サブリース契約は危ない!家賃保証の仕組みと問題点

2019年03月29日328

不動産投資を考えている人であれば、一度は「サブリース」という言葉を耳にしたことがあるのではないだろうか。

サブリースは不動産会社が提供する管理業務サービスの一つだ。

一般的に、サブリース契約はリスクが大きいといわれているが、一体どんなところに問題があるのか。今回は、サブリース契約の仕組みや問題点、契約書のチェックポイントなどを紹介していこう。

サブリース契約とは?

サブリース契約とは、一括借り上げに伴う家賃保証制度契約のことである。

不動産会社は、貸主から物件を一括で借り上げ、入居者に転貸しをする。貸主は、賃貸物件の運用に伴う家賃の集金や手続き、管理などを不動産会社に一任することができる。

さらに、物件に入居者が入らず空室の場合にも一定割合の家賃が保証会社から貸主に支払われる。

「サブリース」と「家賃保証」は同じ意味で使われることが多く、主に新築の収益物件建築時に契約される。

業者だけが儲かる?サブリース契約の仕組み

サブリース契約には通常の賃貸経営とは異なる点がいくつかある。

不動産オーナーなら誰もが恐れる空室リスクをカバーできるかのような仕組みのサブリース契約は、一見とても魅力的に思えるだろう。

しかし、サブリース契約には大きな落とし穴も潜んでいる。

サブリース契約の仕組み

通常の賃貸経営では、物件所有者であるオーナーが入居者と賃貸借契約を結び、管理費などを差し引いた家賃収入すべてを受けとることができる。

しかし、サブリース契約では、サブリース会社(不動産会社)が賃貸物件を一括借り上げし、オーナーはそこから一定のサブリース料(保証賃料)を受け取ることになる。

たとえば、1室6万円で12室ある収益物件を建てた場合、満室時の家賃収入は6万円×12室=72万円/月となる。

サブリース契約を結び家賃保証を受けた際は、この満室時家賃の85%程度(契約によって異なる)を、家賃保証会社がオーナーに支払うことになる。

オーナーは自分の収益物件が満室であろうと空室であろうと、満室時の85%の家賃である61.2万円を得ることができる。

サブリース会社の儲けは?契約期間と費用の謎

サブリース契約はたいてい、「安定の家賃収入」「30年の長期契約」などのうたい文句ですすめられる。

安定した家賃収入が30年間も継続して得られるなら契約した方が得をするように思えるだろう。しかし、それにつられてサブリース契約を結んではいけない。

サブリース契約で、開始当初の家賃が継続して保証されることはほとんどなく、たとえ30年契約でも数年後には賃料改定が行われ、オーナーが受けとる保証額は下げられてしまう。

そもそもサブリース会社は、家賃の10~30%程度を保証料として差し引くことで利益を得ている。

建物の老朽化や周囲環境の変化に伴う家賃の値下げがあれば、オーナーに支払われる金額が下がるのは当然だろう。

また、物件の入居者が支払う敷金・礼金・更新料なども、受け取るのは入居者と賃貸借契約を結んでいるサブリース会社であり、オーナーの取り分はない。

さらに、サブリース会社はサブリース物件の建築費でも利益を得ている。

建設会社とサブリース会社は密接な関係にあり、オーナーはサブリース会社が指定した建築会社でないと建物を建てられない。

家賃保証を掲げて割高な建築費を要求してくる会社も少なくないのだ。

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家賃保証をしても空室リスクは減らない!

家賃保証は新築時につけられることが多く、建設会社と結託した家賃保証会社を兼ねた管理会社がオーナーにサブリース契約の提案を行う。

その際、「空室リスクがないこと」「家賃下落リスクをカバーできること」を家賃保証のメリットとして伝えられるだろう。

たしかに空室リスクと家賃下落リスクは、不動産賃貸経営で抱えるリスクのうちもっとも自助努力で解消しにくく、多くの大家が悩んでいるポイントだ。

仮に、そのリスクがなくなるのであれば、家賃保証をつけるメリットがあるように思える。

しかし、実際に家賃収入が減ったとしても、これらのリスクを家賃保証でカバーすることはできないことがほとんどだ。

なぜかというと、契約条項の中に「保証する家賃は周辺相場の変動により変えることができる」という内容が必ず明記されているからだ。とても巧妙だと思わないだろうか?

新築時から年月が経ち入居者が何回転かすると、家賃は必然的に下がり入居率も悪くなる。これは自然なことであり、その都度オーナーが手を打たなければ、家賃下落はどんどん進むことになる。

エリアによっては空室がかなり増えることになるかもしれない。

サブリース会社は原則、そのような家賃下落が発生する状況になった際に家賃保証の金額自体が変更になるという契約しか結ばない。「家賃保証=保険」ではないのだ。

こんな契約では、何のために家賃保証を付けているのか意味がわからないと思うだろう。そう、サブリースや家賃保証はつける意味がまったくないのだ。

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資産家も会社員もハマった!サブリース契約のトラブル集

サブリース契約は、表面上は魅了的な仕組みにみえるため、裏側を考えず契約してしまう人が多い。

実際にサブリース契約のトラブルに巻き込まれた人の事例を紹介しよう。

トラブル1:営業マンの押しに負けサブリース契約をした資産家のAさん

Aさんは、駐車場などの経営をしている土地持ちの資産家だ。

Aさんのもとには、大手建築メーカーの営業マンがアパート経営の話を頻繁にもちかけてきていた。

「土地を駐車場にしたままではもったいないですよ。アパート経営をしたら利回りは8%にもなるんです。アパート経営の経験がなく不安だとしても、サブリース契約で6%の家賃保証を30年つけられますから安心ですよ」

そんな営業マンの話を信じ、Aさんは契約期間30年でサブリースをつけたアパート経営をすることにした。

ところが、実態は契約期間30年であっても5年ごとに家賃保証額の見直しがあり、当初の収支計画とは程遠い結果になってしまった。

トラブル2:サブリース契約をつけるといわれ不動産を高値で買った会社員大家のBさん

Bさんは、企業勤めの会社員で土地は所有していない。次の条件で物件を買い、サラリーマン大家として華々しいスタートをきったつもりでいた。

場所:三重県内

物件:鉄骨造り、築25年、表面利回り9%、総戸数20戸

融資:スルガ銀行で金利4.5%

物件価格:1億円

地方の物件で空室が5戸あったが、購入先の不動産会社が空室分に1年間のサブリースを付けるという条件だったため、Bさんはサブリースを受けている期間中に入居者が決まればよいと思っていた。

ところが、サブリース契約が切れる1年経っても入居者は決まらず、それ以降のキャッシュフローが悪化してしまう結果となった。

このようなことが起こった背景には、不動産会社の思惑がはたらいている。

不動産会社は、8,000万円で仕入れた物件を1億円で売りたいと思ったが、空室が5/20もあると金融機関は融資をださない。

金融期間から融資がでるよう、見せかけの満室状態を作るために短期間のサブリース契約をつけたのだ。

不動産会社が物件を高く売るために家賃設定を高めにして利回りをよく見せていただけだったため、実際はサブリース契約終了後も入居者が決まらず収支が悪化してしまったのだ。

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サブリース契約とその他委託サービスの違い

サブリース契約は、物件の管理運営や入居者募集など、賃貸経営業務のほとんどをサブリース会社にまるごと委托するサービスだ。

サブリース契約以外にも賃貸経営の一部を外部委託するサービスは複数ある。本当にサブリース契約が必要なのか比較対象にしてほしい。

管理委託

入居者の募集から手続き、家賃の集金などの管理運営業務を委托するのが管理委託だ。

管理委託料は5%程度で、物件オーナーの多くはサブリースよりもこの管理委託を利用している。

滞納保証

滞納保証は空室保証とは異なり、入居者が家賃を滞納したときに保証会社が物件オーナーに滞納分の家賃を支払うものだ。

賃貸借契約時に入居者に保証人をつける代わりとして、入居者が家賃の滞納保証料を支払う場合が多い。

保証料は会社によって異なるが、入居時に一ヶ月分の家賃の30~100%程度、契約更新時に家賃の10%などが一般的だ。保証会社は滞納家賃の回収のために家賃滞納者への督促なども行う。

空室保証は保証会社に毎月保証料を支払うことで物件オーナーに一定の家賃が保証される仕組みだ。

保証料は満室時の月額賃料の総額の5%程度で、空室が出てもオーナーの受けとり家賃が満室時家賃の90%程度相当になるよう差額の金額を保証する。

空室保証

空室保証は保証会社に毎月保証料を支払うことで物件オーナーに一定の家賃が保証される仕組みだ。

保証料は満室時の月額賃料の総額の5%程度で、空室が出てもオーナーの受けとり家賃が満室時家賃の90%程度相当になるよう差額の金額を保証する。

外部委託サービスの比較

 サブリース管理委託滞納保証空室保証
家賃からの費用20%程度5%程度契約時に30%程度5%程度
費用負担オーナーオーナー入居者オーナー
敷金・礼金受取サブリース会社オーナーオーナーオーナー
空室時の保証ありなしなしあり
滞納時の保証ありなしありなし
契約期間2年~長期間通常2年ごとに更新通常2年ごとに更新1年ごとに更新~長期間
入居者との契約サブリース会社オーナーオーナーオーナー
入居者管理サブリース会社管理会社オーナー又は管理会社オーナー又は管理会社

問題点だらけ!?サブリース契約が危ない理由

成功している不動産オーナーは、サブリース契約ではなくほかのサービスを利用している。

サブリースを利用するオーナーは不動産経営にくわしくないことが多く、不動産会社との間に圧倒的な情報量の差があり、不利な契約に気がつくのはたいてい問題が発生してからだ。

ここでは、サブリース契約が危ないといわれる理由を説明していく。

家賃保証に関する問題点

サブリース契約の家賃保証額は、周辺の家賃相場を元に決められているべきものだ。

しかし、物件オーナーがきちんと周辺の家賃相場を把握せず、相場とかけ離れた低い家賃保証額でサブリース契約を結んでしまう失敗も多い。

また、サブリース会社があいだに入ると家賃の20%程度の高い保証料がかかるため、賃貸経営で得られる収益はぐっと減ってしまう。

入居時の敷金や礼金も受け取ることができないため、物件をサブリースしてしまうと賃貸経営で高収益は望めないだろう。

サブリース会社に関する問題点

サブリース会社も一般の会社同様、ある程度の倒産リスクはつきまとう。

サブリース会社が倒産するとサブリース会社が入居者と結んだ賃貸借契約は通常、物件オーナーが引き継ぐことになる。

その際、サブリース会社が入居者から預かった敷金はほぼ回収不可能になる。

入居者に関する問題点

入居者の審査はサブリース会社が行う。そのため、物件のオーナーとして入居してほしくないような人が入居する可能性もある。

サブリース会社は空室が発生して家賃収入がない時でも物件オーナーに空室保証を支払わなければならず、どんな入居者でも「入居してくれればよい」と考えるのだ。

賃料改定に関する問題点

通常、サブリースの家賃保証はかなり長期間の契約になっていることが多い。

注意すべきは、たとえ長期間の契約であっても、当初の家賃保証額を契約期間中ずっと保証するものではないということだ。

サブリース契約において、サブリース会社は借主であり、借地借家法で賃料の減額請求が認められている。

契約途中であっても家賃の見直しを行い、当初の家賃保証額を引き下げることができるのだ。

免責期間に関する問題点

サブリースの契約内容によっては、家賃保証に免責期間を設けている場合がある。

免責期間とはサブリース会社が家賃保証をしなくてよい期間のことで、その期間中、物件オーナーは家賃収入が得られない。

たとえば、新築で入居者募集中の1,2ヶ月や、入居者退去後の一定期間を免責期間とする場合がある。

これでは、サブリースの空室保証というメリットがなくなってしまう。サブリースの契約に免責期間を設けるのは、物件オーナーにとって不利にしかならない。

免責期間を入れるのであれば、期間をできるだけ短くするように注意しよう。

原状回復費用や修繕費に関する問題点

サブリースの契約内容によって、物件の原状回復費用や大規模修繕費用が物件オーナーの負担になることがある。

物件維持のために必要な費用ではあるが、それらの作業をサブリース会社指定の業者に依頼する契約になっている場合は費用を上乗せされることがあるので注意しよう。

また、サブリース会社が初めに提示する対象賃貸物件の収支計算に、これらの費用が含まれていない場合もあるため契約前にしっかり確認しておこう。

解除に関する問題点

サブリース会社と新築時から長期契約を結び、数年たってサブリース契約を解消しようと思っても、物件オーナー側からは簡単に解約ができない。

サブリース会社は物件オーナーに対して借主の立場であり、借主保護の性質が強い借地借家法の適用対象になるからだ。

サブリース契約を結ぶ前に、オーナー側からは簡単に契約解除ができないことを知っておこう。

[関連記事] 不動産投資の7つのメリットと必ず知っておきたいデメリット・リスク

トラブル回避のために!サブリース契約書をチェック

サブリース契約はしないのが一番だが、もし契約をするのであれば契約書はすみずみまで確認すべきだ。

サブリース契約で起こるトラブルは、オーナーが不動産会社の巧みな話術を鵜呑みにし、契約内容を誤解しているケースがかなり多い。

契約書の確認をきちんと行うだけで、起こりうるトラブルは未然に防ぐことができる。不安であれば、弁護士に契約書の確認をしてもらうのもいいだろう。

ここでは、サブリース契約書のサンプルにそってチェックポイントを説明していく。

サブリース契約書のサンプルとチェックポイント

不動産会社とサブリース契約を結ぶ際、次のような契約書が利用される。

国土交通省のホームページでは、“サブリース事業の当事者間における紛争の未然防止を図るため”として、サブリース契約書の雛形が発行されている。

参照:国土交通省「『サブリース住宅原賃貸借標準契約書』について

国土交通省が提供しているサブリース契約書は計22ページにのぼる。そのなかでも、契約書の作成にあたり、次の5点は必ず確認してほしいポイントだ。

  • 賃料の見直し時期(初回の賃料改定日・2回目以降の賃料改定日)
  • 管理会社変更の可否(管理事務及び転貸)
  • 原状回復工事の費用負担および修繕工事について(建物維持管理費用の分担・修繕)
  • 敷金、礼金、更新料の分配について(敷金)
  • 契約解除について(契約の解除)

1. 賃料の見直し時期(初回の賃料改定日・2回目以降の賃料改定日)

サブリース保証料にあたる賃料(家賃)は、サブリース会社によって期間や見直し条件が決められている。

主に2~5年で賃料の見直しが入る場合が多い。

思わぬタイミングで賃料を減額されると収支計画が大きく狂ってしまうため、賃料の見直し時期と期間に問題がないか必ずチェックしよう。

2. 管理会社変更の可否(管理事務及び転貸)

サブリース契約では、特定の管理会社を指定され、途中で管理会社を変更することは不可とされているケースが多い。

入居者を集める力が不足している、管理能力が低いなどの理由で管理会社を変更したいと思っても実現できないことがあるのだ。管理会社の変更可否についても確認しておこう。

3. 原状回復工事の費用負担および修繕工事について(建物維持管理費用の分担・修繕)

サブリース契約では、修繕やリフォームにかかる費用はオーナーが負担することが多い。

不動産会社が指定した業者に依頼しなければ契約を打ち切るといった内容になっている場合もある。

そうなると、工事費用が安い業者に修繕を頼みたいと思っても、指定された業者以外には依頼できず、割高な工事費用を要求される場合があるのだ。

4. 敷金、礼金、更新料の分配について(敷金)

不動産オーナーは、毎月の家賃収入以外に、入居者から敷金や礼金、更新料をもらうことがある。

しかし、サブリース契約では基本的に敷金や礼金はサブリース会社の取り分となる場合が多い。念のため、どちらの取り分になるか確認しておこう。

5. 契約解除について(契約の解除)

サブリース契約は途中解約が不可とされているケースがほとんどだ。解約が許されることもあるが、不動産会社が解約を拒否してトラブルに発展した例もある。

契約解除を求める場合は弁護士などの専門家に依頼するのがいいだろう。また、解約違約金が設定されている場合も多いので、契約前に確認しておこう。

契約書は書式によって内容が異なり、わかりにくい箇所もあるため、弁護士などの専門知識がある人に確認してもらうとよいだろう。

不動産投資の成功者はサブリース契約をしない!

不動産投資の世界には、さまざまなカリスマ的大家が存在する。彼らの投資手法は千差万別だ。

新築が得意な人もいれば、木造のボロアパートが得意な人もいる。管理についても、自主管理をする人もいれば、管理会社にすべて任せている人もいる。

しかし、彼らはそれぞれの手法で成功していながら、サブリース契約で家賃保証をつけている人は一人としていない。本当に一人もいないのだ。

このことからも、どのような投資法においてもサブリースの家賃保証はつける意味がないことがわかる。

空室リスクや家賃下落リスクに対して自分では対処できないと考えるのであれば、収益不動産のオーナーになって成功するのは難しいといえるだろう。

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