不動産投資でプロパーローンを利用できる金融機関を開拓する方法

2020年12月16日4,197

あなたが不動産投資をする目的はなんだろうか。

不動産投資の目的が小遣い程度の不労所得を得ることであれば、個人の不動産投資家向けにパッケージ化されたアパートローンメインの利用でも実現可能だろう。

しかしアパートローンのみの利用だと、資産規模が比較的小さい状態で限界が来てしまう。

もし投資目的が脱サラ・セミリタイア目的であれば、事業者向けのローンであるプロパーローンを利用できるような金融機関を開拓することが重要になってくるだろう。 

アパートローンでは資産規模が限定される理由

アパートローンはパッケージ商品であり、金融機関や不動産業者から見ても融資審査が型通りで簡単に出来る。

その為、個人の不動産投資家向けの融資に積極的なスルガ銀行において主力商品になっている。 

融資可否の判断も早い上、給与所得での返済が考えに入れられるため審査基準も厳格ではない。

物件の耐用年数を超えた融資や、物件の担保価値が不足している場合でも融資が受けられる事さえある。 

しかし、スルガ銀行のアパートローンは年収の20~30倍が融資限度額となっている。

そして融資対象となるのは年収7百~1千万円以上の比較的属性の良い給与所得者であるから、融資限度額は概ね2億~3億円程度の場合が多いだろう。 

個人投資家には非常に利用しやすいローンだが、融資限度額に達した時点で追加融資は受けられなくなる金融商品と言える。 

また、物件の担保価値が不足している状態で融資を受けた場合はどうなるだろうか。

信用毀損を起こしてしまっている場合が多くなるため、スルガ銀行の融資限度額に達した時点で他行からの融資も受けられない状態だと考えられる。

よって追加の物件取得ができない可能性が高いのだ。 

アパートローンで融資限度額に達した後に陥りやすい罠

アパートローンで融資限度額に達すると、物件取得をストップしてしまう人は多い。 

更に追加で物件取得を希望する人はノンバンクに流れる場合もある。

しかし多くはある程度で頭打ちになってしまう。 

ノンバンクでは1~2割程度の頭金と共同担保になる自宅などがある場合で、それらの合計額が融資額を超えていれば融資がおりる。

地方銀行などとは異なる基準で審査をしているのだ。 

しかしアパートローンで融資限度額に達している場合、ほとんど信用力・担保力を使い切ってしまい、 ノンバンクを利用してさらに追加で物件を購入してもわずかな底上げにとどまることが多い。

こうなってしまってからでも出来ることは下記の2つが考えられる。

  • アパートローンで返済実績を積んだ銀行と、金利を下げる交渉をする。
  • 担保価値がローン残債を超えた段階で、他銀行への借り換えを行ってから追加の物件取得をする。 

もし借り換えをするならば融資対象エリアに物件所在地が含まれている銀行を事前に調べておく必要がある。

実際には不動産投資への融資に積極的な金融機関がほぼない地域もあり、そうなると追加の物件取得は不可能になってしまう。 

この状態で多くの人は2~3億円程度の資産価値までで頭打ち、元々の年収がかなり高い人などでも4~5億円程度で頭打ちになってしまう場合が多いのだ。

以上からアパートローンを使用することの現実と限界をご理解頂けただろうか。 

では次に不動産投資におけるアパートローンでの融資の限界を突破できる方法としてプロパーローンの可能性を見ていこう。

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資産規模を拡大するならプロパーローンを利用できる金融機関を見つけよう

プロパーローンはアパートローンと異なり融資希望者や法人の属性などによって金利や融資限度額などの条件は様々だ。

その為、より大きい規模で不動産投資をして脱サラやセミリタイアを目指すのであれば、プロパーローンを利用できる金融機関を多く見つけておくべきである。 

しかし、プロパーローンはエリアや融資希望者の条件によって利用できる金融機関が大きく異なる。

適切な金融機関の開拓は手間がかかり難しいものとなるだろう。 

例えばプロパーローンを利用するなら候補となる金融機関は地方銀行・信用金庫・信用組合がメインとなる。

これらはエリアによって利用できる金融機関は異なってくる。 

融資対象エリアとしては都市銀行ならほぼ全国、地方銀行は県内や周辺隣接都道府県、信用金庫・信用組合はより狭く都道府県内、といった具合だ。 

更に融資希望者の居住地・勤務地によっても利用可能な金融機関やその支店が左右される。

利用したい金融機関があっても自分が融資対象エリア外に住んでいるために対象外になってしまうこともあるのだ。 

これらの区分は厳密に決まっているわけではないので、金融機関の担当者に直接アポイントを取って随時確認するしかない。 

プロパーローンは煩雑だがメリットは大きい

プロパーローンは利用できる金融機関を探すことから始めるなど、どうしても手間がかかる。

そういった手続などが煩雑になるため、不動産の収益物件販売業者などはプロパーローン利用に消極的なケースもある。 

前述したようにアパートローンの方が簡単で業者にとって効率も良いからだ。 

だが、先にも述べた通りアパートローン利用のみでは資産規模は頭打ちになりやすい。 

最初はアパートローンで融資を引いて不動産投資を始めてもいいが、だんだんプロパーローンの方にシフトしていき、「不動産投資の実績を見せて融資を引く」という状態を作ることが投資規模拡大には必要だ。

事業計画書や自分自身の不動産経営の実績を見せられるような資料を作り、地銀や信金などの金融機関を回るのだ。

これが実現できると、年収の〇倍という枠を大きく超えた融資を受けることが可能になる。

プロパーローンを引いて、信金から数十億円規模の融資を受けている人も少なからず存在するのだ。

また、金利もプロパーローンの方が一般的に低い傾向にあり、融資期間や融資金額などの条件も柔軟になることが多い。

さらに資産家であったり年収が高いなど属性の良い方は、メガバンクから低利なプロパーローン融資が受けられる可能性もある。

自身が高属性でないとしても、前述したように信用金庫などの様々な金融機関がプロパーローンを提供しているので、自分の属性にあった金融機関を開拓する事が出来る。

そして開拓した金融機関でプロパーローンを利用すれば、比較的低金利で融資を受けられる可能性もある。

アパートローンのように上限が決まっていない為に融資枠を拡大する事も可能だ。

資産規模を拡大したいならプロパーローンを利用できる金融機関を根気よく見つける事の見返りは大きいだろう。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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