不動産投資のデメリットを検証しメリットを探る

2020年12月16日586

不動産投資を始めるにあたり、デメリットが気になるのは当然だ。

扱う金額が大きいのでリスク対策を行っていないと、再起不能になることすらあるからだ。

だが不動産投資のデメリットを検証していく事で見えてくるメリットがあるのも確かだ。

ここではまず不動産投資のデメリットには何があるのかを一つ一つ確認ししっかり認識しておく。

その上で不動産投資と他の投資とを比較し、「デメリットを上回るメリット」があるのかを検証して行くこととしよう。

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不動産投資のデメリットとは

不動産投資の主なデメリットには以下のものがある。

不動産のデメリット

  1. 投資金額が大きい
  2. ある程度の年収が必要
  3. 自己資金が必要
  4. 資産下落リスク
  5. 空室リスク
  6. 災害の不安

では一つずつデメリットを確認し検証してみよう。

1.投資金額が大きい

不動産の投資額は数千万円以上になるのが一般的なので、数万円から投資出来る訳ではない。

ボロボロの安い一戸建てを現金で買ってリフォームし、転売したり賃貸に出してコツコツ増やすという方法が巷でもてはやされているが、その場合でも数百万円ほどの資金は必要である。

規模の小さい物件から始めて徐々に投資物件を増やしていくのが不動産投資の王道だが、それでも数百万からがスタート地点となる。

2.ある程度の年収が必要

資金が数千万円以上かかると言っても、全てを自己資金で用意する必要はない。

不動産投資は通常、金融機関から融資を受けて不動産を購入するからだ。

そして金融機関から融資を受けるためには、ある程度の年収が必要になってくるのだ。

年収は300万円以上あれば政府系金融機関やノンバンクなど、融資をしてくれる金融機関を見つけることは可能ではある。

しかし近年では融資基準が厳しくなってきており、アパートやマンションを1棟買いできる程の融資を受けたいのなら年収も700万円以上は欲しいところだ。

3.自己資金が必要

首尾よく金融機関から不動産投資の融資を受けることが出来たとしても、相応の自己資金は必要だ。

例えば5,000万円のアパートを1棟、金融機関からフルローンを引いて購入出来たとする。

フルローンなので5,000万円は融資で賄えたとしても、最低でも諸費用分は自己資金を用意しておかなくてはならない。

一般的に諸費用は物件価格の7%が目安となるので、この場合は350万円ほど必要となるだろう。

4.資産下落リスク

今年5,000万円でアパートを1棟購入したとしよう。

建物価格は老朽化に伴い徐々に下落していくし、土地価格も近年では都心の一部や地方の中心都市を除き下落傾向にある。 

建物を上手にメンテナンスすればある程度の資産価値を保つことはできるが、経年劣化を避ける事は出来ないので建て替えでもしない限り徐々に資産価値は下落していく。

5.空室リスク

日本の人口減少と相続対策の為の新築アパートの建設増もあり、賃貸用不動産の空室率は増加傾向にある。

満室時利回りが高利回りであったとしても、空室が多ければ実質利回りは下がり投資効率も悪化する。

総戸数8戸の賃貸アパートの満室時利回りが10%であったとしても、半数が空室なら利回りは5%程度に落ち込んでしまうのだ。

6.災害の不安

地震・火事などの天災の他、賃借人になんらかのトラブルが起こって所有する物件が事故物件になってしまったとしたら、多額の損失が出る恐れがある。

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他の投資と比較して見えてくる不動産投資のメリットとは

では視点を変えて他の代表的な投資である株やFXと不動産投資とを比較してみよう。

不動産投資と株やFXを比較すると、不動産投資には以下のメリットがあることがわかる。

  1. 購入時点で収益の予想が立てられる
  2. 家賃収入は景気感応度が低く安定している
  3. 外部環境に左右されない

ではその内容を確認してみよう。

1.購入時点で収益の予想が建てられる

株価や為替の動きの予測はプロでも難しく、素人が安定して利益を上げ続けるのは困難である。

しかし不動産は、購入時点での家賃収入や満室時利回りは確定している。

事前に購入物件付近の家賃相場や市場を調査する事により空室リスクなどもある程度把握出来るので、将来的な収益予想を立てる事が可能だ。

空室率や広告費、修繕費なども物件購入前の調査をすれば大まかな予測を立てる事が出来るので、家賃収入から必要な費用を引いた将来にわたっての収益予想が出来るのだ。

2.家賃収入は景気感応度が低く安定している

景気は循環する性質があるので、好景気の時もあれば不景気である時代もあり、不景気の場合は株価は低迷を続けがちだ。

だが不景気の時であっても、一般住居用の家賃が急激に下がる事は考えにくい。

不景気時には不動産価格は影響を受けるが、家賃収入が急に減る事はなく不景気の状態であっても安定して収益を上げ続けることが出来る。

3.外部環境に左右されない

例えばリーマンショック級の大きな経済的混乱や政治的混乱、大規模な自然災害などが起きると株やFXは大打撃を受け暴落する事がよくある。

よほど投資の上手い人であれば相場の急激な変動によって大きな利益をあげられるだろうが、一般の素人の多くは大きな損失を被るだろう。

そのような大きな外部環境の動きがある場合にも、不動産投資では家賃が暴落するという事はなく家賃収入はほぼ安定しているのだ。 

まとめ

不動産、株、FXと、代表的な投資のデメリットを確認して見えてきたことは、「不動産投資は手堅い」という事ではないだろうか。

この中で不動産投資だけが景気や外部環境に左右される事が少なく安定しており、将来的な利益予想を立てる事も可能だからだ。

また不動産投資のリスクは、保険でカバー出来るものが多い。

一般的な火災保険以外にも、事故物件になってしまうリスクをカバーした「賃貸住宅費用補償保険」などの保険も利用する事でリスク対応出来るのだ。

そして「投資金額が大きく、年収がある程度ないと出来ない」というデメリットは、見方を変えれば「ある程度の年収があれば融資を受けて手堅く大きな投資を出来る」というメリットに他ならない。

以上を勘案すると、「不動産投資はデメリットを上回るメリットがある」と言えるだろう。

株やFXはサラリーマンの副業として手軽に始められて人気があるが、素人が利益を出し続けるのは難しい。

もしサラリーマンとしての年収がすでにある程度あるのなら、融資を受けて手堅く安定した利益を上げることが出来る不動産投資を選択する事が資産家への第一歩となるだろう。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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