不動産投資の最初のローン金利が、次の融資に与える影響とは?

2020年12月16日1,027

不動産投資を行う際には多くの場合、金融機関から融資を受けてお金を借りる必要が出てくる。

この融資付けが不動産投資の成否を分ける重要なポイントのひとつだ。

購入したい物件があっても、融資を行ってくれる金融機関が見つからなければいつまでたっても物件を購入することは出来ない。

さらに大切なのは、融資先が見つかって物件を購入できたとしても、実はその融資条件が問題となって、次の融資が付かなくなることがあるという事実だ。

今回は、最初の融資の条件が、次の融資に与える影響を具体的に説明して行きたい。

有利子負債平均利率とは?

「有利子負債平均利率」という言葉を聞いたことはあるだろうか?

多くの人にとっては見慣れない言葉だと思うので、説明していこう。

まず、「有利子負債」とは、返済に利子を付ける必要がある負債のことであり、不動産投資の場合はローンがこれに当たる。

そして、「有利子負債平均利率」とは、過去1年間における有利子負債の平均利率を意味し、次の式で求めることができる。

有利子負債平均利率(%)= 支払利息÷期首・期末の有利子負債の平均×100

(期首は会計期間の最初の時点を指し、期末とは会計期間の最後の時点を指す)

例えば、1年間の支払い利息が500万円あったとする。

そして、3月決算の場合、その年の期首(4月1日)と期末(翌3月31日)の借入額の平均が1億円であったと仮定する。

そのような場合の有利子負債平均利率は、500万円÷1億円×100=5%となる。

この有利子負債平均利率を知ることで、どれ位のローン金利で資金を調達しているかが分かるのだ。

金融機関に与える影響とは?

金融機関が有利子負債平均利率を見る時は、「融資申込者の信用度」の指標とする場合が多い。

また別の見方をすれば、「融資申込者のこれまでの不動産投資に対する成果」であるとも言える。

例えば、有利子負債平均利率が1%台の申込者であれば、他の金融機関から高い評価を得ていて良い投資結果を残していると評価され、次回の融資も受けやすい。

逆に5%台などになると、他の金融機関からの評価が低く投資結果も不十分なため、次回の融資は見送られる可能性が高いということだ。

有利子負債平均利率が高くなる理由はシンプルであり、それまでの融資を高いローン金利で受けしまったからである。

そうなると、現状は金融機関からの信用が足りないと評価されて、新たに融資を申し込んでも断られるか、今まで同様かそれ以上に高いローン金利を提示されてしまうだろう。

初期の不動産投資で融資付けに苦労すると、高いローン金利などの不利な条件でも取りあえず融資を受けてしまおうと考えるが、このように将来的に問題が発生してくる可能性が高いので注意が必要だ。

それでは、有利子負債平均利率をどれ位で保つと良いかの目安であるが、2.5%程度と考えてもらいたい。

そのための対策はシンプルであり、利益の確保できる物件を探し、さらにしっかりとした物件資料等を作成して、少しでもローン金利を安くしてくれる金融機関を地道に探すことである。

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金利交渉はタイミングが大切

また、今までのローン金利が高ければ、借り換えや金利交渉でローン金利を下げることも可能である。

知識がなければ、ローン金利は融資契約締結時に決定した額から変わることはないと思いがちだが、そんなことはない。

そして、金利交渉はタイミングが大切である。

物件取得後、半年間〜2年間程度を運用した段階や確定申告後などが、ローン金利の交渉に最も適していると思われる。

さらに4月や10月は人事異動で担当者や支店長が異動したり、融資の基準が見直される可能性が高い時期であるため、金融機関に訪問面談してローン金利の交渉が出来るか探るとよいであろう。

逆に、3月の決算時や9月の中間決算時で金融機関が忙しい時期は、担当者も余裕がない場合が多いため、金利交渉を避けるべきである。

また、金融機関との面談申し込みの際には、「ローン金利の面でお話がしたい」という意志を明確にしておいた方が良い。

担当者も、返済実績がしっかりしている優良な顧客と判断すれば、ローン金利の交渉に応じてくれる可能性は十分にある。

また、ローン金利を下げる交換条件として、100万円、300万円などの定期預金の申し込みを提示される場合もある。

この場合は、家族の誰かに頼んで預金すると「関連預金」という形で申込者の実績となるため、金融機関にとってもローン金利を下げる代わりのメリットが得られるのだ。

今すぐやっておきたいこと

まずは、自分の不動産投資における有利子負債平均利率を知っておくことが大切だ。

その上で、有利子負債平均利率が適切でないと判断した場合は、ローン金利の交渉や借り換えを検討して、次の融資がいつでも受けられる状態にしておく必要がある。

また、幸いにもまだ不動産投資を行っていない方は、最初のローン金利の条件は次回以降の融資付けに大きな影響を及ぼすことを覚えておいた方が良いだろう。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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