日本政策金融公庫で投資物件を買うなら「3,000万円以内の木造築古」を狙え
日本政策金融公庫という金融機関をご存知だろうか?
日本政府100%出資の政府系金融機関であり、財務省が管理している特殊会社である。
民間の金融機関とそもそも成り立ちから違うこの日本政策金融公庫は、不動産投資においてある特殊な条件下で最も真価を発揮する。
最初に言ってしまうとその条件とは「2,000万円から3,000万円前後の高利回り木造築古物件」である。
今回はその条件になる理由を順に説明していこう。
目次
日本政策金融公庫の5つの特徴
まずは日本政策金融公庫の特徴をざっくりと見てみよう。
不動産投資に関係するものでは以下の5つが大きな特徴である。
1. 2,000万円までの無担保融資枠
例えば、物件価格が4,000万円で日本政策金融公庫の評価額が3,000万円の場合、評価が足りない1,000万円分は無担保融資枠で補うことができるということだ。
こういった例の場合は、フルローンでの借入が可能になる。
2. 融資限度額は4,800万円または7,200万円
収益不動産への融資は4,800万円の限度額が設定されている。
後ほど説明する優遇される層への限度額は7,200万円となってはいるが、4,800万円を超えると審査基準も上がるため、不動産投資での借入限度額は4,800万円と認識しておくのが実情に即しているだろう。
3. 融資可能エリア、固定金利、期間等
政府系金融機関だけあって、融資可能エリアは全国に及んでおり、支店がない地域はほぼないと言っても過言でない。
また、金利は全て固定金利で担保の有無等の条件にもよるが、おおむね1%後半から2%台が多いようである。
期間は10年から15年と他の金融機関と比べて短い。
20年の融資がおりる例も稀にあるが、「若者・女性・高齢者」など日本政策金融公庫が優遇する属性の人の中でも極わずかだ。
4. 属性が低くても新設法人でも借りられる
日本政策金融公庫はそもそも利潤の追求以前に、「個人事業主や中小企業などを支援する」という政府機関ならではの目的がある。
そのため、通常の金融機関では融資がおりにくい低属性の人や新設法人でも、物件評価さえ出れば借りることが出来る。
また、先にも記した「若者・女性・高齢者」は、日本政策金融公庫が特に弱者として積極支援を掲げているため、金利や期間などで優遇を受けることが可能だ。
「若者・女性・高齢者」の定義は以下となっている。
- 女性:年齢関係なし
- 若者:29歳以下
- 高齢者:55歳以降
5. 木造築古物件にも融資がおりる
他の金融機関との一番大きな違いは、耐用年数をオーバーした木造や軽量鉄骨の築古物件にも融資がおりるということだ。
逆に、通常の金融機関では高評価を得やすい築浅のRC造であっても、良い条件で借入ができるわけでは無いため、日本政策金融公庫にあった物件を選ぶ必要がある。
日本政策金融公庫では木造築古物件が良い
以上5つの特徴から導きだすと、不動産投資において日本公庫で借入をしたい物件は、なんといっても木造築古物件であろう。
ただ、物件の評価基準は都銀レベルに厳しく、金額の大きな物件だと2割以上の頭金が必要となってしまうことも多々ある。
そのため、無担保融資枠内の2,000万円から3,000万円程度の物件で、フルローンに近い状態での借入を目指したい。
また、融資期間も10年〜15年と短いため、利回りの低い物件だと毎月のキャッシュフローがマイナスになってしまう場合もある。
そのため表面利回りが10%〜15%程度はある物件を狙った方がよいだろう。
日本政策金融公庫で借入したい条件のまとめ
以上をまとめると、冒頭で記した「2,000万円から3,000万円前後の高利回りの木造築古物件」が日本政策金融公庫からの融資に最も適した不動産投資だと言える。
具体的には、「安い築古戸建てを購入してリフォームして貸し出す」など規模は小さいが地道に資産を構築していくタイプの不動産投資に適しているだろう。
また、もう一つ日本政策金融公庫の特徴に即した融資としては、1棟アパートや1棟RCなどの大規模な物件を持っている人が、大規模修繕や大掛かりなリフォームの際にその修繕経費として融資をしてもらうのもありだと言えるだろう。
この記事の監修者
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