アパート経営ではROIとCCRで資金効率を計算する

2020年12月17日1,979

アパート経営・不動産投資では資金をどれだけ効率的に運用するかどうかが非常に重要になる。

少ない資金で大きな資金をうまく運用できている状態を「レバレッジが効いている」と言ったりする。

不動産投資におけるレバレッジ効率を示す指標は様々なものがあるが、一般的にはROIとCCRの2つの指標が使われている。

ROI・CCRとは

ROIとは「Return On Investment」の略で「投資収益率」を意味しており、不動産投資でいかにレバレッジが効いた効率的な資金運用が出来ているかを図る指標となる。

ROIは以下の式で表される。

ROI=年間キャッシュフロー額/購入総額(物件価格+諸費用)×100

ROIの分母は購入総額、分子は年間キャッシュフロー額、単位は%だ。

ROIは投下した資本全額(購入総額)に対して、キャッシュフローが年間どれだけ生み出されているかを示す指標である。

この指標は大変重要なのでぜひ覚えておいてほしい。

一方、もうひとつの指標であるCCRは「Cash on Cash Return」の略で「自己資金収益率」を意味し、以下の式で表される。

CCR=年間キャッシュフロー額/投下自己資金額×100

分母は物件購入に利用した自己資金額、分子は年間キャッシュフロー額、単位はROI同様%だ。

CCRは、投下した金額の中で他人資本を除いた自己資金に対して、キャッシュフローがどれだけ出ているかを示す指標である。

アパート経営では、一般的にこの二つの指標でレバレッジ効率が判断されることが多い。

ROI・CCRを利用したレバレッジ効率判断の例

ここで具体例を設定してROI・CCRを用いてレバレッジ効率を判断する方法を紹介したい。

前提として、ケース1・ケース2ともに使える自己資金は1,000万円、表面利回りは10%、管理費用は年間家賃収入の40%、単純化のため購入時の諸費用や税金は考慮外として、税引前のキャッシュフローのみを見ることとする。

【ケース1・融資を受けず自己資金のみで物件を購入した場合】

自己資金1,000万円で1,000万円(利回り10%)の価格の物件を購入したとする。

ローンを使わないで物件を購入した場合の例だ。

表面利回りは10%なので年間家賃収入は物件購入価格1,000万円×10%=100万円となり、ここから40%の各種管理費用40万円を除いた年間のキャッシュフローは60万円となる。

この場合、ROI・CCRはそれぞれ以下のように求められる。

ROI=60万円/1,000万円×100=6%
CCR=60万円/1,000万円×100=6%

全額自己資金で物件を購入する場合、ROI=CCR(この例では6%)となっている。

CCR6%という水準は低すぎるので、レバレッジが全く効いていないことを意味している。

尚、自己資金額を年間キャッシュフロー額で割って自己資金を何年で回収できるか計算することもできる。

投下資本回収期間=投下自己資金額/年間キャッシュフロー額=1,000万円/60万円
=16.7年

単純に100%÷6%=16.7という計算でも問題ない。

【ケース2・融資を受けてレバレッジをかけた状態で物件を購入した場合】

ケース2では当初の自己資金1,000万円を頭金とし、9,000万円の融資を受けて1億円の物件を購入したものとする。

表面利回りは10%であるので年間家賃収入は物件購入価格1億円×10%=1,000万円、管理費用はこの40%なので400万円である。

その他、ケース2はケース1と異なり融資を併用するので、ローンの返済額も考慮する必要がある。

ローンは年間400万円とする。

つまり年間キャッシュフロー額は家賃収入1,000万円-管理費用400万円-融資返済額400万円=200万円となる。

年間キャッシュフロー額の絶対値はケース1の60万円と比較して約3.67倍となっている。

この場合、ROI・CCRはそれぞれ以下のように求められる。

ROI=200万円/1億円×100=2%
CCR=200万円/1,000万円×100=20%

ROIは融資の返済分があるのでケース1の6%から2%へと低下したが、CCRは融資を受けてレバレッジを効かせたことで6%から20%へ上昇している。

つまり、自己資金に対する収益率が3倍以上上昇しているのだ。

ケース1とケース2を比較して欲しい。

当初は同額の自己資金を使っていても、銀行から融資を受けてレバレッジを効かせた場合はレバレッジを効かせない場合と比較して自己資金に対応する収益率を大きく上げることができるのである。

尚、投下した自己資金を回収するまでの期間も、以下のとおりケース1と比較して3分の1以下に短縮されている。

投下資本回収期間=投下自己資金額/年間キャッシュフロー額=1,000万円/200万円
=5年

ROIとCCRをどのように使い分けるか

もう一度おさらいしよう。

ROIは融資を含めた投下資本全体に対する収益性を表す指標だ。

ROIを使うことにより、購入物件がどれだけの収益性を有するのかを他物件と横比較できることが最大のメリットだ。

ROIを使えば、1億円の物件と3,000万円の物件の実際の収益性の比較が可能だからだ。

これにより、利回り計算を利用するよりも精度が高い比較検討が可能となる。

一方、CCRは自己資金の投下率を計算するので、自己資金をいかにうまく回収できているかを表している。

CCRは最低でも30%(3年強で自己資金を回収)出来る水準を目指そう。

オーバーローンで融資を引けば、CCRは100%を超える。

その場合、回収する自己資金がないので、次の月からの家賃収入はすべて利益となる。


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この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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