不動産投資ローンの借り換えにおけるメリット・デメリットと注意点

2020年12月16日2,429

大手不動産投資サイトのアンケートによると、不動産投資をしている人の6割以上は金融機関から融資を受けて不動産を購入しており、その約半数は不動産投資ローンの借り換えを視野に入れているという。

不動産投資をする多くの人の関心を集める不動産投資ローンの借り換えだが、借り換えにはどのようなメリットがあるのか、デメリットはどれほどか、実際に借り換えをする際に注意すべき点などをここでまとめて検討してみよう。

不動産投資ローンの借り換えのメリット・デメリット

メリット

  • ・金利が下がるので毎月のローン負担額が減る
  • ・ローン負担が減って毎月のキャッシュフローが増える事で金融資産を増やす事が出来、金融資産増加により新規の融資付けも有利になる。
  • ・借り換え先の金融機関が大手である場合は、個人の信用力の増加と見なされる事もある。

デメリット

  • ・借り換え元に対し高額の違約金が発生する場合がある。
  • ・借り換え先へ支払う手数料や諸経費が発生する場合がある。
  • ・借り換え時に融資期間が圧縮された場合は毎月のローン額が増える。
  • ・現在借入をしている銀行からの追加融資がストップする可能性が高い。

以上が考え得る主な不動産投資ローンの借り換えにおけるメリットとデメリットである。

デメリットの中には違約金など費用に関する項目がいくつかあるが、具体的にはどの程度かかるのだろうか。

金額が大きくなる可能性が高いのはローン借り換え元の金融機関に支払う違約金であり、契約によっては数百万円になる場合もある

個別の契約により違約金の金額は大きく異なるので借り換えを検討する際には契約書の該当部分を確認し、借換え元の金融機関にも確認しておいたほうが良いだろう。

その他、借り換えに伴う金融機関に支払う手数料も数千円から数十万円程度かかる事が見込まれる。

また担保設定に関する主な諸経費として下記なども必要となる。

  • ・印紙税…数千円~数万円(ローン金額による)
  • ・登録免許税…抵当権抹消の場合土地、建物で2,000円、抵当権設定は融資額×0.4% (居住用の諸条件を満たした場合0.1%)
  • ・司法書士報酬…登記、抵当権の登録・抹消などで5~10万円程度

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不動産投資ローンの借り換えをする前に気を付けたい注意点

前述の通り不動産投資ローンの借り換えには様々なメリット・デメリットがあるが、実際にはそれ以外にも気を付けたい点が2つある。

1.融資枠を新規の物件購入に充てる方が得策な場合もある

ローンの借り換えは既存の金融機関から、より低い金利を提供してくれる金融機関へと借り換えるのが一般的だ。

しかし視点を変えてみると、既存のローンはそのままにして、より低い金利を提供してくれる金融機関から新たな融資を引き出して新規で投資用不動産を購入するという方法も検討出来るのではないだろうか。

例えば物件Xで金融機関Aから10,000万円の融資を受け年間のキャッシュフローが200万円だったとして、金融機関Bへの借り換えで年間キャッシュフローが220万円に改善するという場合で考えてみよう。

 A 10,000万円 CF200万/年(物件X分) 
 →Bに借り換えると・・・CF220万円(物件X分) 

せっかく金融機関Aから物件X用に融資を引けているのであるから、別途金融機関Bから新たに融資を引くことで新規で10,000万円の投資物件Yを別途購入したら、新たに物件Yから年間キャッシュフロー220万円を追加で生み出すことが出来る。

結果として金融機関A、B双方から融資を受けることで年間のキャッシュフローを200万から420万へと増やすことが出来るのだ。

 A 10,000万円 CF200万(物件X分) 
 + 
 B 10,000万円 CF220万円(物件Y分) 
 =CF420万円(物件X+Y分) 

もちろん個人で不動産投資ローンを引いている場合は個人に対する融資限度額などの兼ね合いでむやみに全体の融資額を増やすのは難しいかもしれない。

しかし法人での不動産購入の場合で将来的にも保有物件を拡大していきたいのであれば、新規の融資枠を既存のローンの借り換えで使用してしまうよりも新たな物件購入に充てたほうが得策である可能性もあるだろう。

2.既存の融資先との金利交渉が出来る場合もある

新規の金融機関でローンの借り換えをしようとするのであれば、まず既存の融資先金融機関と金利交渉が出来るかどうかを検討した方が良いだろう。

借り換えようとする金融機関が提示する金利と同等程度の金利を引き出すことが出来れば、他の金融機関との間でローンの借り換えをするよりも事務負担も少なく、融資は継続するのであるから既存の金融機関との関係も良好に保てる可能性も高い。

また既存の金融機関とは金利交渉で金利を低く設定してもらい、借り換え先として考えていた金融機関からは新規の融資を引いて新たな物件を購入する、という方法を検討することも出来るだろう。

宝箱と金貨

まとめ

気を付けたい注意点で述べたとおり、法人で不動産を購入しているか否かや融資枠の使い道の選択など、個人の投資スタイルで借り換えの判断は分かれるかもしれない。

また前述のデメリットの項目でわかるとおり、既存の金融機関から別の金融機関へとローンの借り換えをする際には相応の手間と手数料などの費用がかかる。

だが不動産投資ローンの借り換えで残債の1%程度は借り換え費用がかかったものの、その費用を込みでも支払金利の引き下げにより全体で数百万ほどの費用削減が可能になった例なども実際にあるのだ。

一般に残債が大きく借入期間が長いほど借り換えの効果は高くなっている。

よって自身の既存の融資の状態を考慮し、借り換えをする事でデメリットを上回るキャッシュフローの改善などのメリットが見込まれるならば借り換えは十分に検討に値するだろう。

 

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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