収益物件の概要資料・レントロールの目利き2(名古屋RC物件)
収益物件の概要資料・レントロールの目利き1から引き続き、物件資料目利きの練習をしよう。
名古屋市の物件だ。
まず概要資料から見よう。最初に見るべき重要な部分には、赤のアンダーラインを引いている。
平成元年築で価格は6980万円。土地が約200平米、建物が373平米の物件だ。
路線価は13万円/平米ぐらいなので、積算は6,200万円ぐらいだということがわかる。
売価には達していないが家賃の想定収入は972万円なので、積算程度の金額で買えれば利回りは15%を大きく超える。
RCなので融資年数も20年程度は取れる可能性があり、キャッシュフローも出ることが予想できる。悪くなさそうだ。
建ぺい率は80%、容積率は200%なので違法物件ではない。
建物が373平米で総戸数が20戸だ。17平米~18平米で3点ユニットの極小1Kだろうという目算が立つ。この時点では、十分検討に値する物件であることがわかる。読み進めてみよう。
次にレントロールを確認する。
空室は20室分の9室なので稼働率は55%だ。空室率は少し高い。
このレントロールで気を付けるべきなのは、地方都市の物件にしては家賃帯が高い点だ。
東京は別だが、地方都市で築20年以上の極小1Kは、どんなに需要が多い地域でも募集家賃が4.5万円を超えることは稀だ。多くは3万円から3万円中盤ぐらいだろう。
この物件は駐車場も1台しかないにも関わらず、55,720円で入っている部屋が2つもある。
またマンスリー賃貸がある点も気になる。普通の管理会社であれば、こういう募集の仕方は手間がかかるので好まないはずだ。
しかし物件価格は安いので、検討を続ける価値はありそうだ。
この物件は私が実際に検討した物件だが、実際に現地に行くなどして調べてみるとレオパレスの物件だった。
レオパレスは土地持ちの地主に営業をかけ、そこにマンションを建てる会社だ。この築年ではレオパレスにしては珍しいRCの物件だった。レオパレスは施行後も引き続き管理を行うことを売りにしており、新築時から家賃保証を付けるのが特徴だ。
今回のケースは、家賃保証を行っていたにもかかわらず入居率が悪い状態が続き、レオパレスが家賃保証の金額を半額程度にする通達を大家である地主にしたことが発端で売却が決まったらしい。
レオパレスは特色を出すために、家具家電付やインターネット無料の部屋を多く供給している。今回の物件もその手の募集をやっていたために、家賃が高くなっていた。
レオパレスの管理は引き継げない(引き継ぐ必要もない)ので、契約は切ることになる。その場合レオパレスは家電を引き上げてしまい、インターネット設備なども使えなくなる。
しかしそんな乱暴なことをして入居者が黙っているわけがない。契約の引継ぎ時に退去が続くことも予想できる。リスクがありそうなやや難し目な物件だ。
現地に行ってからわかったことは他にもある。
駅徒歩11分になっているがこれは直線距離から80m/分で計算されたもので、実測値は18分だ。
駅の反対側から高架を渡り大きく迂回する必要があるので、長い距離を歩かなくてはならないのだ。
また周辺業者へのヒアリングの結果、この地域はワンルームが余っており家賃は4万円どころか3万円でも厳しく、2万円台でないと決められないという状態だった。これでは収支計算も想定通りには行かないだろう。
結局指値はしたものの、融資面のハードルもあり断念した。
今この物件は、居室内にアクセントクロスを貼り、家賃を2.7万円まで下げて募集しているようだ。
物件の概要資料だけではわからないことも多いが、その兆候の多くは資料やレントロールからわかる。
特に条件がいい物件や割安な物件の場合は、はやる気持ちを抑えて「どこかに落とし穴があるかもしれない」というネガティブな視点から見るようにしないといけない。
この記事の監修者
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