不動産収入は本当に不労所得なのか

不動産収入は不労所得だと言われる場合がある。

収益性が高く満室状態になっている物件を保有していると、確かにほとんど手間がかからない。

実際に私も、既存の物件は月数時間の対応で100室以上を運営している。

労働力を提供しないで入ってくる収入という意味では、このような状態は「不労所得を得ている」と言えるかもしれない。

不動産収入が不労所得ではないことの理由とは?

個人的な意見だが、不動産収入が不労所得かというと、それは少し実状とかけ離れたイメージだと思わざるを得ない。

家賃収入が「働かなくても入ってくる不労所得」として認識されているのは、資産家の不動産オーナーが家賃収入で暮らしているイメージから来ている。

確かに資産家は収益不動産を保有していることが多く、収入のほとんどが家賃収入だという資産家も多く存在する。

彼らは銀行からの借り入れがなく、残債がない場合が多い。

それゆえ、家賃収入をそのまま自分自身の収入に出来るのだ。

これらの資産家は、資産保全と安定性を重視するため、利回りは多少低くても、安定的な賃貸需要が見込めて土地の値段も下がりにくい良い立地の物件を保有しているケースが多いのも特徴だ。

一般の会社員が行う不動産投資は、資産家と違い通常は銀行から融資を引いて物件を購入する。

銀行への返済は、利子と合わせて40%前後ならかなり上出来だ。

これでも資産家と比べると4割も手残りが少なくなるため、利回りが高く高収益な物件を頑張って見つける必要がある。

このような物件は、多くの場合、都心部ではなく立地に劣った地方の築15年以上の物件だ。

本当良いものを保有したいと考える資産家であれば、見向きもしないだろう。

また、物件購入後も、光熱費やリフォームのコストカットについて工夫を凝らしたり、少しでも家賃を上げられるよう様々な努力をする必要がある。

ここまでやって、やっと収益となる手残りが発生するのだ。

並大抵の努力ではいい物件の購入は出来ない

世の中に出回っている95%以上の物件が、会社員の不動産投資には適さない物件だ。

具体的に言うと、収益性が低く資産価値も乏しいものがほとんどなのだ。

この中からいい物件を探し当てて購入するのは、並大抵の努力では不可能だ。

それこそ、毎日物件情報を集め、不動産会社に足繁く通い、銀行から何回も融資を断られながら、やっと利益が出る物件を一つ購入できる。

この過程を知らずして、購入後に家賃収入を得ている姿だけ見ると、確かに「不動産収入は不労所得だ」と勘違いするかもしれない。

しかし、実状はかなり異なるのだ。

資産家が一等地の物件を現金で買えば、収入が支出を上回ることはまずあり得ない。

しかし銀行から融資を引いて購入する人達が仮に同じものを買ってしまったら、高い確率で赤字になるだろう。

資産家が得ている不動産収入と、会社員投資家が得ている不動産収入は、同じ不動産収入でも、物件を購入する過程も物件の種類も全く異なるのだ。

良くあるのが、会社員が新築ワンルームマンションを返済比率80%以上で購入している例だ。

家賃が10万円なのに、返済と利子が8万円もあっては、管理費と税金を加えたらマイナスになってしまう。

これらの物件は、そもそも会社員が融資を使って買ってはいけない種類のものなのだ。

このように、物件を探す手間を省いて安易に新築物件を購入してしまうと、不労所得にはなり得ない投資になってしまう。

不動産収入が不労所得だと考えて安易に不動産投資を始めると、痛い目に合う危険性があるのだ。

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