賃貸中の区分を買って実需として売る不動産投資とは

2020年12月17日6,211

賃貸中のファミリー向け区分を買い、リフォームして実需として売る投資法がある。

この投資法は大変堅い投資だといわれており、実践すれば堅実に利益を上げることが出来る。

何故儲かるのかというと、投資用物件として利回り換算で購入し、実需の取引相場に合わせた価格で売っているからだ。

賃貸中の投資用物件は、基本的に実需用よりも安いことが多い。

その価格差を、裁定機会(アービトラージ)として見つけ、サヤを抜く手法なのだ。

投資用を安く買い実需用で高く売る方法とは

良くわからないと思うので、具体例を用いてもう少し詳しく説明しよう。

ある家族が月15万円で賃貸している、ファミリー用の分譲マンションがあったとする。

分譲マンションなので、投資用マンションの物件よりも、格段にグレードが高い物件だ。

所有しているオーナーは、そのマンションの入居者とは別の人だ。このオーナーが何らかの理由によりこの物件を手放すことになったとする。

その場合、入居者が住んでいる状態で売りに出すことになるので、実需用のマンションとしては売ることが出来ない。

売買を行ってオーナーチェンジを行うことは出来るが、それに伴って入居者に退去を強要し、新オーナーがそこに住むことは出来ないのだ。

日本の法律では、消費者保護により居住者をオーナーの都合で簡単に追い出すことは出来ないからだ。

入居者が退去する意志がないのであれば、利回りで換算した値段を付けて投資用として売るしか方法がない。

利回りが相場と合致した適正な水準なら良いが、分譲マンションは価格に対して利回りも低い場合が往々にしてある。

何故なら、分譲マンションは共用部や内装のグレードが高いので、平米当たりの売買単価は投資用の賃貸マンションよりも高くなるのだ。

想像してみればわかると思うが、分譲マンションは内廊下になっていたり、キッチンにも食洗器などが付いていたりする。

天井も高く作られており、壁も厚くなっている。長く快適に住むための工夫が、様々なところに施されているのだ。

しかしながら、投資用の賃貸マンションはこのような傾向はない。

マンションを賃貸したいと考える人は、共用部の充実度よりも部屋の広さにこだわる傾向が強いからだ。

投資用のマンションは、共用部の充実度よりも、いかに安い建築費で広い部屋を作るかの方が重要なのだ。

投資用を安く買い実需用で高く売る投資の実例

50㎡の分譲マンションと、同じく50㎡の投資用マンションが同じエリアにあったとする。

建物のグレードは全く異なるので、価格は分譲マンションが4,000万円、投資用マンションは3,200万円などの値付けになるだろう。

この差がそのまま貸した場合の賃料にも反映されれば良いが、広さが同じであれば、多くの場合それほど差が付かない。

賃料は、分譲マンション15万円/月、投資用マンション14万円/月などになるだろう。

利回りは、分譲マンションが4.5%、投資用マンションは5.25%となる。

賃貸に出した時の適正な利回りは、投資用マンションの5.25%だ。分譲マンションは、価格の割に安い賃料しか取れないのだ。

実需として自分が住むマンションとしては、4,000万円が適正価格だ。

しかし投資用として利回り5.25%で割り戻すと、3,400万円程度が投資物件としての適正価格になってしまう。

このように、賃貸中の分譲マンションを購入すれば、4,000万円のものが3,400万円で手に入る。

この分譲マンションに、入居者が仮に3年住んでいたとする。

リフォーム費用を3年間の家賃収入と相殺すると、仕入れ値と売値の差である600万円が利益として残ることになる。

この例のような、投資用と実需用の価格差を利用した投資は、手堅く利益を得られるのだ。

居住者が住んでいる限り売れない可能性がある

しかしながらデメリットもある。

まず、入居者がいつ退去してくれるかわからないという点だ。

退去費用の負担などを申し入れれば、入居者に出て行ってもらうことは可能な場合もある。

しかし行き過ぎた消費者保護が日本では当たり前となっており、居住者の権利も大変強い状態となっている。

入居者が出ていく意志を持たなければ、例え契約があったとしても無理に追い出すことは出来ないのだ。

含み益は抱えているものの、売りたいタイミングで売りに出せない可能性があるのだ。

このような投資手法は、いろいろな物件を複数分散して所有していると、入居者の長期入居リスクも分散されるので問題点は解消される。

一般的に、ファミリー用は6年、シングル用は4年が、平均的な入居から退去までの期間だと言われており、母数が多ければ多いほどこの水準に落ち着く可能性が高まるからだ。

この投資法を実践している企業が、スター・マイカだ。

ジャスダックに上場しているこの企業は、正に上記の賃貸物件と実需物件の価格差を突き、年間500戸以上を仕入れて数年後売却する手法を取っている。

商業施設を何年もかけて建設する不動産デベロッパーと違い、爆発的に利益を上げられるわけではない。

しかし、ストック性が高くリスクが低い不動産事業だと言える。

このやり方は、もちろん個人の投資家でも再現可能だ。

仕入れを工夫出来れば、面白い投資法になる可能性はあるだろう。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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