サブリース契約は損をする!? 家賃保証のメリット・デメリット、注意点

公開:2015/04/04 | 更新:2018/10/30344

「サブリースや家賃保証を利用すれば、リスクなく収益物件を買えるのでは?」そう考えたことはないだろうか。しかし、サブリースは仕組みを理解せず安易に手を出せば、リスクがないどころか大損をしてしまうこともある。

サブリース契約とはどんなものなのか、その仕組みとメリット・デメリット、注意すべきポイント、活用できるシーン、サブリースで損をした人の事例などを紹介しよう。

サブリース契約とは

サブリースとは、一括借り上げに伴う家賃保証制度契約のことである。

不動産会社は、貸主から物件を一括で借り上げ、入居者に転貸をする。貸主は、賃貸物件の運用に伴う家賃の集金や手続き、管理などを不動産会社に一任することができる。さらに、物件に入居者が入らず空室の場合にも一定割合の家賃が保証会社から貸主に支払われる。

「サブリース」と「家賃保証」は同じ意味で使われることが多く、主に新築の収益物件建築時に契約される。

業者側が儲かる?サブリース契約の仕組み

サブリース契約の仕組み

通常の賃貸経営では、物件所有者であるオーナーが入居者と賃貸借契約を結び、管理費などを差し引いた家賃収入すべてを受けとることができる。

しかし、サブリース契約では、サブリース会社(不動産会社)が賃貸物件を一括借り上げし、オーナーはそこから一定のサブリース料(保証賃料)を受け取ることになる。

例えば、1室6万円で12室ある収益物件を建てた場合、満室時の家賃収入は6万円×12室=72万円/月となる。サブリース契約を結び家賃保証を受けた際は、この満室時家賃の85%程度(契約によって異なる)を、家賃保証会社がオーナーに支払うことになる。

オーナーは、自分の収益物件が満室であろうと空室であろうと、満室時の85%の家賃である61.2万円を得ることができるのだ。

仕組みだけをみると、なんて魅力的な契約だと思うかもしれないが、サブリースには大きな落とし穴も潜んでいる。

サブリースの契約期間と費用

サブリース契約はたいてい、「安定の家賃収入」「30年の長期契約」などのうたい文句ですすめられる。安定した家賃収入が30年間も継続して得られるなら契約した方が絶対お得!と思うだろう。しかし、それにつられてサブリース契約を結んではいけない。

サブリース契約で、開始当初の家賃が継続して保証されることはほとんどなく、たとえ30年契約でも数年後には賃料改定が行われ、オーナーが受けとる保証額は下げられてしまう。

そもそもサブリース会社は、家賃の10~30%程度を保証料として差し引くことで利益を得ている。建物の老朽化や周囲環境の変化に伴う家賃の値下げがあれば、その分オーナーに支払われる金額も下がるのは当然だろう。

また、物件の入居者が支払う敷金・礼金・更新料なども、受け取るのは入居者と賃貸借契約を結んでいるサブリース会社であり、オーナーの取り分はないことも覚えておこう。

サブリース契約とその他委託サービスの違い

サブリース契約は、物件の管理運営や入居者募集など、賃貸経営業務のほとんどをサブリース会社に丸ごと委托するサービスである。サブリース以外にも賃貸経営の一部を外部委託するサービスもあるので確認しておこう。

管理委託

入居者の募集から手続き、家賃の集金などの管理運営業務を委托するのが管理委託だ。管理委託料は5%程度で、物件オーナーの多くはサブリースよりもこの管理委託を利用している。

滞納保証

滞納保証は空室保証とは異なり、入居者が家賃を滞納したときに保証会社が物件オーナーに滞納分の家賃を支払うものだ。賃貸借契約時に入居者に保証人をつける代わりとして、入居者が家賃の滞納保証料を支払う場合が多い。

保証料は会社によって異なるが、入居時に一ヶ月分の家賃の30~100%程度、契約更新時に家賃の10%などが一般的だ。保証会社は滞納家賃の回収のために家賃滞納者への督促なども行う。

空室保証

空室保証は保証会社に毎月保証料を支払うことで物件オーナーに一定の家賃が保証される仕組みだ。保証料は満室時の月額賃料の総額の5%程度で、空室が出てもオーナーの受けとり家賃が満室時家賃の90%程度相当になるよう差額の金額を保証する。

外部委託サービスの比較

 サブリース管理委託滞納保証空室保証
家賃からの費用20%程度5%程度契約時に30%程度5%程度
費用負担オーナーオーナー入居者オーナー
敷金・礼金受取サブリース会社オーナーオーナーオーナー
空室時の保証ありなしなしあり
滞納時の保証ありなしありなし
契約期間2年~長期間通常2年ごとに更新通常2年ごとに更新1年ごとに更新~長期間
入居者との契約サブリース会社オーナーオーナーオーナー
入居者管理サブリース会社管理会社オーナー又は管理会社オーナー又は管理会社

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サブリース契約のメリット・デメリット

「空室リスクはないが保証料が高い」などがサブリースのメリット・デメリットとして一般的にいわれることだろう。ではその実情はどうなっているか、一つずつ確認していこう。

メリットデメリット
空室滞納が回避できる家賃収入が減る
管理業務が委託できる入居者を選べない
確定申告が楽サブリース会社倒産のリスクがある
入居者トラブルを回避できる

サブリース契約のメリット

空室リスク・滞納リスクを回避できる

サブリースの契約は一括借り上げのため、所有物件のオーナーは空室や家賃の滞納に悩まされることがない。サブリース会社から安定した賃料収入が得られれば、物件の建築や購入で借り入れたローンの返済が滞る心配がなくなるということが最大のメリットだろう。

管理業務を外部に任せられる

サブリース契約の費用のなかには、物件の管理運営業務も含まれている。よって、物件のオーナーは空室や家賃滞納、入居者の入退去に関わる煩雑な業務やクレーム対応などをサブリース会社に一括して任せることができ手間がかからない

確定申告がラクになる

賃貸収入は確定申告が必要だが、サブリース契約では個別の入居者と賃貸契約を結ぶのはサブリース会社であり、物件のオーナーが賃貸契約を結ぶのはサブリース会社のみである。よって、入居者の入退去があるたびに発生する費用などの計上が不要となり、収支の管理が簡単で確定申告も比較的ラクに行える。

入居者トラブルを避けられる

入居者トラブルが発生した場合、入居者にとっての大家はサブリース会社なので、物件のオーナーが当事者になることはない。トラブルの内容はサブリース契約に影響しないため、物件のオーナーは保証された賃料をきちんと受け取ることができる。入居者とのやっかいなトラブルに巻き込まれずにすむのは精神的にもラクである。

サブリース契約のデメリット

家賃収入を最大化できない

サブリース会社が間に入ると家賃の20%程度の高い保証料がかかるため、賃貸経営で得られる収益はぐっと減ってしまう。入居時の敷金や礼金も受け取ることができないため、物件をサブリースしてしまうと賃貸経営で高収益は望めないだろう。

入居者を選べない

サブリース契約を結んでいる物件の入居者の審査はサブリース会社が行う。そのため、物件のオーナーとして入居してほしくないような人が入居する可能性もある。サブリース会社は、空室が発生して家賃収入がない時でも物件オーナーに空室保証を支払わなければならないため、どんな入居者だろうと入居してくれればよいと考えるのだ。

サブリース会社が倒産するリスクがある

サブリース会社も一般の会社同様、ある程度の倒産リスクはつきまとう。サブリース会社が倒産するとサブリース会社が入居者と結んだ賃貸借契約は通常、物件オーナーが引き継ぐことになる。その際、サブリース会社が入居者から預かった敷金はほぼ回収困難と思ったほうがよいだろう。

[関連記事]  不動産投資の空室リスクを0%に近づける方法

ここに注意!サブリース契約の問題点

サブリースの問題点は、いつの間にか物件のオーナーに不利な契約を結んでいるケースが多いことである。サブリースを利用する物件オーナーは不動産経営に詳しくないことが多く、不動産会社との間に圧倒的な情報量の差があり、不利な契約に気がつくのはたいてい問題が発生してからなのだ。サブリース契約の注意点をそれぞれみていこう。

家賃保証について

サブリースの家賃保証額は、周辺の家賃相場を元に決められているべきものだ。しかし、物件オーナーがきちんと周辺の家賃相場を把握せず、相場とかけ離れた低い家賃保証額でサブリース契約を結んでしまう失敗も多い。家賃保証という甘い言葉に惑わされず、オーナー自身がしっかり周辺調査や収支計算を行い、本当に必要な契約なのか見極めよう。

賃料改定について

通常、サブリースの家賃保証はかなり長期間の契約になっていることが多い。注意すべきは、たとえ長期間の契約であっても、当初の家賃保証額を契約期間中ずっと保証するものではないということだ。サブリース契約において、サブリース会社は借主であり、借地借家法で賃料の減額請求が認められている。契約途中であっても、家賃の見直しを行い当初の家賃保証額を引き下げることができるのだ。

免責期間について

サブリースの契約内容によっては、家賃保証に免責期間を設けている場合がある。免責期間とは、サブリース会社が家賃保証をしなくてよい期間のことで、その期間中、物件オーナーは家賃収入が得られない。例えば、新築で入居者募集中の1,2ヶ月や、入居者退去後の一定期間を免責期間とする場合がある。これでは、サブリースの空室保証というメリットがなくなってしまう

サブリースの契約に免責期間を設けるのは、物件オーナーにとって不利にしかならない。サブリース契約に免責期間を入れるのであれば、期間をできるだけ短くするように注意しよう。

原状回復費用や修繕費について

サブリースの契約内容によって、物件の原状回復費用や大規模修繕費用が物件オーナーの負担になることがある。物件維持のために必要な費用ではあるが、それらの作業をサブリース会社指定の業者に依頼する契約になっている場合は費用を上乗せされることがあるので注意しよう。また、サブリース会社が初めに提示する対象賃貸物件の収支計算に、これらの費用が含まれていない場合もあるため契約前にしっかり確認しておこう。

解約時のトラブルについて

サブリース会社と新築時から長期契約を結び、数年たって「こんなはずじゃなかった」とサブリース契約を解消しようと思っても、物件オーナー側からは簡単に解約ができない。サブリース会社は物件オーナーに対して借主の立場であり、借主保護の性質が強い借地借家法の適用対象になるからだ。サブリース契約を結ぶ前に、オーナー側からは簡単に契約解消ができないことを知っておこう。

サブリース契約で家賃保証しても空室リスクは減らない!

家賃保証は新築時につけられることが多く、建設会社と結託した家賃保証会社を兼ねた管理会社がオーナーにサブリース契約の提案を行う。その際、「空室リスクがないこと」「家賃下落リスクをカバーできること」を家賃保証のメリットとして伝えられるだろう。

たしかに空室リスクと家賃下落リスクは、不動産賃貸経営で抱えるリスクのうちもっとも自助努力で吸収しにくく、多くの大家が悩んでいるポイントだ。仮に、そのリスクがなくなるのであれば、家賃保証をつけるメリットがあるように思える。

しかし、実際に家賃収入が減ったとしても、これらのリスクを家賃保証でカバーすることはできない場合がほとんどだ。なぜかというと、契約条項の中に「保証する家賃は周辺相場の変動により変えることができる」という内容が必ず明記されているからだ。非常に巧妙だと思わないだろうか?

新築時から年月が経ち入居者が何回転かすると、家賃は必然的に下がり入居率も悪くなる。これは自然なことであり、その都度オーナーが手を打たなければ、家賃下落はどんどん進むことになる。エリアによっては空室がかなり増えることになるかもしれない。サブリース会社は原則、そのような家賃下落が発生する状況になった際に家賃保証の金額自体が変更になるという契約しか結ばない。「家賃保証=保険」ではないのだ。

こんな契約では、何のために家賃保証を付けているのか意味がわからないと思うだろう。そう、サブリースや家賃保証はつける意味がまったくないのだ。

[関連記事] リスク軽減にも!アパート経営のための損害保険基礎

サブリース契約で損をした人の実例

実例1:営業マンの押しに負けサブリース契約をした資産家のAさん

Aさんは、駐車場などの経営をしている土地持ちの資産家だ。Aさんの元には、大手建築メーカーの営業マンがアパート経営の話を頻繁にもちかけてきた。「土地を駐車場にしたままではもったいないですよ。アパート経営をしたら利回りは8%にもなるんです。サブリースで6%の家賃保証を30年つけられますから安心ですよ」という営業マンの話を信じ、Aさんは契約期間30年でサブリースをつけたアパート経営をすることにした

ところが、実態は契約期間30年であっても5年ごとに家賃の見直しがあり、当初の収支計画とは程遠い結果になってしまった。

実例2:サブリース契約を付けると言われ不動産を高値で買った会社員大家のBさん

Bさんは、企業勤めの会社員で土地は所有していない。下記の条件で物件を買い、サラリーマン大家として華々と不動産投資をスタートしたつもりでいた。

  • 場所:三重県内
  • 物件:鉄骨造り、築25年、表面利回り9%、総戸数20戸
  • 融資:スルガ銀行で金利4.5%
  • 物件価格:1億円

地方の物件で空室が5戸あったが、購入先の不動産会社が空室分に1年間のサブリースを付けるという条件だったため、Bさんはサブリースを受けている期間中に入居者が決まればよいと思っていた。ところが、サブリース契約が切れる1年経っても入居者は決まらず、それ以降のキャッシュフローが悪化してしまう結果となった。

このようなことが起こった背景には、不動産会社の思惑が働いている。不動産会社は、8,000万円で仕入れた物件を1億円で売りたいと思ったが、空室が5/20もあると金融機関は融資を出さない。金融期間から融資が出るよう、見せかけの満室状態を作るために短期間のサブリース契約をつけたのだ。

不動産会社が物件を高く売るために家賃設定を高めにして利回りを良く見せていただけだったため、実際はサブリース契約終了後も入居者が決まらず収支が悪化してしまったのだ。

[関連記事] 不動産投資で破産した人の2つの失敗理由とは?

サブリース契約が活用できるケースとは?

唯一、サブリース契約を有効に使える場面があるとすると、銀行の融資対策においてだ。

金融機関は、空室率の高い中古物件に対して融資することを嫌がる場合が多い。その際に、サブリースの家賃保証を付けて購入することを銀行に伝えるのだ。そうすることで、金融機関から融資を受けられる可能性が高まる。

その場合、買ってから一定期間が過ぎた後にサブリース契約は解除することになる。融資対策のために家賃保証をつけたのであって、融資後は契約を継続する必要がないからだ。サブリース会社には、加入料などの名目で損をさせない程度のお金を払えば、その会社にはリスクがまったくないため受けてくれるだろう。

前述のBさんの事例では、不動産会社の言いなりになってサブリースをつけたため損をする結果になった。しかし、事前に自分で調査を行い適切な家賃設定や収支計画にもとづき、融資を受けるためにサブリース契約を利用するのであれば家賃保証も有効活用できるだろう。

[関連記事] 不動産投資で融資が武器になる4つの理由

成功している不動産投資家は、サブリース契約をしない!

不動産投資の世界には、さまざまなカリスマ的大家が存在する。彼らの投資手法は千差万別だ。新築が得意な人もいれば、木造のボロアパートが得意な人もいる。管理についても、自主管理をする人もいれば、管理会社にすべて任せている人もいる。しかし、彼らはそれぞれの手法で成功していながら、サブリース契約で家賃保証を付けている人は一人としていない。本当に一人もいないのだ。

このことからも、どのような投資法においてもサブリースの家賃保証はつける意味がないことがわかる。空室リスクや家賃下落リスクに対して自分では対処できないと考えるのであれば、収益不動産のオーナーになって成功するのは難しいといえるだろう。

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