収益物件の人気設備ランキング(SUUMO)

2020年12月18日537

SUUMO調査の人気設備ランキングを見てみよう。

調査時期は2012年とやや古いが、実態の感覚にかなり近いのではないかと思う。

収益物件に必需品と思われる設備

設備 次も欲しいと思う 次は欲しいと思う 合計
バス・トイレ別 85.3% 8.9% 94.2%
エアコン 89.3% 3.9% 92.6%
収納スペースが多い 56.8% 32.9% 89.7%
耐震構造 56.6% 31.9% 88.5%
2階以上 75.8% 8.9% 84.7%
独立洗面台 66.8% 17.5% 84.3%
鉄筋構造 67.3% 16.6% 83.9%
2口以上のガスコンロ 66.5% 16.6% 83.9%
光ファイバー 60.0% 17.4% 77.4%
追い炊き機能 47.0% 26.3% 73.3%
ディンプルキー 42.7% 29.5% 72.2%
TVモニター付きインターホン 47.4% 22.3% 69.7%
宅配ボックス 32.7% 34.1% 66.8%
浴室乾燥機 33.5% 30.3% 63.8%
オートロック 38.4% 23.4% 61.8%
洗浄器付きトイレ 36.0% 24.4% 60.4%
防犯カメラ 21.9% 33.3% 55.2%

「次も欲しいと思う」の割合が高い項目は、不動産投資を実際にやっている私の視点からも備えておくことが最低限必須な設備だと思える。

バス・トイレ別、エアコン、独立洗面台、ガスコンロ、光ファイバーが該当する。

バス・トイレ別は、必須として考えている人の割合が非常に高い。

3点ユニット物件は多くの地域で苦戦を強いられる典型的な物件になってきている。

SUUMOを始めとするほとんどの検索サイトは、「バス・トイレ別」を検索条件にすることが出来る。

家賃が低い物件を探していて、3点ユニット物件とバス・トイレ別物件が混在する価格帯の場合、ほとんどの人が「バス・トイレ別」の項目にチェックを入れて検索をするのだ。

私はバス・トイレ一緒の3点ユニット物件を複数持っているが、リフォームなどを相当工夫して満室にしている。

3点ユニット物件の入居付けが絶対に無理なわけではないが、あえてチャレンジする必要がないなら辞めておいた方が無難なことが、アンケートの数字からもわかる。

エアコンは導入が不要な場合(自分で調達する慣習があるエリア)もなくはないが、そのような地域は東北・北海道ぐらいだ。ほとんどの物件で、エアコンは最低限一基は備えることが必要だ。

調理設備は、ガスコンロの方がIH調理器より人気がある場合が現状では多いようだ。

IHを利用したオール電化が一時期もてはやされたが、このような潮流は日本だけで、海外にはIH調理器具というものがそもそも存在しない。

キッチンに立つことが多い女性に対して、IH製品の電磁波が悪影響があるのではないかというのが理由だ。

そこらへんの意識が日本でも徐々に浸透していき、ガスコンロに回帰する傾向が強まるものと、個人的には思っている。

光ファイバーは今後スマートフォンに代わられる可能性が高い。一定数の需要は常に存在し続けると思うが、設備としての地位は今後下がる傾向となるだろう。

「次は欲しいと思う」の項目は上から順に、宅配ボックス、防犯カメラ、耐震構造、収納スペース、浴室乾燥機となっている。

特に、「今欲しいと思う」の割合が低く「次は欲しいと思う」の割合が高い、宅配ボックスと防犯カメラは、導入されていない物件がまだまだ多い。

他物件との差別化対策として、これらを導入するのは有効かもしれない。

防犯カメラは今はSDカードで録画が出来るようになったので、最近はハリボテの偽物を使う必要もなくなった。電源さえあれば、簡易な設備で繰り返し録画が可能なのだ。

宅配ボックスと防犯カメラがあることは、入居付けの決定打にはならないかもしれない。しかし入居後の満足度向上には十分寄与してくれそうだということが、この調査結果からわかる。

宅配ボックスは、小ぶりなものであれば10万円台から導入できるものも出てきているので、検討しても良いかもしれない。

耐震構造、収納スペースに不満を持っている人の割合も高いようだ。特に収納スペースが少ない物件の場合、それが解約理由につながる場合もある。

全く収納スペースがないようなデザイナーズ物件などは、入居付けが容易でも入居後の使い勝手の悪さから退去が早くなってしまい、結果的に収益性が悪くなる場合がある。

ディンプルキーが上位項目に入っていたことを、意外に感じている人も多いかもしれない。

カギ交換は入居前に必ず行うと思うので、入居者に追加費用を貰う条件でディンプルキーを選択出来るようにするだけで対応できる。コストは掛からないのだ。

ディンプルキーをまだ未導入の場合は、選べるようにしてみてもいいかもしれない。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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