利回りの計算方法とは?各地域・主要都市の利回り相場2021年最新版も解説!

2021年06月15日751

不動産投資の利回りは、主に物件の投資金額に対する年間の収益の割合を指し、物件選びの重要な指標である。どのくらい利益が出るのかを正確に判断するためには、利回りに関する正しい知識と相場を理解する必要がある。

本記事は不動産投資の利回りの計算方法を簡単に説明し、各地域および主要都市の利回りの相場を解説すると共に、高利回りの物件における注意事項を紹介していく。

1.利回りの計算方法とは

不動産投資の利回りとは、物件の投資金額に対する年間の収益の割合のことを指し、利回りが高いほうが物件の収益性が高いと言える。

不動産投資の利回りは主に「表面利回り」と「実質利回り」の2種類になる。それぞれの概念および計算方法を簡単に解説する。

1.1.表面利回り(グロス利回り)

表現利回りとは、年間の家賃収入を物件の購入価格で割った数字である。
計算式は以下の通り。

表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件購入価格×100

上記の式には物件購入時の仲介手数料等の諸経費や維持管理費は一切含まれていないため、購入後の実際の利回りと大きく異なる場合がある。

1.2.実質利回り(ネット利回り)

実質利回りとは、年間家賃収入から諸経費(管理費や修繕費、税金など)を差し引いた収益から、不動産購入時にかかる諸経費(仲介手数料、登記費用、印紙代など)を考慮した利回りになる。
計算式は以下の通り。

実質利回り(%)=(年間家賃収入-諸経費)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)×100

表面利回りは物件の大まかな収益を計算するには便利だが、物件の収益性を正確に計算するのには向いていない。より正確な収益性を計算するには実質利回りを使ったほうが良い。

1.3.表面利回りと実質利回りの考え方

実際の例をあげて比較して説明する。

物件情報 物件A(新築アパート) 物件B(中古アパート)
購入価格  5,000万円 3,500万円
購入時諸経費 250万円
(購入価格5%)
350万円
(購入価格10%)
年間満室家賃収入 400万円 300万円
年間の維持等諸経費  60万円
(総収入の15%)
75万円
(総収入の25%)
表面利回り 400 ÷ 5,000 = 8.00% 300 ÷ 3,500 = 8.57%
実質利回り (400-60) ÷ (5,000+250) = 6.47% (300-75) ÷ (3,500+350) = 5.84%

表面利回りだけを計算すると一見物件Bのほうが利回りが高くて収益性が高いように見えるが、諸経費を反映した実質利回りは物件Aのほうが高いので、物件Aの収益性が高いと判断できる。正確な収益性を計算するには実質利回りを利用すべきだ。

2.不動産の利回りの相場

不動産投資は物件種類および地域によって利回りの相場が大きく異なるため、収益性を比較する際には利回りの平均相場を参考にしながら評価したほうが良い。

実質利回りには諸経費を反映する必要があるが、諸経費は正確に計算することが難しいため、利回りの相場は表面利回りを採用することがほとんどだ。

次は各地域および主要都市の表面利回りの相場を紹介する。

2.1.地域別の収益物件の利回りの相場

2020年度の全国地域・築年数別の3種類の収益物件の利回りは以下の通りである。

# 地域・築年数 区分マンション 一棟アパート 一棟マンション
1 北海道 築10年未満 4.95% 8.56% 7.22%
築10年~ 6.41% 10.03% 8.02%
築20年~ 13.23% 12.21% 10.61%
2 東北 築10年未満 4.82% 7.16% 6.30%
築10年~ 6.45% 8.43% 8.74%
築20年~ 14.64% 12.82% 10.64%
3 首都圏 築10年未満 4.50% 6.99% 5.44%
築10年~ 5.04% 7.73% 6.40%
築20年~ 8.13% 9.41% 8.36%
4 信州・北陸 築10年未満 7.69% 6.37%
築10年~ 9.85% 11.44% 8.45%
築20年~ 17.08% 15.55% 12.31%
5 東海 築10年未満 5.10% 6.64% 5.77%
築10年~ 6.22% 8.64% 8.28%
築20年~ 13.21% 11.29% 10.21%
6 関西 築10年未満 5.20% 6.63% 6.05%
築10年~ 5.95% 8.91% 6.92%
築20年~ 9.35% 11.46% 8.89%
7 中国・四国 築10年未満 4.53% 6.61% 6.16%
築10年~ 5.93% 10.32% 8.28%
築20年~ 14.40% 13.17% 11.23%
8 九州・沖縄 築10年未満 5.13% 6.95% 5.75%
築10年~ 6.01% 8.01% 7.15%
築20年~ 11.32% 11.52% 9.25%

(参照元:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家)

2.2.主要都市別の収益物件の利回りの相場

2020年度の全国主要都市・築年数別の3種類の収益物件の利回りは以下の通りである。

# 主要都市・築年数 区分マンション 一棟アパート 一棟マンション
1 一都三県 築10年未満 4.50% 6.99% 5.43%
築10年~ 5.04% 7.61% 6.31%
築20年~ 8.02% 9.23% 8.16%
2 東京23区 築10年未満 4.46% 6.25% 5.17%
築10年~ 4.94% 6.54% 5.30%
築20年~ 6.94% 7.40% 6.76%
3 東京市部 築10年未満 4.70% 6.84% 5.36%
築10年~ 5.54% 7.36% 6.51%
築20年~ 9.70% 8.77% 8.31%
4 横浜市 築10年未満 4.66% 7.59% 6.43%
築10年~ 5.40% 8.00% 5.98%
築20年~ 9.22% 8.81% 7.83%
5 川崎市 築10年未満 4.64% 7.20% 5.75%
築10年~ 5.28% 7.28% 6.25%
築20年~ 8.78% 8.57% 7.52%
6 埼玉主要都市 築10年未満 5.03% 7.24% 5.87%
築10年~ 5.61% 7.57% 7.10%
築20年~ 9.30% 8.94% 8.47%
7 千葉主要都市 築10年未満 4.79% 7.15% 6.60%
築10年~ 6.14% 8.30% 8.22%
築20年~ 10.91% 9.50% 8.58%
8 札幌市 築10年未満 4.95% 8.15% 7.17%
築10年~ 6.41% 9.49% 7.86%
築20年~ 12.72% 10.97% 9.73%
9 仙台市 築10年未満 4.82% 6.74% 5.65%
築10年~ 6.45% 7.92% 7.08%
築20年~ 12.50% 11.03% 8.80%
10 名古屋市 築10年未満 5.10% 6.63% 5.48%
築10年~ 5.94% 8.22% 6.61%
築20年~ 10.99% 8.64% 8.55%
11 京都市 築10年未満 4.94% 6.04% 6.01%
築10年~ 5.67% 7.12% 5.95%
築20年~ 8.71% 9.88% 7.86%
12 大阪市 築10年未満 5.13% 6.48% 6.01%
築10年~ 5.74% 7.70% 6.67%
築20年~ 7.80% 12.27% 8.94%
13 神戸市 築10年未満 5.38% 7.25% 6.03%
築10年~ 6.51% 10.81% 6.93%
築20年~ 10.25% 11.70% 8.81%
14 広島市 築10年未満 4.02% 5.66% 5.57%
築10年~ 5.83% 9.05% 7.15%
築20年~ 10.26% 8.52% 7.65%
15 福岡市 築10年未満 5.09% 6.63% 5.09%
築10年~ 5.92% 7.27% 5.77%
築20年~ 9.16% 8.82% 7.13%

(参照元:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家)

上記の2つの統計数字から見ると、都心の物件よりも地方の物件が利回りが高くて、築浅の物件よりも中古物件が利回りが高い傾向がある。

次の章では都心と地方どちら選ぶべきなのかを解説する。

物件価格が安く高利回りという点で地方の中古物件のほうがメリットが大きいですが、入居者が入らなければいくら利回りが高く見せても意味がないので、物件選びの際には物件の総合的な条件やリスクを考慮してから判断したほうが良いでしょう。

3.都心vs地方の不動産投資の選び方

都心と地方の特徴をまとめると以下の通りである。
※アパートを例として解説する。

投資法 利回り相場 リスク
都心のアパート 低・中
地方の中古アパート 中・高

都心での不動産投資は賃貸需要が安定しているため投資リスクが低くて利回りも低い。都心で不動産投資を行う人のなかには、相続税対策でアパート等を購入する資産家層や、ほかの投資や事業で稼いだ資金を保全する目的で物件を購入する投資家が少なからず存在している。彼らは長期的な運用法として都心の低リスクな不動産投資を選択している場合が多い。

一方、地方での不動産投資は人口減のリスクがあるが、利回りが高い。キャッシュフローを得る目的で投資をするのであれば、多少のリスクをとっても地方の物件で不動産投資をしたほうが良いだろう。

次は高利回りの物件におけるリスクや注意事項を紹介する。

4.不動産投資の高利回りにおける注意事項

不動産投資の利回りが高いから物件を購入すると決めてしまう前に、高利回りにおける注意事項を事前に確認しておきたい。

① 物件の空室率を考慮したほうが良い
家賃収入は現況家賃収入と満室想定家賃収入がある。特に中古物件の場合は常に満室とは限らないので、ある程度の空室を見込んで収入を計算したほうが良い。

②諸費用を反映した実質利回りで物件の収益性を計算すべき
不動産投資における費用を考慮せずに物件を買ってしまうと、想定通りの投資収益が得られない可能性があるため、諸費用を反映した実質利回りで物件を選ぼう。

不動産経営する際の初期費用およびランニング費用は以下の通りで、それぞれ紹介する。

<初期費用>
不動産購入時の初期費用は主に以下のようなものがある。なお、初期費用は物件価格の約7%かかる場合が多い。

  • 仲介手数料
  • 収入印紙代
  • 火災保険料、地震保険料
  • 不動産登記費用
  • 司法書士報酬
  • 固定資産税、不動産取得税
  • 金融機関への融資手数料(ローンで購入する場合)

<ランニング費用>
物件購入後の毎年かかるランニング費用は主に以下のようなものがある。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料
  • 管理会社への業務委託料
  • ローンの返済(金利も含む)
  • 管理費、修繕積立金(区分マンションの場合)

③高利回りの物件は内容に問題ないかを確認すべき
平均利回りよりはるかに利回りが高い物件はリスクもあるかもしれない。高利回りであるからといって安易に購入してしまうと、購入後に空室になったり、大規模修繕が発生したり、売却できない危険性があるので注意が必要である。

以下の物件価格が低下するような要素がないか確認する必要がある。

  • 立地が悪い
  • 築年数がかなり古い(旧耐震物件)
  • 事故物件
  • 違法建築
  • 建物の状態が劣化して修繕が必要
  • 家賃設定は妥当でない

単純に物件の利回りだけで判断するではなく、実際に現地に行って物件の状態を確認することや、仲介業者に状況を確認することでしっかりチェックする必要がある。

また、想定家賃収入が周辺物件の家賃相場より高く設定されていれば、利回りが高く算出されるケースもあるので、インターネットを活用して家賃設定が妥当かを確認しよう。

まとめ

不動産投資の利回りは大切な指標ではあるが、利回りだけで物件購入を決めるのは危険である。利回りの算出根拠を確認してさまざまな要素を確認した上で物件を選ぼう。

健全な不動産経営を行う場合、投資した費用に対してどれだけの収益を得られるかを見極めることが大切である。物件購入のトータル費用を算出し、実質利回りでの収益性を計算しておくとよい。

キャッシュフローを得る目的で投資をするのであれば、多少のリスクをとっても地方の物件で不動産投資をしたほうが良いでしょう。利回りが高ければ利益も高くなりますが、利回りが高すぎる物件にはそれなりのリスクもあるので注意しましょう。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
詳細プロフィール

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