不動産投資は法人化するべきか?個人と法人設立の違いは?

2019年01月11日127

不動産投資は「個人」で行うか「法人化」して行うかの2つにわかれる。一般的に、個人で行う不動産投資は初心者でも取り組みやすく、法人化して行う不動産投資は税率や資金調達面から有利なことが多い。

個人と法人で行う不動産投資はなにが違うのか。今回は不動産投資の法人化についてメリットやデメリットをふまえ全体像を説明していく。

目次

法人化(法人設立)をしたほうがいいのはどんな人?

法人化(法人設立)をして行う不動産投資にはたくさんのメリットがある。しかし、場合によっては個人で不動産投資を行った方がいいケースもある。

ここでは法人化したほうがいい人の特徴と個人で行ったほうがいい人の特徴を説明していく。思わぬ損をしてしまわぬように、どちらが自分に最適なのか見極めてほしい。

法人化して不動産投資を行なったほうがいい人

法人化をして物件を買ったほうがいいのは次のような人である。

3棟以上など買い進める予定の人

まず法人化したほうがいいのは、物件を3棟以上購入するなど不動産投資を拡大していこうと思っている人だ。

不動産投資では個人だと所得税がかかり、法人化すると法人税がかかる。次の表は平成27年以降の所得税速算表だ。個人と法人でどれくらい税率に違いがあるかがわかる。

【表1:個人の実効税率】

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超え330万円以下 10% 97,500円
330万円超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超え 45% 4,796,000

【表2:法人の実効税率】

課税所得金額 税率
400万円以下 約22%
400万超え 800万円以下 約25%
800万円超え 約38%

専業大家の場合は課税所得が900万円を超えると、所得税よりも法人税のほうが税率は低くなる。

3棟以上など大きい規模で不動産投資をする場合は法人化したほうが税金が安くなるということだ。会社員の場合はすでに給与所得があるため、自分の年収だと税率がいくらになるのかを確認しておこう。

なお、個人の場合は各種社会保険料も必要なので実際の税負担はより高くなる。それを考慮すると、法人化したほうが得になる分岐ラインは600万円前後まで下がる。

一棟もの不動産への投資では、これらの年収ラインを比較的早く達成できるので、最初から法人化を視野に入れておくこともありだろう。

今後の相続を検討予定している人

もう一つ、不動産の相続を検討している人も法人化をするべきである。

個人の財産は相続税の対象になる。しかし、事前に法人の代表名を相続する人に変更する方法であれば相続税は発生しない。個人所有より相続税を下げられるため、不動産投資の法人化は相続税対策にもなるのだ。

法人化せず個人で不動産投資を行なったほうがいい人

一方、法人化せずに個人で不動産投資を行うべきなのは小規模の不動産投資でよいと考えている人だ。。

課税所得が900万円以下であれば、所得税率と法人税率はほとんど変わらない。法人設立には税理士費用や設立費用、年間7万円の法人住民税がかかる。そのため、手間やコストを考えると、アパート1棟または区分1~2室(おおむね一億円以下)規模の物件しか買う予定がない人は個人で不動産投資を行おう。

不動産投資の法人化(法人設立)とは?

そもそも、不動産投資における法人化(法人設立)とは何なのか。将来、不動産を相続する予定の人や不動産投資で規模を広げる予定の人は法人化の仕組みをくわしく知っておいたほうがよい。

ここでは、法人化の仕組みと法人設立をするタイミングについて説明していく。

不動産投資における「法人化」とは?個人との違い

不動産投資における「法人化」とは、不動産に投資を行って利益をあげる不動産投資会社を設立することを意味する。

個人と法人でもっとも大きく違うのは税率だ。法人は法人税法によって税金を計算することになるため、会計作業は税理士などに依頼することになる。

また、法人化するには設立登記や口座開設などが必要になるため、ある程度の手間と費用がかかる。

さらに、大きな借金を抱えてしまった場合、個人はすべての借金を支払う義務があるが、法人は出資金額までが責任を負う金額などの違いもある。

法人化するタイミングはいつがベストか

法人化するベストなタイミングは人によって異なる。

一つ言えるとすると、個人で支払っている税金より法人税のほうが安くなるポイントが法人設立のタイミングということだ。

ただし、投資の途中で個人から法人に切り替えると、不動産取得税や登記費用がかかるため注意が必要だ。不動産投資で規模を広げていきたい人は、初めから法人で物件を購入したほうが節税につながる。

また、年収が1,000万円を超える会社員は30%以上の税率に加えて不動産所得が上乗せされる。そのため、高年収の会社員も法人化したほうがよいだろう。

不動産投資を法人化するメリット・デメリット

法人化をして行う不動産投資は個人経営にはない多くのメリットを得ることができる。しかし、法人化をして行う不動産投資にはデメリットも存在する。ここでは、法人化することによるメリットとデメリットを紹介していく。

不動産投資で法人化する場合のメリット

不動産投資で法人化をした場合のメリットは次のとおりだ。

法人化のメリット1:法人税は所得税に比べて税率が低い

個人で不動産投資を行う場合、所得税率は住民税の均等割分と合計で最大55%になるが、法人の税率は最大約38%程度と相対的に低い。法人化のもっとも大きなメリットは個人よりも税率を下げられるということだ。

[関連記事] 不動産売却にかかる税金は?投資用・居住用で異なるポイント

法人化のメリット2:節税手段の選択肢が多い

法人化のメリット2つ目は個人より節税手段の選択肢が多いということだ。

法人で不動産投資を行えば、さまざまな出費が物件の管理・運営のための必要経費として計上できる。自宅や事務所の家賃、生命保険、自動車の購入費や維持費など、法人のほうが個人よりも経費として認められる範囲が広い。

家族への給与を役員報酬として計上することができることも大きい。これらによって本人や世帯全体での所得税・住民税の節税が可能になるのだ。

[関連記事] 「節税できる不動産投資」と「儲かる不動産投資」は別物である

法人化のメリット3:信用力が上がり、融資を受けやすくなる

一般的に法人は信用力が高く評価される傾向にある。そのため、個人よりも法人のほうが融資を受けやすくなったり、融資上限額が大きくなったりすることが多い。

個人と異なり法人には原則寿命がないため、金融機関側が死亡や相続を考慮しなくていいという面でも有利だ。

また、個人であればローン完済までの期間を75歳までに制限されることが多い。年齢は不動産投資をする際の大きな障害になっているが、法人であればこの点はクリアできる。

保証人を求められても、法人であれば法人が融資を受けて代表者が保証人になるという対応方法も可能になる。

[関連記事] 不動産投資ローンの融資を受けられる金融機関一覧(年収別)

法人化のメリット4:繰越損失の期間を長く設定できる

不動産経営で赤字決算となった場合、法人は翌事業年度から9年の間、繰り越しが可能である。

不動産投資が事業規模であるとみなされた場合に3年間の繰り越しが認められるなどの例外を除いて、損失の繰り越しが認められていない個人と比べると大きなメリットだ。

法人化のメリット5:資金調達方法の選択肢が多い

資金調達方法の選択肢が増えるのも法人化のメリットだろう。法人であれば融資のほかにも株式の増資を行うなど、個人では不可能な資金調達手段をとることができる。

法人化のメリット6:決算月を任意に設定できる

個人の不動産投資は国によって12月が決算月と一律に定められているが、法人は決算月を任意に設定できるため、計画的な節税対策を行いやすいというのがメリットだ。

法人化する場合のデメリット

一方、法人化する場合のデメリットは次のようなことがあげられる。

法人化のデメリット1:設立手続きが必要

まずは、法人の設立手続きが必要ということだ。

法人設立は慣れていないと複雑でやや面倒である。ただし、近年は比較的低料金で設立を請け負っている行政書士事務所なども増えているため、活用することでデメリットとなるポイントを解決できるだろう。

法人化のデメリット2:法人の維持費用が必要

法人化のデメリット2つ目は法人を維持するための費用がかかるということだ。

法人化すると会計が複雑化する。毎年、税理士や会計士に依頼して決算書を作り税務申告をしなければならず、ある程度の維持費用が必要になる。

法人化のデメリット3:長期譲渡所得の優遇税制は利用できない

法人化3つ目のデメリットは長期譲渡所得の優遇制度を利用できないということだ。

これは家賃収入のインカムゲインを狙う投資方法か売却益のキャピタルゲインを狙う投資方法かでも影響度合いが変わってくる。

物件を売却した際に生じる譲渡益に対する税率は個人と法人で異なる。個人の場合、5年以内に売却して得た売却益である短期譲渡所得にかけられる税率は39%、5年超で売却して得た売却益である長期譲渡所得にかけられる税率は20%となる。この所得は給与所得などとは別に計算される。

一方、法人の場合、短期・長期や所得の別計算などはなく、税率が税引き前利益に一律に課税される。5年を超えて保有した物件を売却する場合には、法人は個人より不利な税率となる。

5年から10年の中長期でのキャピタルゲインを狙う投資目的であれば、個人での不動産所有を視野に入れたほうがいいだろう。

法人化のデメリット4:「副業」とみなされることがある

法人化のデメリット4つ目は不動産投資を副業とみなされてしまう可能性があるということだ。副業禁止の会社では、規模が小さい個人での不動産投資は認められているが、法人化するほど規模が大きい不動産投資は認められないケースがある。

[関連記事] 公務員でも不動産投資はできる!注意すべき3つのポイント

法人はどうやって設立するの?方法や費用は?

法人化をしたほうがいい人、した場合のメリット・デメリットなどをみてきたが、法人はどのように設立するのか。ここでは不動産投資会社設立の方法と設立にかかる費用について説明していこう。

不動産投資用の法人を設立する方法

不動産投資会社を設立するには、まず不動産投資会社の所在地や社名、資本金、発起人、取締役など、会社を設立する際に必要となる項目を決める。

つぎに、銀行印や社印、実印などの会社に関する印を作成する。

最後に、定款や登記書類を作成し、法務局に書類を提出すると、不動産投資会社の設立となる。設立まではおおよそ1~2週間程度である。

法人設立は少々複雑なため司法書士に依頼することも可能だ。

法人を設立する際にかかる費用

法人を設立する際にかかる費用の項目は次のとおりだ。法人設立にはおおよそ22~25万円程度が必要になる。

  • 定款認証用収入印紙代
  • 定款認証時の公証人の手数料
  • 定款の謄本の登記手数料
  • 登録免許税
  • 会社印の作成費用

不動産投資は所得や事情に合わせて法人化をするべき!

不動産投資用物件は、所得や相続などの事情によって「個人」で買うべき人と「法人」で買うべき人にわかれるということがわかっただろうか。

会社員は所得と不動産投資で得た収入で税率が変わるため、思わぬ損をしないように現在の年収にかかる税率がどのくらいかを確認しておこう。

法人設立のタイミングも人によって異なる。しかし、不動産投資で規模を広げていきたいと思っている人は初めから法人を設立して不動産投資を行ったほうが得になる。自分の所得や事情に合わせて有利な選択肢を選ぼう。

不動産投資ユニバーシティでは、法人設立の方法をはじめサイトでは公開していない情報を提供する「不動産投資セミナー」を開催している。法人化など一歩踏み込んだ不動産投資の知識を得たいと思ったらぜひ参加してみてほしい。

あなたにオススメの記事

コメント

avatar
400
  Subscribe  
Notify of
もっと見る

失敗確率を1/10にして収益確率を倍増させる全手法 無料メルマガ講座

普通の会社員でも毎月50万円以上の利益!
失敗しない不動産投資家になれる
「トップ1%の不動産投資法」が30日間で学べる!

今なら3大特典もプレゼント

  • 特典1:全68ページ!不動産投資マニュアル
  • 特典2:利回り10%以上も!完全非公開物件情報の配信
  • 特典3:最新のセミナー情報優先配信

メールアドレス

メールアドレスはメルマガ配信とご案内にのみ使用し、第三者に渡ることはありません。
詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。

【メルマガ】普通の会社員が毎月50万円以上
手に入れる失敗しない不動産投資の全手法

 

CLOSE

Page Top