独身で保証人なしでも不動産投資でアパートローン融資を引くための「秘密の方法」

2020年12月18日5,029

融資を受ける際に保証人が必要な場合が多いことは、まだ物件を持っていない人も聞いたことがあるかもしれない。

日本の金融機関は担保や保証人が大好きだ。

事業リスクを分析するよりも、担保や保証人を確保して万が一に備えるというやり方が染みついているのだ。

これは一般の行員がそのように考えているというよりは、上層部や金融庁が昔からの慣習を引きずったまま今日に至っているというのが実態だ。

良し悪しは別にして、保証人がいないとやはり融資は受けづらくなるという現実は確かに存在する。

結婚をしてなくても、親を保証人に立てるなどの代替手段を講じられることは無理ではないが、配偶者を保証人に立てる方が金融機関からは好まれる。

不動産購入者が40代だとすると、その親の世代は70歳前後だろう。保証人として選定したところで保証人として機能する期間は短いことが予想されるからだ。

借りやすさで言うと、

配偶者の保証人あり > 親の保証人あり > 保証人なし

という順になる。

では、独身・保証人なしだと不動産投資を始めるのが無理かというと、決してそんなことはない。

私自身独身であり、居住地からは遠く離れた地方の中古ばかり買っているので融資の実行難易度は高いが、恐らく多くの人より融資を引けている額は多い。

独身で融資を引くには、以下の方法を使うのだ。

団信付きで融資を引く

団信とは団体信用生命保険の略だ。融資を受けた人が死亡、もしくは高度障害になった場合に、本人に代わって残債の全額支払を行うものだ。

団信に加入すれば原則保証人は不要だ。しかし注意点がいくつかある。

まず一点目は、団信加入の際に金利が上がることだ。

団信によって異なるが、0.2%-0.5%程度の金利アップとなる場合が多い。

もう一点は、融資金額に上限があるという点だ。

地銀は地方銀行協会会員と全地銀の団信で、合わせて1億円の上限がある。第二地銀も同様に合計1億円だ。

地銀の場合は地銀協会が団信の契約者となり、団信を受ける生命保険会社と契約する形態になる。

メガバンクはメガバンクが直接生保と契約する団信に入ることになるが、こちらも1億円の上限がある。

信金は信金全体で5,000万円だ。

例えば、既に第一地銀から団信付きで融資を受けていて、違う第一地銀に団信を申し込んだ場合、総額が1億円を超えると団信は受けられなくなることになる。

しかしスルガ銀行だけは別の独自の団信の仕組みを持っており、3億円まで他の銀行とは別枠で団信に入ることが出来る。金利の付加もない。

もともと高いと言われているスルガの4.5%の金利の中に、団信の費用も入っているのだ。そういう意味では、スルガ銀行からは連帯保証人を求められても付けない方が良いということになる。

法人で融資を引く

新設法人を立てて融資を引く方法は、独身で保証人なしで融資を受けたい場合に有効だ。

特に地銀は、団信の枠を超えた場合ほとんどのケースにおいて保証人を求めて来る。

法人を使えば保証人は代表者のみで大丈夫になる。連帯保証人は不要だ。これも世の中の流れとして、いずれ代表者の保証人さえ不要になるだろう。

国会に提出された法案は廃案となったが、諸外国は既にそのようになっており経営者の個人保証を求めるのは今や日本とその他一部の地域だけだ。起業促進のための措置としては当然の流れだと言える。

不動産投資を広げたいのであれば、保証人が付けられる状況であっても最初から法人で買った方がいいだろう。法人で買う方が不動産投資を広げやすいからだ。個人の方が間違いなく最初は買いやすいが、それは1,2億円までの話なのだ。

新設法人で物件を買うのは、個人+保証人付きで物件を買うよりも融資審査のハードルは上がる。

既に法人で融資を受けている場合は、その実績を元に融資してくれる場合もある。

しかし個人・法人とも不動産賃貸業で全く実績がない場合は、個人の資産管理法人という扱いの新設法人に融資を実行することになるからだ。

スルガ銀行など、新設法人への不動産融資を行わない地銀も存在する。

新設法人への融資はハードルがあるが、保証協会を使って保証が受けられる場合は各金融機関とも歓迎する場合が多い。

しかし数億円などの融資を保証してもらうのは無理だ。最初は数百万円や2,000万円程度の融資だと保証協会側も取り組みやすい。

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この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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