不動産投資で物件を自主管理をするべきか?

2020年12月17日2,079

不動産を購入した後のオーナーの仕事というのは、実はあまりない。

家賃の5%ほどを管理費用として払い、管理会社に集金や入居者からの問い合わせ対応をやってもらっていれば、それこそ月1回送られてくる家賃表を確認するぐらいだ。

100室以上保有していても、既存の物件には月数時間程度しか時間をかける必要がないのである。

このような状態を実現させるためには、いくつか押さえておくべきポイントがある。

管理業務を不動産管理会社に任せる

管理業務には、清掃、退去立会い、入居者募集、家賃集金が含まれる。

これらのすべて管理を行う不動産会社にアウトソース(外部委託)してすべて任せるのである。

管理会社を使わずに自主管理を行っている不動産オーナーも少なからず存在するが、私はあまりお勧めしない。

自主管理によって家賃の数%程度の管理費用を削減することはできるが、入居者からの問い合わせは時間を問わず入ってくる。

また、緊急を要する水回りのトラブルなどが発生したら、すぐに対応しなければならない。

キッチンの水が出ない、逆に水が止まらないなどのトラブルは中古物件ではよく発生するが、仕事が休みになる週末まで放置するというわけにはいかない。

このようなトラブルが日中に発生したら、少なくともその日の夕方までは対処しないといけないだろう。

また、月末の集金チェックや滞納の催促を個人でやるのはかなり大変である。

このような業務を、会社員が本業を持ちながら行うのはかなり困難だということがわかると思う。

勉強のために保有物件の中の一棟だけを管理したりするのはいいかもしれないが、費用削減を理由に自主管理をするのはやめたほうが良いだろう。

区分マンションは自主管理を

私が唯一、自主管理を積極的に推奨しているのは、区分マンションを一室だけ所有している場合である。

築浅の区分マンションは家賃が高いことも多く、自宅として購入したマンションを貸しに出している場合、一室20万円以上になる場合もある。

収入は下手な1棟アパートより高いこともあるが、区分なので管理するのは1室だけだ。

トラブルが起きることも少ないと思うので、管理は自分でやったほうが良いだろう。

リフォームをすべてリフォーム会社に任せる

リフォームは発注内容の確認や簡単なデザイン指定のみを自分で行い、施行はリフォーム会社に任せる。

第6章で詳しく後述するが、リフォームは管理会社経由で施工するパターンと自分でリフォーム会社を探して直接発注するパターンがあるが、どちらでも大丈夫である。

 重要なのは、自分で壁紙を貼ったりペンキを塗ったりするセルフリフォームを前提に考えないほうが良いということである。

自分でDIYをすでにやっており、セルフリフォームの知識が多少あるのであれば検討しても良いかもしれないが、職人に支払うコストは1日1・5万~2万円程度だ。

冷静に自分が目指すキャッシュフロー(月50万円など)を考えると、セルフリフォームに時間を使うことは割に合わないことのほうが多いだろう。

次の物件を探すことに時間を使ったほうが、慣れないセルフリフォームをするよりも断然効率的だからである。

自分が作業者になってしまうと作業をすることで満足感を得てしまい、収益を追い求めるという投資家としてのマインドが欠如してしまうという副作用も発生する。

各種業務を専門家に任せて、自分はその管理監督だけを行うようにすると、不動産オーナーとしてやるべき仕事はかなり圧縮できるようになる。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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