レンタルスペース投資って?「時間貸し」が注目される理由

2023年01月17日11,934

現在、新たな不動産の活用法として「時間貸し」のレンタルスペース投資が注目されはじめている。

インターネットで撮影場所や貸し会議室を検索すると、安価な価格で手軽に利用できる「レンタルスペース」がたくさんみつかる。それらを運営するレンタルスペース投資が人気なのだ。

なぜ今「時間貸し」が注目されるのか、レンタルスペース投資について紹介していく。

レンタルスペース投資とは?「時間貸し」の仕組み

レンタルスペース投資とは、賃貸住宅や空き家、オフィスビルの1室などを多目的利用が可能なスペースとして時間単位で貸し出し利益を得る投資方法である。

従来、不動産の活用法といえば居住用として月単位で賃貸にだす形がほとんどだった。しかし現在、Webサービスの増加とともに、住むための部屋としてではなく「貸しスペース(レンタルスペース)」として1時間数百円~数千円で不動産を「時間貸し」する形態が増えているのだ。

レンタルスペース投資は、事業者が物件を購入するのではなく、不動産会社から借りる形で運営するのが一般的である(自分で物件を購入し時間貸ししている人たちもいる)。

月単位で特定の1人に貸すのではなく、時間単位で不特定多数に貸すというのが一般の不動産投資と異なるポイントである。

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レンタルスペース投資が注目される理由

なぜ今レンタルスペース投資が人気を集めるのか。

ニュースなどで「シェアリングエコノミー」という言葉を聞いたことはないだろうか?

シェアリングエコノミーとは、個人や法人が保有する物、サービス、場所などの資産を、インターネットをとおしてシェア(貸し借り、共有)することで成り立つ経済の仕組みのことをさす。

共有経済ともよばれるシェアリングエコノミーは、モノを大事にするという社会的にも価値がある考え方が注目を集め、市場は右肩上がりに膨らんでいる。

資産を提供する側は貸し出しによる収益を得られ、借りる側は不要なものをもたずにライフスタイルをシンプルにできるというメリットがある。

レンタルスペース投資もシェアリングエコノミーの一つだ。近年、オフィス以外で働く人やサテライトオフィスが増えたこと、SNSの普及によってオフ会や個別展示などの機会が増えたことにより手軽に利用できる場所の需要が高まっている。

また、時間貸しでスペースを利用したい人とスペースを提供したい人をマッチングするWebサービス「SPACEMARKET(スペースマーケット)」や「Spacee(スペイシー)」などの登場により、場所の貸し借りがより気軽に行えるようになった。

それもあいまって、レンタルスペースの利用者がどんどん増加し、レンタルスペース投資が注目されているのだ。

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レンタルスペース投資のメリット・デメリット

話題のレンタルスペース投資には、どのようなメリットやデメリットがあるのだろうか。

レンタルスペース投資のメリット

初期費用が安く、低コストではじめられる

レンタルスペース投資は、一般的な不動産投資と比べて初期費用(最初に投資する金額)が安く、低コストではじめることができる。

提供するスペースの種類にもよるが、必要な初期費用は90万円前後だ。部屋を借りるための敷金・礼金と数ヶ月の家賃、あとは必要な設備があればはじめられる。

レンタルスペース投資では、必要以上に設備の充実を検討し続ける必要がないため、経費や維持費が安くすむのも大きなメリットだ。

収益が物件の築年数に影響されない

収益が物件の築年数に左右されないのもレンタルスペース投資のメリットの一つだ。

築年数とは、建物が建築されてから経過した年数のことだが、通常の不動産投資では築年数が古くなるほど得られる収益は下がっていく。

レンタルスペース投資では、提供されたスペースを住居として利用するのではなく、一時的な活動場所として利用する。そのため、建物の新しさはあまり関係なく、立地や設備、内装、清潔さなどが重視される傾向にあるのだ。

レンタルスペース投資のデメリット

立地条件が厳しい

レンタルスペース投資では、通常の不動産投資よりも立地が重視される。どの立地に、どういったターゲットを想定して部屋を作るかは慎重に考えなければならない。

たとえば、貸し会議室などであれば駅から近い場所が求められ、パーティルームなどは騒音で近所に迷惑をかけないような場所を選ぶ必要がある。

最初に立地の選定を間違えると利用者が少なくなり、思うような収入が得られないことがあるので注意が必要だ。

収入が不安定

通常の不動産投資は入居者さえいれば、月単位で安定した収入を得ることができる。

一方、レンタルスペース投資は時間単位で収入を得るため、その分たくさんの利用者を集める必要がある。集客がうまくいかないと、収入が入ってこない時間帯が多く発生するため毎月の収入にバラつきがでる可能性がある。

どんなものがある?レンタルスペースの種類と特徴

レンタルスペースの種類は多岐にわたり、会議室やパーティルーム、カフェ、撮影スペース、サロン、ダンススタジオなどさまざまな用途で使用される。

めずらしいものでは、畑や島、野球場などもレンタルスペースとして貸し出されている。

レンタルスペースそれぞれの特徴を紹介していこう。

貸し会議室

レンタルスペースとしてもっとも代表的なのは会議室だ。

最近は、経費削減のために広い会議室はオフィスに作らず、大人数で会議をする場合のみ貸し会議室を利用するという企業も多い。

ビジネスで利用する場合がほとんどなので、会議に集中できる静かな場所や、シンプルな内装が好まれる

パーティルーム

パーティルームは女子会や趣味の集まりなど、大人数が集まって盛り上がれる場所として利用される。

キッチンが使える部屋や、食べ物の持ち込みが可能な部屋、写真映えする華やかでおしゃれな装飾をされた部屋が好まれやすい。大画面のテレビが置いてあったり、外観が綺麗だったりすると、さらに利用されやすくなる。

撮影スペース

撮影スペースは、個人や趣味仲間で集まり撮影をするために利用される。

小さな部屋では集合写真が撮りづらく、天井が低すぎると機材が扱いにくいため、ある程度の部屋の広さが必要になる。また、綺麗な写真が撮れるような内装や明るさ、撮影機材の貸し出しが可能な部屋が好まれる。

カフェスペース

将来自分のお店をもちたいという人が、平日夜や週末だけカフェを運営できるカフェスペースも増えている。

お試し感覚で1日または時間単位で気軽にはじめられるのが人気で、メディアでもたびたびとりあげられている。

カフェスペースを使う場合、居心地のよい雰囲気が重視される。キッチンが使えるのは必須条件として、冷蔵庫や調理器具、食器、音響設備などが使える部屋は利用者に好まれやすい。

レンタルスペース投資のはじめ方

レンタルスペース投資の始め方は意外とシンプルだ。

1.物件を探そう

まずは、インターネットで物件を探し、ある程度の目星がつけば直接不動産会社に行って物件を紹介してもらおう。

その際、借りたい部屋がレンタルスペースとして使用可能かどうか必ず確認・相談しておこう。宅建業法や各種法律にもかかわってくるところだ。

2.設備や備品を設置しよう

物件が決まったあとは、レンタルスペースの形態にあわせたキーボックスなどの設備や備品を設置しよう。

キーボックスとは、ドアを開けるための鍵を入れておくものである。ダイヤル錠がついていて、番号をあわせると中の鍵がとりだせるシンプルなものがおすすめだ。

3.集客をしよう

部屋の準備が整ったら、利用者の集客を始めよう。

のちほど紹介する「SPACEMARKET(スペースマーケット)」や「Spacee(スペイシー)」などのWebサービスを使って自分のレンタルスペースを宣伝する。

サイトには、賃貸契約書や部屋の内装を撮影した写真、住所や部屋の広さ、最寄り駅からの距離、レンタル価格などを記載する。

4.運営開始

Webサイトから予約が入れば、利用者に鍵の番号を通知するなどのやりとりが必要になる。

利用当日には、利用者から「ドアが開かない」「鍵の開け方が分からない」などの緊急連絡が入る可能性がある。対応が必要になるので、連絡はつねに受けられる状態にしておこう。

レンタルスペース投資で成功するポイント

インターネット上に掲載されているレンタルスペースの数は年々増加している。

たくさんの利用者を獲得するためには、利用者に合わせた物件選びや掲載写真の魅せ方が重要になってくる。ここでは、レンタルスペース投資で成功するポイントを紹介していく。

掲載写真は綺麗に写そう

レンタルスペースを検索するサイトにたくさんの部屋が掲載されているなかで、最初に利用者の目を惹きつけるのは、部屋のイメージがわかる写真だ。

掲載する写真は、室内が明るく見えるように撮影し、小物や挿し色のアクセントを加え、オシャレに見えるように撮影しよう。

利用したくなる部屋作りをしよう

レンタルスペースは利用者にあわせた内装であることも大切だ。

ビジネス利用を想定した部屋はシンプルで集中できる内装、プライベート利用を想定した部屋はオシャレで写真映えする内装など、利用者に「借りてみたい」と思わせる部屋作りを心がける必要がある。

レンタルスペースの形態にもよるが、内装が利用者のニーズに合致していれば、多少立地が悪くても、遠方から利用しにきてくれる人も存在する。

利用者に合わせた物件を選ぼう

利用者に合わせた物件選びも重要だ。たとえば、居住用物件ではオートロックが喜ばれるが、レンタルスペースとして使用する場合は、オートロックではない物件のほうが利便性がいい。

また、パーティルームなど大人数が盛り上がるために集まる場所は、自分の家では招けないくらいの大人数でも入ることができ、キッチン周りが充実している部屋を選ぶのが重要になる。

複数のポータルサイトに登録しよう

収益を最大化させるためには、集客のためのサイトを一つに絞り込まないのもポイントだ。

サイトによっては、情報が多すぎて自分が掲載した部屋がうもれてしまうこともある。複数のサイトに登録して、利用者にみつけてもらいやすくしよう。

どこに掲載する?レンタルスペース登録サイト

レンタルスペースの登録サイトはさまざまで、なかには会議室に特化したサイトや撮影スペースに特化したサイトなどもある。自分のレンタルスペースにあったサイトを選ぼう。

Spacee(スペイシー)

スペイシー」には、個室の貸し会議室をメインとして、セミナー会場、撮影スペース、パーティルームなどさまざまなレンタルスペースが掲載されていて、利用者は100万人を突破している。レンタル費用の支払いなどはスペイシーを介して行うため、金銭トラブルの心配がなく、安心して利用することができる。

SPACEMARKET

スペースマーケット」にも数多くのレンタルスペースが掲載されている。

紹介ページの作成などで困ったことがあればメールや電話などでサポートもしてもらえる。また、定期的に説明会を開催しているので、レンタルスペース投資に興味があれば参加してみるのもいいだろう。

レンタルカフェ.com

レンタルカフェ.com」は、カフェやBAR、レンタルキッチンなど飲食に関連したレンタルスペースを掲載しているサイトである。

レンタルスペースの「時間貸し」は今後さらに注目される!

「時間貸し」という新たな不動産の活用法である。時代の流れにともないレンタルスペース投資は、今後さらに注目されていくだろう。

レンタルスペースで大切なのは利用者が利用したいと思える部屋を作ることである。利用者のニーズやトレンドを把握するために市場調査はしっかりと行おう。

ただ、レンタルスペース投資はどうしても収入が不安定になりがちだ。長期的に安定した収入を求めている人は、毎月決まった家賃収入が得られる不動産投資もおすすめである。

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この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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