思い切った募集条件の緩和が空室解消に必要な理由

2020年12月18日932

空室率が高い地域の物件は、自分の物件も例にもれず募集に苦戦するケースが多い。

その場合は、敷金・礼金・仲介手数料などの募集条件を、思い切って下げた方が決まりやすくなる。

特に、空室が3か月以上続いている場合や、もしくは買ったばかりの物件で空室率が30%を超えている場合は、まずはある程度空室を埋めることを優先した方がいいだろう。

そうじゃないと、持ち出し期間が長くなり、キャッシュフローが厳しくなるからだ。

この際に気を付けるべきなのは、家賃を下げるのは一番最後にするという点だ。

何故家賃を下げるのを最後にするべきなのか?

家賃は収益物件の価値そのものであり、生命線だ。

それが良くわかる例を一つ出そう。

1.2億円の物件で、満室時の年間収入が1,200万円の物件があったとしよう。利回りは10%だ。

5万円の部屋が20室あったとして、これを4.7万円に下げて募集したとする。

時間が経って全室入退去が一回転して、全ての部屋の家賃が4.7万円になった場合の年間家賃収入は1,128万円となる。利回りは9.4%まで下がってしまうのだ。

利回りにして0.6%、1室あたりわずか3,000円(月間6万円)の差だが、売却時には12,000万円-11,280万円=720万円もの差となってしまう。

これは購入時と同じく利回り10%で売却した場合の例だが、このような試算をしてみることは重要だ。

投資家の観点で考えると、家賃を下げるかどうかは売却時の出口戦略にも大きな影響を及ぼすのでよほど慎重になる必要がある。

収益物件は、

「家賃を下げること = 物件の価値を下げること」

なのだ。

家賃を下げるのは最後の最後の手段とし、まずは家賃・共益費以外の募集条件で勝負をするべきだろう。

募集条件の緩和で一番効果的な対応は何なのか?

では、家賃以外に工夫できる募集条件は、何があるのかについて説明しよう。

例として、以下のものがある。

1.敷金ゼロ

2.礼金ゼロ

3.フリーレント

4.家賃割引キャンペーン

5.仲介手数料無料(大家負担)

6.保証会社費用無料

7.更新料無料

8.カギ交換無料

9.火災保険料無料

10.引っ越し代無料

11.ペット可

1と2の敷・礼のゼロゼロは、まず真っ先に検討するべきだ。

ほとんどの地域において、このような「ゼロゼロ物件」は存在するため、まずは募集条件をそのレベルまで合わせる必要がある。

「3.フリーレント」まではどの地域でもある程度普及している。

「4.家賃割引キャンペーン」以降もやると、他の物件では追従出来ない水準の割安感を入居希望者は感じ取るだろう。

地域の中でも目立つ物件として、賃貸会社の営業マンに認識して貰える可能性がある。

「4.家賃割引キャンペーン」は、

「家賃が3か月間2万円になります!」

などの表現にすると、見た人は「安い」というイメージが頭の中に刷り込まれる。

「フリーレント」だと、「フリーレント=無料」という関連付けを頭の中でしないといけないので、認識するのにワンステップ必要となる。

「2万円安くなる」という言葉の方が直観的にイメージできるので、強く訴求できるのだ。

この方法も、必要に応じて検討してみると良いだろう。

初期費用を安くしたいと考える入居者が、昨今は多くなったため、

「6.保証会社費用無料」
「8.カギ交換無料」
「9.火災保険料無料」
「10.引っ越し代無料」

なども、かなり効果的だ。

「9.火災保険料」は、低家賃帯の物件では入らない人が結構いる。

また、入居時に火災保険への加入を必須にしても、更新時に入らない人も出て来る。

そのような部屋で内部から出火して火事になったら、目も当てられない。

出火原因をつきとめ、その部屋の入居者に原状回復費用を請求することになるが、そもそも安い家賃の部屋しか借りられない人達なので、「無い袖は振れないので払えない」と開き直られる可能性が高いのだ。

相応の出費にはなるが、大家の負担で居室内の火災保険に入ることが、このようなケースを回避することのリスクヘッジにもなるだろう。

「11.ペット可」は、意外とまだまだ普及してない地域が多い。

実現できれば平均並みの家賃帯でも、多くの反響が出る可能性がある。そもそもペット可の物件がその地域で希少な場合は、敷金を2か月分や3か月分など大目に取っても大丈夫だ。

ペットによる引っ掻き後などは必ず発生するので、敷金は最低でも1ケ月は取り、原状回復の条件も契約書に明確に定めよう。

広告費アップは入居付けの特効薬

募集条件以外に効果的なのは、広告料(AD)を通常よりも多くつける対応だ。

広告費が通常1ケ月のところを、2か月分などに設定すると、店を挙げて全営業マンで募集に取り組んでくれる場合もある。

また、担当者への個人キックバックも有効な場合がある。

部屋を決めてくれた担当者個人の口座に、家賃の半月分などを直接振り込んでキックバックするのだ。

個人キックバックがあまり浸透していない地域だと、われ先にと各社の営業マンが争って案内を行い、すぐ満室になる場合もある。

ただし、会社として個人キックバックの受領を禁止していることもあり、受け取らない人も居る。

しかしながら、昨今は8割以上の人がインターネットを使い、予めピンポイントで物件を指定して内見しに来る。

昔のように、不動産屋に行ってから、相談するという人はあまりいないのだ。

広告費やキックバックの上乗せは、5年前からすると確実に効果が薄くなっている手法だ。

物件本来の魅力を引き上げたり募集条件を緩和するなど、入居者のためになるような本質的な努力が不動産オーナーにも求められる時代になってきていると言える。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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