不動産市場は流動性が少ないから安い物件が出てくる

2020年12月17日1,821

不動産市場は「流動性が低い」と言われている。

この特徴を理解したうえで物件を根気よく探せば、相場と比べてとても安い金額で物件を購入できる可能性が出てくる。

流動性は英語に直すと「Liquidity」になる。これを直訳して流動化という言葉を、誰かが作ったのだろう。

「Liquidity」は、文字通りどのくらい液状化が進んで流動しているかということを、比喩として表現した言葉だ。

流動性がある市場では誰でも適正価格で取引が可能になる

流動化が進んでいる市場は、サラサラ流れる水のように短時間で頻繁に売買が行われる。

流動性が低い市場はドロドロした液体のようになかなか流れないので、売買の相手方探しや条件決定に時間がかかり、手間も要する。

投資商品の中で流動性が高いと言われているのが、各国の通貨を売買する為替だ。

為替市場という売買を行うための整備された仕組みがあり、相場通りの価格であれば買う人も売る人もたくさん存在する。

外貨が必要なメーカーや商社などの企業を始め、為替自体を売買するディーラーや個人で外貨が必要な旅行者など、様々なプレイヤーが世界中に数多く存在する。

正に、質量ともに申し分がない、流動性が高い市場だ。

株式市場も為替と同じように売買のための仕組みが整っており、厚い資金力を持つ金融機関や機関投資家などのプレイヤーが多く存在する。

必然的に売買も頻繁に行われるようになり、買いたい人と売りたい人が即座に適正価格で取引が可能となっている。

これが流動性が高い市場の特徴だ。

では不動産市場はどうかというと、前述した為替市場や株式市場などと比べると流動性は大変低いと言わざるを得ない。

債券市場や金などのコモディティ市場と比べても、流動性は低いと言える。

世の中で主要な投資対象資産と言われているのは、国内外の株・債券・為替に加えて金や原油などの商品と不動産だ。

この中で一番流動性が低いのは、間違いなく不動産だろう。

不動産の流動性が低いことには3つの理由がある

なぜ不動産の流動性が低いのかというと、理由は以下の3つある。

1.適正な不動産価格の定義が難しい
不動産は同じものが2つとないので、詳細な内容を物件ごとに時間を掛けて吟味しないと適正な価格がわからない。

また不動産購入時は個々の物件について有資格者から説明を受ける必要があり、売買に非常に時間が掛かる。

今日決めて明日買うといったスピードで取引を行うことは出来ない。

2.価格が高い
株や債券と比べると少額で投資する仕組みが普及してなく、証券化が進んでいる物件はごく一部となっている。

中古ワンルームの売買でも最低数百万単位でお金が必要となるのでプレイヤーの数が限られてくる。

3.取引市場が存在しない
不動産は株式や為替と違い、市場を介した取引ではなく1対1の取引(相対取引)で売買が行われる。

無記名でマッチングにより売買する取引所経由の取引は流動性を促進するために有効だが、同じ物件が2つとない不動産の現物は市場取引には向かないと言える。

基本的には売り手と買い手が1対1で売買を行うことになり、売買頻度が減る(=流動性が低くなる)ことの大きな要因となっている。

流動性が低いことのデメリットは、売るのにも買うのにもとにかく時間が掛かることだ。

不動産を売りたい人は、すぐに売れるならそれに越したことはない。

不動産を買う人は、初めて見る物件について取引をすることになるので、売主と綿密な情報のやり取りが必要になる。

それゆえ、不動産の仲介者には免許が必要で、契約の際には買主に対して重要事項の説明を宅建主任者が行う必要があるのだ。

流動性が低いと割安な物件を買える可能性が出て来る

流動性が低いことは悪いことばかりではなく、買う側にとってのメリットもある。

先ほど述べたとおり、適正な価格と呼べるものは存在しないし、取引する市場もない。

となると、売主がOKを出せば、とんでもなく安値で物件を購入できる可能性もあるのだ。

これが市場という仕組みを介さないと売買出来ない場合、こうして安値で拾うということは実現出来ない。

株式市場や為替市場を通して、多くの人に価格が公開されると、それが安いか高いかはわかってしまう。

市場により成約価格が逐一公開されると、情報の不均衡がなくなる。

そうすると、極端な高値や安値で売りたい人は居なくなってしまい、相場通りの価格で取引が行われることになるのだ。

不動産を安値で買うための秘訣は、不動産売買が1対1の取引であるという仕組みを上手く使い、売主を囲い込んでしまうことだ。

相場より多少安くてもいいから早く売りたいと考える人も中に入るし、そもそも相場観を持っていない売主も存在する。

そういう売主を見つけることが出来れば、だいぶ市場値よりも安い価格で物件を買うことは、現実的に十分可能となる。

※注意
不動産も証券化されて上場しているREITは市場で取引が可能だ。REITの流動性は現物の不動産と比べて飛躍的に高くなる。

株は基本的に流動性が高いがそれは上場株だけで、非上場株への出資は流動性が非常に低い。

また上場株も市場外取引を介さないで売買する相対取引も可能だ。この項では一般論をわかりやすく書いて比較したが、例外は存在する。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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