海外不動産投資をおすすめしない理由

2020年12月17日9,017

『少子化の日本より、海外の不動産の方が値上がり益を見込めるのではないですか?』

私はこのような質問を良く受けるが、これは誤った認識だ。

海外不動産への取り組みは一昔前と比べると大変やりやすい環境になってきており、情報を扱う会社も徐々に日本でも増えて来ている。

海外不動産の広告で、

「不動産価格は1年前より20%以上がっています!」

「まるで昭和30年代の日本のように活気に満ちています!」

などの謳い文句が喧伝される背景には、人口減少・財政逼迫の問題を抱える今の日本へ投資するのは危ないと考える人が多くいるからという理由もあるだろう。

実際に、タイへの投資が一時期流行ったが、現在はフィリピン、マレーシア、インドネシア、ベトナムなどこれから経済成長が見込める国々や、アメリカ、ヨーロッパの不動産への投資も実践者が増えてきている。

しかしながら、私は海外不動産への投資は基本的にはお勧めしていない。これにはいくつか理由がある。

海外不動産と日本の不動産の違い

お勧めしない理由の筆頭は、ほとんどの海外不動産投資がこれからの値上がり益を見込んだ投資だということだ。

値上がり益を見込むというのは、物件価格がこれから未来に向けて上昇することを予測して購入するということだ。

日本のほとんどの不動産投資が、家賃収入を目的としたインカムゲイン投資なのに対し、海外不動産は購入価格から値上がることを期待したキャピタルゲイン投資なのだ。

「どちらでも利益が上がればよいのではないか?」

と思われるかもしれないが、この2つの投資の実態は中身が全く異なる。

日本のアパート・マンションの家賃には硬直性があり、短期間ではほとんど変動しない。

入ってくる家賃の変動がないということは、買った時点でかなり高い精度で収支予測が出来ると言うことだ。

物件の選球眼を鍛えれば、物件を買う段階で勝てる投資かどうかがほぼ正確にわかるということになる。

海外不動産投資に取り組む場合、数年先に値上がることを予測して買う。

これには間違いなく不確実性が伴う。

過去値上がりしていたからと言って、これからも値上がりする保証などどこにもないからだ。

確約や保証がないと言うレベルの話ではなく、上がるか下か本当にどっちに転ぶか全くわからないと言った方が実態に合っていると言える。

特に、新興国の不動産需要は、他の経済圏の資金需要や為替変動などにより、資金の流入出額が大きく変わってくる。

経済成長を順調に遂げていても、グローバルで他にもっと良い投資先があれば、海外投資家の資金はそちらに向かってしまうのだ。

そうなると、当然ながら想定していた物件の値上がりもなくなる。

値上がり益を見込む投資は、日本のバブル期やアメリカのサブプライムローンで破綻者が出た時と構造が全く同じだ。

市場から退場しようと考える人が一定数を超えた段階でバブルが弾け、ババ抜きに負けた大多数の人たちが大損を被るのだ。

海外不動産には融資が使えない

海外不動産投資をお勧めしないもう一つの理由は、融資が使えない場合が多いことだ。

正確に言うと、一部現地の金融機関の融資が使える地域もあるが、最大でも物件価格の7割や8割程度にとどまることが多い。

海外不動産の多くは、全ての代金を現金で一括決済したり工事進捗ごとに払ったりするプレビルド形式になる。

資金を寝かしておく期間が長くなるので、効率が良い投資が出来ているとは決して言えないだろう。

日本で不動産投資を行うことの唯一の利点は、融資が使えることだと言っても過言ではない。

極端な話ではなく、融資が使えること以外に、日本の不動産に投資するメリットはあまりないのだ。

日本の不動産投資の利点は、物件価格の9割やフルローンなどで融資を引ける状況であるがゆえに、キャッシュフローが貯まるスピードが速くなり、効率的に資金を増やすことが出来ることだからだ。

ハッキリ言ってこれ以外の利点はあまりない。

海外不動産をおすすめしない理由ばかりを述べたが、そもそも現地の情報を得ていない段階で海外不動産投資を行おうとしている人が多いことも問題だ。

日本の不動産投資であれば、現地調査や周辺の不動産会社へのヒアリングは欠かさず行っていても、海外の投資となると気が大きくなるのか、おざなりになる人が多い。

海外不動産は何倍も値上がる可能性があるという意味では夢がある投資だと思う。視察にかこつけて現地に行く機会が増えれば、それはそれで楽しめるという効用もあるかもしれない。

しかし前述の理由から投資としてはあまりイマイチな場合も多いのが実態だ。

どうしても海外不動産に取り組みたい場合は、日本の不動産を買ってから余剰資金で投資する形が良いだろう。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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