ソシアルビル・テナント物件への投資はするべきか

2020年12月17日9,443

不動産投資の対象は、大きく分けて住居用とテナント用の物件に分かれる。

その他、駐車場、ホテル、土地、倉庫など、物件の種類は沢山ある。

しかし、供給量が多く現実的に個人が取り組めるのは、住居用のレジデンス物件かテナント物件だ。

テナント物件は店舗を出すために貸し出しているビルのことで、大小さまざまなものがある。

テナントの用途も、小規模な事務所から飲食業、事業用店舗、大規模なOAフロアまで多種多様だ。

ソシアルビルは飲食店などが入っているビルで、居酒屋やスナックなどが雑居ビルの中に入っている物件を指す。

一般的なテナント物件・ソシアルビルは、収益性を重視することから床面積を出来るだけ広く取っている。

容積率・建ぺい率・日影規制・斜線規制が許す限りの最大ボリュームで設計し、事務所やオフィスにおいてはトイレと簡単な給湯室しか設けられていないケースが多い。

利便性や容積率・建ぺい率の関係から、必然的に商業地域である駅近や繁華街に隣接した地域に建てられていることが多いのも特徴だ。

投資対象としての特徴を、テナント(店舗・ソシアルビル)用とレジデンス(住居)用で比較してみよう。

テナント物件・ソシアルビルの中には規模が10億円以上のものもある

まず最初の特徴は、数千平米以上のよほど大きなビルでない限り、入居するテナント数がレジデンスと違って少ないという点だ。

延床面積が1,000平米の場合、レジデンスなら場合によっては40~50戸部屋があると思う。同じ大きさのテナント物件の場合は、5戸に満たない場合もある。

テナント物件は一室空室が出るとそれに伴って一気に空室率が一気に上昇する場合があるのだ。

テナントの賃料は柔軟性があり、入居中であっても相場によって変動する。これがレジデンスの場合だと、2年ごとの更新が来ても、家賃が変わることを言い渡されるケースは稀だ。

ただし定期借家契約を用いている高級賃貸では、家賃の変動があるケースもある。

管理費・光熱費はオーナー持ちの場合が多いことも覚えておくべき点だ。常につけっぱなしのため空調や電気代などはレジデンスよりも割高なケースがほとんどだ。

管理面においては、非常に迅速な対応が求められる。レジデンスであれば、共用部の電気が一つ消えていたりクーラーが故障しても、1日や2日ぐらいは難なく許容して貰える。

これが、ソシアルビルの店舗になるとそうはいかない。

想像して貰えばわかると思うが、クーラーや暖房が効いていない店舗にはお客さんは来ないだろう。

設備で故障が発生した場合は、数時間程度で対応する迅速さが求められる。

これらを勘案すると、テナント物件やソシアルビルを所有するメリットが余りないように思えるがそういうわけでもない。

規模が大きな物件はほとんどがテナント物件だという事実がある。大規模なオフィスビルであれば一回の決済で大きな規模の物件の購入も可能なのだ。

ここで言う大きな規模の物件とは、10億円以上の物件だ。

日本のレジデンス用不動産は、新築時に所有権で購入する場合が多い。賃貸用の大規模レジデンスは、数が大変少なく市場に出回ることも稀だ。

私も10億円以上のレジデンス物件は、都内の一等地以外ではあまり見たことがない。

これが大規模なオフィスビルの場合は、規模も価格も青天井で物件数もそれなりにある。

銀座の一等地にあるテナントビルなら、数十から数百億円はザラにある。主要都市の大規模オフィスビル・商業施設であれば、1千億円規模のものまで売買されている。

ファンド、アセットマネジメント会社や、生命保険、年金基金などの機関投資家は、オフィスビルを中心に投資をする場合が多い。

何故かと言うと、レジデンスは規模が小さく、それらをかき集めて数十億円・数百億円の規模にするのは、バルクで仕入れるなどのルートがない限り難しいからだ。

大規模なテナント物件は、大規模な投資に向いていると言えるだろう。

次のメリットとして、レジデンスと比べて利回りが高い場合が多いと言う点も特長として挙げられる。

家賃の価格変動リスクが大きいという理由もあるが、レジデンスと違いキッチンなどの設備を数多く用意する必要がないため、建築費も相対的に安くなる場合が多い。

これらの理由から、同じ場所にあるレジデンスよりも利回りは高くなる傾向にある。

テナント物件・ソシアルビルを個人で購入するべきか?

では、個人が投資を行う場合、テナント物件を購入するべきかどうかという観点で解説しよう。

先述したとおり、空室リスクや家賃の変動リスクが高いことから、一棟目の購入を検討しているような初心者にはお勧めできない。

出て来た売り物件の精査という面では、レジデンスよりも見極めが難しい場合も多い。

レジデンスは需要も供給も多いので、周辺の不動産会社にヒアリングを重ねれば、かなり高い精度で想定家賃の把握が出来る。

これがテナント物件屋ソシアルビルになると、需要も供給も絶対量が格段に減る。

需要の多い大きな市街地以外は、見通しが立てにくい場合が多いだろう。

空室がある場合、想定賃料が妥当かどうかは極めて難しい判断を迫られる。

しかしながら、リスクが高いということは収益機会も大きい可能性があり、前述したとおり利回りはレジデンスよりも高い場合が多い。

メリットもデメリットもあるテナント用の投資だが、基本的にはレジデンスとやるべきことは変わらない。

物件が出たら、賃貸ニーズを把握し、リスクに見合うリターンが得られると判断すれば購入して良いと思う。

融資付けについては、レジデンスよりも難しい場合が多い。風俗店やパチンコ店などが入っているテナントは、一部の信金や信組以外はNGだ。

やや否定的な話が多くなってしまったが、全てのリスクはそれ以上の利回りがあれば解消可能だ。

前述したリスクを上回るメリットがあると判断した場合は、テナント物件の購入に積極的に取り組んでみても良いと思う。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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