サラリーマン大家の不動産投資法4(都心、地方)

2020年12月17日828

都心で安定的に運用できる物件を購入するか、地方で高利回りの物件を購入するかについては、多くの不動産投資家の間で議論が割れる話だ。

なおここで言う都心とは、東京、千葉、神奈川、埼玉の23区寄りの地域や、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌などの中心部を指している。

事実から説明すると、東京23区を中心とする都心では、築20年程度の物件でも利回り6-7%程度で売買されている。

この利回りだとキャッシュフローが出ないので、サラリーマン大家が投資目的として物件を買うには、手が出しにくい価格水準になっていると言えるだろう。

リーマンショック後の2010年-2012年ごろは、東京23区内でも利回りも10%台の物件があったが、それ以降はオープンな市場ではほとんど見かけなくなった。

東京ほど極端に利回りは低くない地域もなくはないが、同様のことが他の主要都市の中心部にも言える。

都心部の物件は基本的に利回りが低くキャッシュフローも出にくいのだ。

地方物件の特徴

では、地方はどうだろうか。ここで言う地方とは、一般的に言う田舎になる。

ただし、あたり一面田んぼや畑が広がっているような人が全然住んでいない地域ではなく、普通の住宅地が広がっている地方の市区町村だ。

用途地域で言うと住居用地域か準住居用地域を指す。

ジャスコやイオンがある、地方のローカル線が最寄りの地域を想像して貰えばいいだろう。

このような地方の物件の一番のリスクは人口減だ。

都心への人口流出の傾向はこれからも続く見込みであり、過疎化まではいかなくても人口減による空室リスクはまず最初に考慮しなくてはならない点だ。

また、土地が比較的豊富にあるため、新築が建ちやすい地域が多いという点も見逃せない。

自分の物件が築20年であれば、新築が建っても競合しないと考えるかもしれない。

しかしそれは目先数年の話だ。新築から5年も経てば家賃は徐々に下落し始め、築20年の物件との差は小さくなってくる。

築浅物件が多く供給されているのであれば、それらが予想以上のスピードで競合になるということになる。

また、特定の工場や大学に入居者の需要を大きく依存している場合もある。

グローバルの厳しい競争に置かれている国内メーカーは、工場の統廃合を頻繁に行っており、1,000戸単位で部屋が空いてしまった地域もある。

大学については、過去に郊外志向が存在した。

東京で言うと、八王子や多摩方面に広大なキャンパスを設け最初の2年間だけ通い、最後の2年間だけ23区内の新宿区や渋谷区のキャンパスに通うのだ。

しかし近年その傾向は薄れてきており、学生数が減るのに伴いより魅力を増すために都心部のキャンパスに回帰する動きが顕著だ。

このような特性を抱えている地域は、ハッキリ言って人口減よりもリスキーな問題を抱えていると言える。

都心に電車で通える東京の西側の市部でもかなり危ないのだ。

工場や大学が居なくなった後、家賃を20,000円にしても決まらないという大変悲惨な状況に陥っているエリアも、実際に存在する。

地方の賃貸事情は地域ごとに異なる

地方と一口に言っても、県単位で賃貸状況は大きく異なる。

地方都市の中でも空室率が県全体で30%を超えるのが、山梨県と福井県だ。この2県の賃貸需要は全体としてかなり厳しい。

ただしこのような県の中でも、実際は勝ち組と負け組に分かれているのが実態だ。

昔から所有している土地を守れればいいとだけ考えている地主大家は、当然入居率にこだわる姿勢が薄い。

逆に最新の知識を豊富に持っている投資家タイプの大家は、入居率を上げるためにあらゆる手段を講じる。

日本全体で徐々に空室率が高まる状況が、都心に先駆けて地方で現実化しているが、その中でも勝ち組は必ず存在している。不利な条件下でも、常に入居率にこだわる姿勢を持ち続けているからだ。

地方のリスクばかりを述べたが、地方投資の最大の利点は利回りだ。

都心部ではなかなかお目に掛かれない15%以上の利回りが出る物件も多くある。

都心で利回り7%の物件を融資を引いて買うのであれば、全室埋まることがキャッシュフローが出ることの条件になる。

しかし地方で利回り17%の物件を買うことが出来れば、3割ぐらい空いていてもキャッシュフローがマイナスになることはないだろう。

マイナスになるどころか、利回り17%で入居率70%の物件の方が、利回り7%で満室の物件よりもキャッシュフローは多く出る可能性が高い。

高利回りの物件は、多少の空室はものともしないパワーを持っているのだ。

都心部は物件数自体が限られている上に人口流出がないので、その分利回りが低くなる傾向にあるのは事実だ。

それゆえ、先々のリスクは読みやすく、安定的な投資が出来るだろう。

先が読みやすい投資かどうかは、余剰金を運用する目的の企業や、相続目的で物件を購入する層にとっては重要なポイントだ。

都心と地方どちらを選ぶべきか?

では、都心部の物件と地方の物件のどちらを狙った方がいいかと言うと、これは投資家自身の志向によるとしか言いようがない。

地方の不動産賃貸の方が利回りは間違いなく高いが、が長期的なスパンで考えると厳しいと考えるのであれば、都心部で物件を購入するしか選択肢はない。

それらを踏まえた上での私の考えはこうだ。

資産を持たない我々サラリーマン大家が、投資で財を成そうと考えて参入するのであれば、やはりリスクを取ることは避けられないと思う。

ベストなのは都心部で安い物件を購入し続けることだが、それが現実的には難しいことは先人達が証明している。

特にサラリーマン大家でこれから資産を作っていく人にとっては、都心部で小さく儲けることを長いスパンで続ける投資は、他にもっとリターンが望める投資がある中で非効率だと言える。

地方の物件は良し悪しの差が大きいことは述べた通りである。しかし、しっかりリサーチを行って埋まる物件なのかどうなのかを正確に把握できれば、このリスクも回避可能だと個人的には考えている。

地方物件の多くは空室を抱えて売りに出されている。

しかしそれを埋めることが出来るのかをリサーチするのは、実はそれほど難しいことではない。何故ならセオリーが既に存在しているからだ。

資産を持たない我々は、積極的にリスクを取りながらリターンを追求する必要があるのだ。

そして知恵を絞って、リスクを回避する策を講じなければならない。それが出来なければ、資本を元々持っている富裕層たちには勝てないだろう。

リスクを取らずに成功できるようなうまい話は、残念ながら存在しないのだ。

私は自宅から新幹線を使って2時間以上かかる場所に物件をいくつか持っている。

いわゆる地方物件だ。実際に何年も保有しているとわかるが、ハッキリ言って現地を見に行く必要はあまりない。

物件を見たところで、何かすることがあるわけではないのだ。これは物件が家の近所でも、同じことだろう。多分見に行かないと思う。

地方物件を買うのであれば、むしろたまに旅行がてら物件を見に行けるチャンスが出来たぐらいの感覚でいた方が楽しいかもしれない。

どの位の稼働率で回っているのかの実態についても説明しよう。

私は空室率30%が超える県で、人気のない3点ユニットのアパートを持っているが、リフォームを工夫して満室で稼働させている。

半分以上空いている状態で買った場合は、さすがに埋まるまでに4ヶ月~5ヶ月ほどかかる場合が多い。

ただし、満室にすることは確実に実現出来るし、その状態も維持している。空室率の高い地方でも、物件を厳選すれば満室経営は十分可能なのだ。

一般論が必ずしも個別論に当てはまるわけではないことの良い例だと言えるだろう。

都心部の物件への投資は、資産を既に持っている人のためのものだ。

サラリーマン大家で資産ゼロから不動産投資で資産を作ろうと考えている「持たざる人」は、リスクを取りながらより大きなリターンが狙える投資を行うべきなのだ。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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