マンション経営で立地・エリアは重視するべきか

2020年12月17日949

「不動産は立地が全てである」という言葉は、不動産投資をやっていなくても聞いたことがあるのではないだろうか。

確かにマンション経営は立地が重要だ。

何故かと言うと、立地だけは後から変えることが出来ないからだ。

建物は綺麗にしたり設備を整えたりできるが、住所を隣町に変更することは出来ない。

しかし立地が決して「全て」ではないことは、少し考えればわかると思う。

高級住宅地にあっても、手入れが全くされていない異臭の放つマンションには誰も住みたくない。

逆に少し人気がないエリアでも、唯一無二のデザイナーズ物件で家賃も安ければ、申し込みは殺到するだろう。

立地は重要だ。建物が同じでも人気のないエリアだと賃貸付けに苦戦するが、少しだけ駅や幹線道路に近いだけですんなり決まるケースは多々ある。

不動産を決める要素に占める立地の割合を示すと、50%ぐらいの重要性だろう。

立地についてよく間違える人が多いので、以下より解説しようと思う。

地方都市では駅近が重要ではない場合が多い

まず「駅近であればあるほどいい」という理論だ。

確かに駅から近い方が遠いよりはいい。

「住む場所は必ず駅10分以内で探す」という人も多くいる。

しかし地方に行くとこの状況が様変わりする場合が多くある。

地方では「車社会」と言われる地域がかなり多い。

むしろ、電車が主な交通手段であることの方が稀なのだ。

東京や神奈川・埼玉・千葉の都心寄りに住んでいると全然感覚が掴めないと思うが、駅近よりも幹線道路に近いかの方がよほど重視される地域が地方には沢山ある。

こういう地域でマンション経営をする倍は、どれだけ駅から近いかよりも、幹線道路に近いかや駐車場が世帯当たり2台以上確保できるかなどの方が重視した方がいい。

駅からいくら近かろうと、ファミリー世帯であれば駐車場が夫婦2台分必要であり、これを満たせない物件は駅から近かろうと検討の土台に全く上がらないのだ。

また、バスを使う必要がある物件も入居者から敬遠されると思われがちだ。

しかし、場所によってはちょうど各バス路線が駅に向かうための集約地帯になっており、数分に1本来るような場合もある。

これであればバス通勤やバス通学でも全く問題ないだろう。

ここまでの話から、図面や概要資料に載っている住所からだけでは、その物件がマンション経営に適した立地がいいかどうかは判断が出来ないことがわかるだろう。

地域の交通事情を調べる方法とは

では、その地域の住人が電車を使うのか車を使うのかそれともバスでもいいのかを、どのように調べればいいのかという疑問が湧いてくる。

結論から言うと、地域の不動産会社に直接聞くしか方法はない。

この物件に申し込む人はどのような属性が多いのか?会社員なのか?学生なのか?ファミリーなのか?をまず聞くのだ。

そして、入居者達がどのような交通手段を使って主にどこに行くのか?をしっかり把握する必要がある。

特定の工場で働く社員が多ければ、自転車通勤で大丈夫なケースもある。

学生メインなのであれば逆に車が使えない可能性もある。その場合は電車に乗るケースやバスを使うケースが多いかもしれない。

山の上に大学があり、スクーターで通う学生が多い大学も実際に存在する。その場合はスクーター置き場が必要となるだろう。

これらを物件周辺の不動産会社に細かく確認して、マンション経営をやる上で需要が見込める立地なのかを判断する必要があるのだ。

気を付けるべきなのは、ヒアリングするのは物件の近くかまたは周辺のターミナル駅にある地元の会社じゃないとダメだという点だ。

例えば愛知県北名古屋市にある物件のことを、名古屋市内の不動産会社に聞くのはNGだ。

名古屋市内の不動産会社の担当者もプロなので、北名古屋市のことを聞かれたらそれなりの答えは出来るだろう。

しかし、生半可な知識をさも知っているかのように答える形になるので、決して鵜呑みにしてはいけない。

立地に限らず、家賃帯や入居者需要がどの程度あるかどうかなどは、物件周辺の不動産会社に聞くのが一番だ。

地方であれば、自社で客付けするエリアが比較的狭いので、購入予定のマンションにも営業マンが入居付けに行ったことがある場合が多い。

その場合は、マンション名を言えば大体すぐに答えてくれる。

横着して、不動産会社へのヒアリング以外で周辺調査を済ませたことにしていると、後で痛い目を見る可能性が高くなる。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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