパート投資のメリットデメリット、そして他の投資手法との比較をすることで新築アパート投資を整理してきた。ここではどのような人が新築アパート投資に「向いているか」を解説していく。
手軽にアパート投資を始めたい人
アパートは新築の間は入居者も確保しやすく中古と比較すると収益性も高い。そのため不動産投資の経験がなくても比較的手軽にアパート投資を始めることができる。また、新築アパートでは建設から管理まで一貫してサポートを行っている会社も多いため参入へのハードルは中古に比較すると低いだろう。
長期に安定した経営を目指したい人
新築アパートは中古に比べると耐用年数が長く、また現在の建築基準法にのっとって建築されていますので長期で運用していくことが可能だ。新築ということで初期は安定して入居者を確保できるので、その後は適切なメンテナンスを行うことで安定した経営を目指すことができる。
不動産投資資金が少ない人
中古アパートの場合、すでに老朽化が進んでおり購入後間もなく大規模修繕が必要となる場合もある。そのためある程度の修繕費を事前に確保しておくことが必要なので自己資金に余裕がない人には向かない。その点新築は当面は大きな支出はないので自己資金が少ない人にはオススメである。
また、中古アパートの場合はローンが付けづらいが、自己資金が少なく物件購入費のほとんどをローンでまかないたいという人には新築アパートが向いているだろう。
新築アパートの利回りを高くする方法
新築アパート投資に向いているかどうか検討し、やるという判断ができたのであれば、あとは成功に向けて進むだけである。収益物件を成功に近づけるには利回りを上げることが一番効果的である。ここでは新築アパートにフォーカスして利回りを高くする方法を解説する。
小さめの間取りを選択する
利回りを上げたい場合にはファミリータイプでなくワンルームタイプにすることが効果的である。1Kや1LDKのような小さめの間取りの方が3LDKのような広めの間取りよりも利回りを高くすることができる。
3LDKのような広めの間取りは賃料を高くし過ぎると「借りるよりも買った方が安い」という現象が起きる。一方で1Kや1LDKのような小さめの間取りは住宅ローンを組んで購入する人がそもそも少ないことから単価を高く設定しやすくなっている。
それに対して建築費は小さめの間取りで部屋が増えるとバスやトイレ、キッチンといった住宅設備の数が増えるため単価が上がってしまうが、小さめの間取りにすることで上がる建築費よりも賃料単価の上昇率が高いため、小さめの間取りを選択した方が結果的に利回りは高くなる。
建設費を抑える
建設費を抑えるためには複数の建設会社を比較検討することが最短かつ最適な方法だ。比較することで適正価格も見えてくるので建設会社選定に役立つだろう。
建物仕様を見直すことも利回りを高くすることにつながる。新築アパートの建築費は概ね、躯体40%、仕上げ40%、設備20%の割合で構成されている。そのためまずは仕上げの仕様を下げていくと効果的だ。外壁や内装の仕上げ材を価格の低いものへ変えていくことで建築費全体を下げて行くことができる。特に内装クロスや床材を高価なものとしている場合、廉価品に変えておくことをおススメする。
クロスや床材は将来的に建物オーナーの費用負担で張り替えていくものなので高級材を使ってしまうと張り替え時の修繕費まで高くなってしまう。
また、特殊な内装材は将来廃盤になることもあるのでなるべくオーソドックスな廉価品を採用しておいた方が無難だ。やるならアクセントクロスなど一部分にデザインを入れるなどメリハリをつけるのが効果的だろう。
次に着手するのは設備仕様の見直しだ。設備工事費は全体の20%しかないため減額効果はそれほど大きくないが設備で過剰スペックのものが残っていればピックアップして仕様を見直すことがポイントとなる。場合によっては施主支給、分離発注なども有効だ。
付加価値を付けて賃料をアップする
アパートの付加価値アップの方法には例えば以下のようなものがある。
- 無料インターネットサービスを付ける
- 敷地内に物置を設置する等の広めの収納を確保する
- 1階に専用庭を設置する
- 屋根付きバイク置場を設置する
- 宅配ボックスを設置する
- リモートワークを想定した書斎を作る
- 高速インターネット環境を整備する
- ホームセキュリティを追加する
- ペットの足洗場等を作りペット飼育可とする
- 防音室を作り演奏可とする
周辺のアパートにはないサービスや設備を付けて他のアパートと差別化することで賃料アップを図ることができる。賃料がアップすれば家賃収入が増えるため利回りを上げることができる。仲介管理会社はその地域のニーズをよくわかっているので、どのような企画を盛り込むとどの程度賃料が上がるかを熟知している。
土地から新築企画に挑戦!
利回りを上げることに直結する方法になるが、自分で土地から仕込んで工務店に建物を建設してもらうのが最も総事業費を抑えることができる可能性があるだろう。可能性があるとしたのはノウハウ、推進力、調整力、判断力、資金力など総合力がないと逆に纏め切れず割高になってしまうこともあるからだ。
更に建売にはないリスクとして建設会社倒産リスクがある。倒産しないような安定した会社は当然建設費も高い。逆に適正価格よりも安すぎる会社は注意が必要だ。それらのハードルをクリアできればそれが付加価値となり利回りの高い新築アパートを手に入れることができるのだ。
まとめ
新築アパートは安定した入居と家賃収入が得られ、手間も掛からず、融資付も比較的用意といったメリットがあり、忙しいサラリーマン投資家や本業が別にある経営者などに向いているだろう。しかしながら築年数が経過すると家賃の下落や修繕対応も出てくるので、資金計画や資産の入れ替えのタイミングは最初から計画に盛り込んで置くべきだ。不動産投資は他にも手法はあるのでそれぞれのメリットデメリットを把握して自分の状況、属性、投資方針に合った手法を選ぶことが大事になる。
こうした判断基準によって新築アパートに取り組むと決断したならば、投資を成功させるためにこの記事で紹介したポイントを実践することで成功に導いて欲しい。
この記事の監修者
37歳の会社員が
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