不動産は建物の構造(RC・鉄骨造・木造)と耐用年数に注意して選ぶ

2019年10月28日21,923

不動産投資において、建物の「構造」は、どの物件に投資するかを決定する大きな要素となる。建物の構造によって建築コストが異なるのはもちろん、それぞれ法定耐用年数も違う。

金融機関から融資をうける際、金融機関は建物の法定耐用年数を「経済的残存耐用年数」とみなすことが多く、融資期間にも密接にかかわってくるのだ。

建物の耐用年数(鉄骨造・木造・RC造・SRC造)

税法では、構造・用途による建物の耐用年数がつぎの表のとおり定められてている。

【表:税法の定める建物の耐用年数】

用途 木造 鉄骨造(S造)
骨格材厚≦3mm
鉄骨造(S造)
3mm<骨格材厚≦4mm
鉄骨造(S造)
4mm<骨格材厚
RC造 SRC造
住宅用 22年 19年 27年 34年 47年 47年
店舗用 22年 19年 27年 34年 39年 39年
事務所用 24年 22年 30年 38年 50年 50年
飲食店用 20年 19年 25年 31年 34/41年 34/41年

鉄骨造(S造)は骨格材の厚みによって法定耐用年数が変わる。

また、飲食店用のRC造・SRC造の法定耐用年数は、延面積中の木造内装割合が30%を超えるか否かを基準に法定耐用年数が変わってくる。

中古物件の法定耐用年数は以下の2通りだ。

(1)築年数が耐用年数を超えている場合

耐用年数=法定耐用年数×20%

たとえば、木造住宅で耐用年数を超えている場合、木造の法定耐用年数22年×20%=4年と耐用年数が計算される。

(2)築年数が耐用年数の一部を経過している場合

耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

たとえば、木造住宅で10年経過している場合の耐用年数は、以下のとおりである。

(木造の法定耐用年数22年-経過年数10年)+経過年数10年×20%=14年

法定耐用年数については国税庁のホームページなどに建物の耐用年数表・考え方が記載されている。

[関連記事] 「耐用年数」の謎?木造住宅は22年を超えても住み続けられるのか?

安定した家賃収入が目的ならRC造・SRC造を第一候補にすべき

建物の耐用年数は本来、融資期間と直接の関係はなく、ノンバンク・信金などの一部の金融機関では耐用年数より長い期間のローンを組むことができる場合もある。

しかし、前述のとおり、金融機関が不動産を担保に融資を組む時はこの法定耐用年数をローン期間の限度とすることが多い。

また、耐用年数より長い期間のローンを組むことができた場合でも、耐用年数を超えてしまうとデッドクロス(元金返済分>減価償却費となり多額の税金を支払わなければならない状況)が発生してしまう。

税金が高額になる結果、税引き後の利益が少なくなったり、場合によっては赤字になることもあるのだ。

一般的に金融機関は、デッドクロスの発生を避け、債務者(=所有者・投資家)の返済原資を減価償却分多く確保し、返済が滞るリスクを避けようとするために法定耐用年数以内のローン期間を設定しようとするのである。

これを勘案すると、安定したインカムゲイン狙いで、ある程度大きな額を狙う投資では耐用年数が長い物件の方が有利である。

建物構造は、RC造やSRC造が第一候補となるだろう。

ただし、利回りが良ければ木造や鉄骨造(S造)の物件を投資対象にしても大きな問題はない。

利回りが良いということは、一般的には期待できる家賃収入に対して物件の購入価格が低いということであり、結果融資をうける額も少なくてすむことが多いからだ。

投資目的ごとに適した物件の構造も変わるため、一概にどの構造が良いとは言えないが、構造による法定耐用年数の違いは念頭においておくべきである。


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