優良物件を探すために重要な「7つの要素」とは

2020年12月16日3,265

不動産投資の物件探しで何よりも重視されるべきなのは「スピード」だ。

優良物件はあなたを待ってくれない。市場に出たらすぐに買い手がついてしまうのだ。

では素早く優良な物件を探して判断するためにはどうしたら良いのか。

「マイソク」を活用した物件探しが有効だ。

不動産投資の物件探しで物件の情報を確認するときに見る資料がマイソク(販売図面)である。

まずは、数多くのマイソクに目を通してその物件情報が優良物件か否かを大まかに見抜く必要がある。

そして次の「7つの要素」を中心に物件情報を読みとることが、優良物件を見分ける上での判断材料となる。

ただし、マイソクには不動産業者が多少誇張して物件情報を掲載する部分もあるのでその点は頭の片隅に置いておこう。

物件探しで重要な7つの要素とは

優良物件を探すのに重要な7つの要素とは、「1.立地、2.価格、3.利回り、4.築年数、5.土地面積、6.建物面積、7.建築物の構造」である。

これらをマイソクからスピーディーに見つけ出して、問題ないかを判断することが求められる。

それでは1つずつ説明していこう。

1.立地

都市部であれば、駅からの距離が15分以内が物件探しの目安と言えよう。

それ以上遠い物件は入居者が決まりにくく、空き室になった際の客付けに時間がかかる場合が多い。

ただし、地方都市や郊外の物件で駐車場付きであれば駅からの距離に関わらず検討対象としても良いだろう。

また、マイソクにある徒歩の時間は分速80mで計算しているので、実際は物件情報より1割から2割増しの時間がかかると考えたほうがよい。

また、最寄り駅の乗降者数が3万人を超えていることも立地における重要なポイントとなる。

2.価格

マイソクに記載されている価格には諸経費に関する記載はない。

諸経費とは仲介業者手数料、税金、司法書士手数料などである。

そこで目安として、物件価格の7%ほどが諸経費にかかると考えておくと良いであろう。

仮に3,000万円の物件であれば、210万円ほどの手数料ということになる。

購入を検討する際は最初から諸経費込みの価格で計算した実質利回りを念頭において投資プランを練るべきである。

3.利回り

マイソクでの利回りに関しての物件情報は「表面利回り」というおおざっぱな表示しかされていない。

表面利回りとは、年間の満室想定の家賃収入を物件価格で割った数字でグロス利回りとも表記される。

先ほども述べたが、物件探しにおいては表面利回りではなく購入時の様々な諸経費や建物の年間管理費等を考慮した「実質利回り」を計算していかなければならない。

4.築年数

築年数はローンの借入期間に大きく関係する。

というのもローンの借り入れ期間は建物構造と築年数により決定されるからだ。

例として、築25年の鉄筋コンクリート(RC)構造をローンを組んで取得しようとする場合、耐用年数47年から築年数25年を引いて22年以内のローンとなる。

耐用年数が過ぎた物件には投資が行われないことが一般的であるが、場合によってはローンが使える場合もある。

また、耐震性の問題も見逃せない。

耐震性に関しては、1981年(昭和56年)以降に建てられた建物であれば、最低限の耐震能力があると認められている。

これは、1981年に建築基準法が改正され、建物の強度の基準が大幅に上がった為である。

逆に言えば、1981年以前の物件は耐震能力に劣るものも含まれている可能性があるので、物件探しでは出来れば1981年以後の物件を選びたい。

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5.土地面積

不動産物件が1棟の場合は土地の広さを確認する。

というのも、銀行が融資を行う場合はその物件の積算評価価格を算出し、その価格を元に融資金額を算出する事が多いからだ。

物件の積算評価価格とは、土地の評価価格と建物の評価価格を合計したものである。

土地の評価価格は、以下の計算により求められる。

土地の評価価格=路線価x土地の広さ(平米)

上記から、土地面積が広い方が一般に融資金額も大きくなるといえる。

このように土地の評価価格を算出しておけば、以下の事が大まかに判断できる。

  • どの程度の融資額が見込めるか
  • 土地評価額から見てその物件価格は妥当であるか

上記の土地面積と以下6で説明する建物評価額を参照する事により、その物件の金額が割安であるかどうかを見分けるのに役立つであろう。

また、土地の権利としては「所有権」以外にも「借地権」という土地を借りる権利もあるが、借地であるとば資産性を長期に渡って評価しにくいため融資が困難となるのが一般的である。

6.建物面積

こちらも土地面積の場合と同様、建物が広いほど融資金額も大きなる。

土地面積の項で述べたように銀行が物件を評価する際は、土地と建物の評価をそれぞれ算出して合計した積算評価価格を使用するため、土地と建物と両方の評価額を融資の判断材料として見なければならない。

建物を積算評価する場合は建物の建築構造も勘案する必要があるので注意が必要だ。

(尚、土地と建物の詳しい積算評価に関してはこちらの記事も参照されたい。)

また、建物に関して物件情報で特に注意しなければならないのは、増改築などにより容積率や建ぺい率がオーバーしている物件である。これらは違法建築と見なされ、一般的に融資は通らない。

これだけは絶対忘れないようにしよう。

7.建築物の構造

建築物の耐用年数は住居の場合はRC構造47年、鉄骨造34年、木造22年と決まっている。

この中で一番物件価格が安いのは木造アパートだが、慎重に検討しないと不動産物件取得後の経費が多大となる可能性がある。

木造建築は10年〜15年の間に外壁や屋根、水回りなどの修理が必要と考えるべきであり、そのようなコストを物件取得前から計算する必要がある。

RC構造や鉄骨であっても、エレベーターがある物件ではエレベーターの保守・点検に多額の費用がかかったり、大規模修繕などのコストが膨大になる可能性がある。

物件の使用年数や老朽化度合いによっては購入後に大規模修繕が必要になる場合もあるので、購入前に大規模修繕の履歴を確認しておこう。

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優良な物件を素早く見つけるために

不動産物件は数多くあるが、膨大な物件の中から優良な物件を見つけるのは至難の業である。

優良な物件ほど情報が出たとたんに買い手がついてしまうからだ。

だが普段から物件探しにおいて上記の7つの要素を意識して優良物件を見分ける能力を高めておき、数多くのマイソクを素早く目を通すことが出来れば、優良物件を見つける機会は格段にアップすることであろう。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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