サラリーマン大家の不動産投資法3(区分、一棟、戸建)
サラリーマン大家でも取り組める不動産投資は沢山の手法があり、購入する物件の種類も多種多様だ。
物件の購入対象を、区分、一棟、戸建に分けて比較すると、それぞれに良い点と悪い点が同じ割合であることがわかる。
経済学の基本的な知識の中に、ある程度の規模と流動性を備えた市場においては、リスクとリターンが均衡したところで価格形成されるという理論がある。
不動産市場においても、リスクが高い地方のテナント物件は利回り(リターン)が高く、リスクの低い都心部の区分物件は利回りが低い。
総論として、都心に投資するA投資法が地方に投資するB投資法よりベターだということは、基本的には起こり得ないのだ。
各々の投資法の中で割安な物件を見つけることが重要になるわけだが、自分に合う投資法が何なのかは自分で探すしかない。
私が行っているのは、主に地方で中古の一棟の物件を購入する投資法だが、区分や戸建てに投資する手法も当然良い点はある。
以下より、それぞれの投資法について解説を行うので、自分に合う投資法を見つけるための参考にしてみて欲しい。
1.区分マンション投資法
サラリーマン大家の不動産投資の手法の中で一番取っつきやすいのが、区分マンションを購入するやり方だ。
区分とは一棟マンションの1区画のことを指し、1Kタイプが20戸あるマンションであれば、その1室(全体の20分の1)を保有することになる。
土地と建物の共用部分については、普通は持ち分に応じて権利を取得することになる。
区分投資の良い点は投資額が小さく管理が楽な点だ。
数百戸以上の部屋を所有しているメガ大家も、サラリーマン大家時代に区分マンションから購入し始めたという人は沢山いる。
それだけ最初に始めるには取っつきやすい投資なのだ。
ただし管理費や修繕費が毎月定額で必要となり、全体の一部分しか所有しないため管理面や募集面で工夫出来る余地が大変少ない。
収益性においては、1棟マンションや1棟アパートより見劣りするケースが多いと言える。
しかも区分は1室空いてしまうと空室率100%になってしまうので、2,000万円で区分マンションを買うよりは、地方のアパートを同じ2,000万円で購入した方が空室リスクは小さいと言える。
区分は土地・建物の評価額が売価よりも低くなることが多く、銀行が試算する積算評価でもほとんどのケースで物件価格未満となる。例えば2,000万円の中古区分をローンで買った場合、銀行は1,000万円分しか資産性を見出してくれないので、帳簿上は資産よりも負債の方が大きくなってしまう。
それゆえ区分マンションのみを何億円分も買い続けることは、億単位の資産背景や数千万円以上の年収がある場合を除いて不可能に近い。
ただし管理が楽で駅近の物件が多い点などを考慮すると、初心者が初めて購入するには適した条件を備えていることは事実だ。
最初に購入する物件として区分を選ぶのは、悪い選択とはならない場合も多い。
2.一棟マンション投資法
一棟マンションは銀行の積算評価が高いケースが多く、規模を拡大しやすいのが大きなメリットだ。
1億円程度までの物件であれば、不動産業者ではなく個人のサラリーマン大家でも欲しい人は沢山いるので、売り出す際も困らない場合が多いだろう。
購入後の管理・運営は自分で方針を決められるので、物件を所有している大家自身の工夫により物件価値を高められることも特徴的な点だ。
募集家賃、入居者の属性、清掃、リフォームなどの定常業務から、物件名などのソフト面の決定権まであるので、不動産オーナーとしての醍醐味を十分に味わえる。
しかし投資規模が大きくなる分リスクも大きく、物件を購入したものの資金が回らなくなった時の損失は計り知れない。
出ていくお金の絶対額も大きく、外壁補修やリフォームで数百万円単位大きなお金が急に必要となる場合もある。
例を挙げると、利回りが10%で5,000万円程度の中規模の物件を購入したとすると、毎月40万円程度の家賃が入ってくる。
その場合、銀行返済を含めた支出額は毎月25万円~30万円程度になるので、大きな収入と支出が同時に発生するような投資になることがわかる。
しかし収入と支出の歯車が狂い出すと一気に苦境に立たされる可能性もあるので、十分に検討して取り組む必要がある。
サラリーマン大家がワンルームで失敗しても、本業の収入で損失をまかなうことは可能かもしれない。
しかし数億円規模の一棟マンションで失敗すると、一発で破たんする可能性もあるのだ。
1棟マンションは、確実に物件の選定が出来るだけの知識を備えた人が実践するべき投資だ。
ただし初心者でも積算評価・収益評価とも出る物件を最初から買えれば、短期間で次々に買い進めることも現実的に可能だ。
現に私は最初から1棟物に絞り込み、勉強期間3か月ほどで物件を購入した。事前にしっかり不動産投資の知識を得ることが条件となるが、最初から数億円規模の一棟物を狙うのを検討しても良いと思う。
3.一棟アパート投資法
一棟アパート投資法はアパートを土地ごと全て購入する投資法だ。マンションとアパートの違いだが、実は明確な基準は存在しない。
木造・軽量鉄骨がアパートで、重量鉄骨、鉄筋コンクリート(RC)、鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)がマンションだと覚えておけば良いだろう。
都心部を除くと多くの物件が1,000万円-5,000万円程度の価格になる。固定資産税はRCのマンションに比べると格段に安く、エレベーターなどの設備もないことが多いことから、一棟マンションよりも格段に安い経費で運営ができる。
一棟アパートへの投資は、新築や築浅を狙うのか築古で15%以上の高利回り物件を狙うのかで、取り組み方は大きく変わる。
築古で高利回りの物件を狙う場合は、融資銀行が限られる上に積算評価が出ない場合が多い。
広いエリアで築古アパート物件を複数購入するには、政府系の金融機関を利用するのが主な資金調達手段となるだろう。
1億円以上の投資規模をアパートのみで実現しようとすると、地銀や信金を使って同じエリアで買い増すことになるが、エリアを絞ると物件探しが難しくなるという問題が出て来る。
一棟マンション投資より規模拡大の難易度は上がることを覚えておいて欲しい。
土地の値段=物件の価格という、土地値物件を探して投資する手法もある。この手法のメリットは、更地にして売るという出口戦略が考えられるため売却がしやすくなることだ。
しかし土地値で売りに出ている木造物件は、実際は数がかなり限られているのが実状だ。この手法で買い増している人も居なくはないが、狙っているエリアで物件を紹介してくれる不動産会社を数多く開拓する必要がある。
もう一点気を付けなくてはならないのが、耐震性だ。木造は火事や地震などの災害に弱く、震災で倒壊している物件は全て木造だ。
木材で出来ているのでリフォームがしやすいという利点がある一方、耐久性確保のためのメンテナンスはしっかり行う必要がある。
4.戸建て投資法
戸建に住みたければ、多くの人は自分で買って建てるが中古を買うしかないと考えがちだ。
しかし実際は、かなり少ないながら賃貸にも戸建の物件は出回っている。
戸建の賃貸需要は多くないが、それ以上に供給量が少ないのが一戸建ての賃貸市場の特徴となっている。
絶対数は少ないが、楽器を弾いたりペットを沢山飼いたい人は必ずどこにでも一定数存在する。戸建の需要と供給の差を上手く利用して投資すれば面白い投資が出来るだろう。
戸建は、基本的に賃貸を目的として建てることが少ないため、市場に出回っている居住中の売り物件はローン返済が回らなくなったケースか、途中から投資用の戸建てになった物件が多い。
この場合、居住している人を無理矢理追い出して自分が住むことは日本の法律では出来ないので、戸建であっても投資物件として取引されることになる。
故に、物件価格は利回りでベースで計算された金額で取引されることになるだろう。
反対に、空室の戸建が売りに出れば、それは実需として自分が住むために購入する人達と争って購入することになる。
そうなると居住者が住んでいて投資用として値付けがされていた時と比べて、高い金額設定になる場合が多い。しかも購入を希望する人の数は格段に多くなる。
賃貸中の戸建て物件を利回り換算で計算された金額で購入し、賃貸者が退去した後リフォームして実需として販売する投資法がある。
この投資法の妙味は、利回り換算の物件価格が実需の物件価格よりも安いことを利用して、割安に物件を買えることだ。この手法はファミリー用の区分でも利用できる。
わかりやすい例を以下に挙げよう。
築15年の戸建物件があり、月25万円で賃貸に出されていたとする。これが空室の一戸建てだと、自分が住む用の物件として5,000万円で購入者が現れてもおかしくないだろう。
しかし賃貸中だと、物件価格が5,000万円では利回りを逆算すると6%になる。築15年の戸建で6%の利回りでは、恐らく誰も買わないだろう。
利回り8%が妥当だとすると、価格は3,750万円まで下がることになる。居住者がいるかどうかで、売却価格に1,250万円もの差が出てしまうのだ。
具体的な流れとしては、まず投資として賃貸中の戸建を3,750万円を買う。いずれ賃貸者は退去するので、その段階で実需で売れるだけのリフォームを行って売りに出せば5,000万円で売れる。
この手法であれば、リフォーム費用を差し引いても十分な利益が出るだろう。
このような投資法がある一方、一戸建て投資法を行う人の多くは、物件価格が低く利回りの高い築古の戸建を狙って購入している。
築30年以上のボロ物件を購入して、大規模なリフォームを安価に行うのだ。そして、その物件をそこそこ安い家賃で長く貸すやり方だ。
この手法は、木造の戸建がRCなどに比べて間取り変更などのリフォームを一戸建てが安価に出来ることを利用している。
物件価格数百万円ほどの安い戸建を指値を用いながら買い、ローンを使わずに現金で購入するのが特徴だ。
事前にリフォーム範囲をある程度特定できれば、融資を使わないためリスクが少ない投資だと言える。
この手法は、自分でDIYをしてリフォームする人もかなりの割合で存在する。
ただしこのやり方はキャッシュフローが溜まるスピードが遅いので、何億円分もの物件を購入するのは現実的に難しいだろう。
また、DIYが好きじゃないと、投資としてサラリーマン大家が取り組むのは大変だ。
規模を追求して短期間でキャッシュフローを厚くしたい人ではなく、低リスクで利回りを追い求める人向けの投資だと言える。
5.テナント投資法
テナント投資法は、飲食店や事務所などのテナント物件を購入する投資法だ。
居住用のレジデンスの1Fや2Fにテナントが入っている物件があるが、ここで述べるのは全室がテナントの物件に投資についてである。
この手法の最大のメリットは、高い利回りの物件を狙えることだ。
テナント用物件は家賃変動リスクがある上に共益費も高くなるので、同じエリアの居住用のレジデンス物件よりも数%高い利回りになる場合がほとんどだ。
良い立地で賃貸需要が見込める物件を購入できれば、収益性が高い投資になり得るだろう。
しかしデメリットもあり、レジデンスと比べて水道代、光熱費などの管理費用は高くなる傾向がある。
また多くの人が出入りするため、建物が痛むのも早くなる。
テナントとして飲食店が入居していることも多いが、例えば水が出なくなった場合は即座に修理する必要がある。
レジデンスであれば水が出なくても「修理は明日やります」という断り文句が通じる場合があるが、飲食店相手ではそうはいかない。管理自体もシビアな態勢が求められるのだ。
レジデンスと比べてオーナーがバリューアップ出来る範囲が狭いのも、テナント物件の特徴だ。
レジデンス物件は設備を足したり内装をグレードアップすることによる空室対策を講じることが出来るが、テナント物件ではその余地がほとんどない。
テナント物件が埋まるかどうかを決めるのは、立地による割合が非常に高いのだ。
空室がある状態でテナント物件を購入する場合は、本当に空室を埋めることが可能なのかの検証が絶対に必要だ。
数部屋埋まらなくても収支が回るかどうかや、テナントがどれだけ繁盛しているのかなどを勘案しながら、綿密に計算する必要がある。
まとめ
物件種類別の主な投資手法について解説を行った。
ここで述べた手法以外にも、シェアハウス、更地投資、駐車場、ホテル、倉庫など、不動産投資手法の種類は多種多様なものがある。
これは私の意見だが、サラリーマン大家はスタンダードな居住用レジデンスから取り組むのがいいのではないかと思う。
テナントやシェアハウスは、入居需要を非常に読みにくいからだ。
まだ物件を持っていない場合は、投資対象を区分にするのか一棟にするのかが最初の大きな決断となるだろう。
どのような投資手法を選んでも、割安なものを買えていればいつでも売却可能となる。
割安に買うことにこだわるのは、実は投資法を選ぶよりも重要だ。
この考えを踏まえたうえで、ぜひ自分に合った投資法を見つけて欲しいと思う。
この記事の監修者
37歳の会社員が
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