アパート投資は失敗する!?潜む闇とリスクを回避し成功する方法

2020年12月16日2,565

近年、会社員の副業として注目されているアパート投資。

その裏で「アパート投資は危険」、「アパート投資で大失敗」そんな話を聞いたことはないだろうか。

アパート投資は本来、きちんと勉強すればかなり手堅い投資だ。それでも、失敗し自己破産してしまう人が存在する。それはなぜなのか。

今回は、アパート投資の全貌をひも解いていこう。

アパート投資って何?マンション投資とは違う?

そもそも、ここまで人気になる「アパート投資」とはどんな投資なのか。マンション投資や戸建て投資など、ほかの不動産投資との違いや特徴についてみていこう。

アパート投資とは?

アパート投資とは、一棟アパートを購入し、第三者に賃貸や売却をすることで利益を得る投資法である。アパート投資には、土地だけを購入して建物を新築する方法と、土地と建物の両方を中古で購入する方法がある。

法律上、「アパート」と「マンション」の違いは明確に定められていないが、不動産投資においては、アパートが土地つきの木造建造物をさし、マンションが鉄筋コンクリートなどの建物をさすことが多い。

アパート投資に必要な投資金額は、不動産投資全般のなかでは中程度で、所有できる土地の面積が広いため資産性が高い。ただし、木造という構造上、建物を長期に渡って不具合なく保有するのは難しい。

アパート投資以外の不動産投資の種類と特徴

不動産投資にはアパート投資以外にも「一棟マンション投資」「ワンルームマンション投資」「戸建て投資」がある。それぞれの特徴をみていこう。

一棟マンション投資

一棟マンション投資とは、マンションを一棟単位で購入し、家賃収入や売却益を得る投資方法だ。一棟マンションは、土地と頑丈な建物が手に入るため資産価値が大きく、家賃収入として得られる収益も大きい。

ただし、マンション一棟を購入するとなると、トータルで億単位の資金が必要になり、失敗したときの破産リスクも大きくなる。素人がいきなり手を出すには少々リスキーだ。

ワンルームマンション投資(区分マンション投資)

ワンルームマンション投資とは、マンションの一室を購入し、第三者に貸し出すことで家賃収入を得る方法だ。

少ない資金ではじめられるため人気の投資法だが、はっきり言って収益性はかなり低い。なかでも、不動産業者から営業電話がかかってきて買ったような物件は最悪だ。

利益はほとんどでず、失敗するのが目に見えている。

[関連記事] ワンルームマンション投資は損か得か?危険な5つのリスク

戸建て投資

戸建て投資とは、一軒家を購入し第三者に貸し出すことで家賃収入や売却益を得る方法だ。

一戸建てはマイホームとして建築されることが多く、市場にでまわる物件も中古が中心となる。

戸建て投資は100~500万円の比較的安い金額ではじめられるうえに、所有できる土地の面積が広く資産価値も高い。

ただし、中古物件のため、賃貸をするためにはある程度のリフォーム費用が必要になる。また、入居者が一度退去してしまうと、次の入居者がなかなか見つからないなどのリスクもある。

アパート投資に潜む罠!ハマる人の特徴とは?

アパート投資は本来、収支計画が立てやすく安定した利益が見込める投資だ。株式投資やFXなど値動きが激しい投資のように一攫千金とはいかないものの、その分リスクも低い。

しかし、そんなアパート投資で失敗し大損してしまう人も存在する。一体どのような人がアパート投資で失敗するのか。アパート投資の失敗事例を紹介していこう。

アパート投資に失敗した2人の体験談

味方でなく敵だった!?投資家を騙す不動産会社の存在

Aさんは不動産会社から「今がチャンス」「満室だから急いだほうがいい」とすすめられ、中古アパートを購入した。しかし、なぜか購入直後に退去者が続出し、家賃収入を得るどころか赤字物件を背負ってしまった。

じつは、満室にみえていた物件の入居者はほとんどが詐欺グループの人間で、いわば偽の入居者たちだったのだ。物件を高く売るために、一時的に満室を装う不動産投資詐欺の手口である。信頼していたはずの不動産会社も詐欺グループとグルだった。

空室ばかりで利益がでない!物件選定の落とし穴

会社員Bさんは不動産会社にすすめられるがまま新築アパートを購入した。新築アパートは設備や建物が新しく、購入前に想定していた利回りもかなり高かった。しかし、Bさんの購入した新築アパートは駅から遠いなど立地が悪く、まわりには競合物件も多かった。おのずと賃貸需要も低くなり、空室がたびたび発生し想定していた利益は得られなかった。

その後、Bさんが購入した物件は資産価値がどんどん下がり、数年後には大きく家賃を下げなければ入居者がつかないような状況に陥ってしまった。

[関連記事]アパート経営のリスクの種類を知らないと危険!

アパート投資で失敗するのは0.2%の人だけ!

アパート投資で失敗する人もいるが、破綻するような人は1%にも満たない。

スルガ銀行は、アパート投資やマンション経営で失敗し破たんする割合はわずか0.2%(2018年)だというデータを発表している。

これは債務の総額に対しての比率なので、件数でみるとさらに少なくなる。アパート投資はリスクをコントロールすることで、大きな失敗を避けられる投資なのだ。

[関連記事]不動産投資の成功率は10%以下!?成功する確率を高める5つの方法

アパート投資で失敗する人の特徴

アパート投資で失敗する人は限られている。そして、失敗する人の特徴というのがある。どのような人がアパート投資で失敗するのかみていこう。

不動産会社に言われるがまま物件を購入

まずは、不動産会社に言われるがまま物件を購入してしまう人だ。初心者が思い込みがちな「不動産会社がすすめる物件は良い物件」だという考えは危険である。不動産会社がすすめる物件が必ずしも利益がでる物件というわけではない。

物件を購入するだけで収入が得られると考えている

アパート投資で失敗する人には、物件を購入するだけで収入が得られると考えている人も多い。アパート投資は物件を購入したら自動的に収益が入ってくるわけではない。

アパート投資に限らず、不動産投資には必ず空室リスクや災害リスク、家賃下落リスクなどがつきまとう。オーナーは物件購入後もこのようなリスクに対応し不動産事業の運営をしていかなければならないのだ。

利回りだけを重視して物件を購入

利回りを重視しすぎる人も失敗しやすい。

不動産投資における「利回り」とは、投資金額に対する1年間の収益割合(利益÷投資額)のことである。つまり、投資した金額に対するリターンがどれくらいかという基準だ。

利回りは物件の利益率を判断する一つの指標であるものの、利回りが高ければ優良物件というわけではない。

購入時の利回りが高すぎる物件には、高額な修繕費がかかったり、空室がうまらなかったり、思わぬリスクが潜んでいるケースが多いのだ。

節税目的で物件を購入

書籍や雑誌の「アパート投資は節税になる」という話題につられてしまった人も要注意だ。はっきり言って、節税目的で物件を購入するのはおすすめできない。

アパート投資が節税になるというのは、基本的に会社員など給与所得がある人向けの話だ。

節税の仕組みとしては、不動産投資で赤字がでた場合、給与所得と合算して納税申告をすることで、全体的な所得を低くし、所得税や住民税などの税金を下げるというものだ。

つまり、儲からず赤字になる物件ほど節税効果が高いということだ。本来利益を得るために行う不動産投資で、わざわざ赤字の物件を保有するのは本末転倒である。

節税についてくわしく知りたい人は「不動産投資における節税はまやかし!?節税対策の考え方」を参考にしてほしい。

物件の管理を自分で行おうとする

手数料を惜しんで、物件の管理をすべて自分で行おうとする人も失敗する可能性が高い。

アパート管理では、入居者の募集やクレーム対応、家賃滞納の督促など日々さまざまな対応が発生する。

緊急時のトラブル対応などを自分一人で行うのはかなりの労力だ。アパート投資では、管理会社など外部の力をうまく使うことも必要である。

[関連記事] アパート経営で失敗する人の特徴7つと回避法

初めての不動産投資ならアパート投資がおすすめ!

アパート一棟に投資する方法やマンションの一室に投資する方法など、不動産投資にはさまざまな投資方法がある。

そのなかで、初めて不動産投資を行う人には「アパート投資」がおすすめだ。

アパート投資は中程度の価格で大きな利益が得られるほか、部屋が複数あるため空室リスクを回避しやすい。また、購入した土地を資産として残すことができる。

アパート投資をするなら「新築」か「中古」か

アパート投資にも新築アパートを建設して投資する方法と、中古アパートを購入して投資する方法の2通りある。

新築と中古にはそれぞれにメリットがあるため、投資目的や自己資金など、自分の状況に合わせて物件を選ぶことが大切だ。

新築アパート投資と中古アパート投資それぞれの特徴を紹介していく。

新築アパート投資のメリット

どんな物件を建てるか自分で決められる

新築アパート投資は土地の選択や設備、外観・内装のデザインなどをすべて自分でプランニングできる。

ターゲティングした入居者のニーズに合わせた物件を建てることができるため、周囲の物件とも差別化をはかることができ競争力を高めることが可能だ。

維持費が安い

建物が新しくメンテナンスがあまり必要ないため、維持費が安いのも新築アパート投資の魅力のひとつだ。

新築アパートは中古アパートと比べて初期費用は高くなるが、設備が新しいため修繕やリフォームがほとんどいらない。

火災や地震など大きな災害にあわない限り、10年は大規模な修繕が発生しないだろう。

融資を受けやすい

ローンでアパートを購入する際、中古物件よりも新築アパートの方が融資を受けやすい。

法定耐用年数(税法で規定されている耐用年数)が長い新築アパートは、金融機関からの担保評価が高いため融資審査がとおりやすい傾向にあるのだ。

新築アパート投資のデメリット

物件価格が高め

建物をゼロから建てる新築アパートは中古アパートに比べて物件価格が高い。地方でも5,000万円、都内だと1億円以上はする。

ローンの返済額も大きくなるため、家賃の下落や空室が発生するリスクを考慮した収支シミュレーションをしっかりとたてておくのが重要だ。

スタートまでに時間がかかる

新築アパートは購入してから実際に稼働するまで時間がかかる。

土地が確保できてから建物を建てはじめることになるが、アパートの建設には少なくとも6ヶ月程度必要だ。

ある程度建物が形になってから入居者の募集をするため、実質的に稼働し始めるのは土地確保の目途がついてから9ヶ月~1年後になることが多い。

中古アパート投資のメリット

利回りが高く、物件の価格も安い

中古アパートは新築アパートと比べて物件の価格が安く、利回りが高くなりやすい。初期費用やローンの返済額を少額でおさえられるのは大きなメリットだ。

購入直後から家賃収入を得ることが可能

中古アパートはすでに入居者がいる状態で物件を購入することが多いため、購入直後から家賃収入を得ることができる。

また、入居者が支払う家賃は決まっているため、購入しようとしている物件がどの程度の収益を得られるのか把握することができる。

中古アパート投資のデメリット

融資を受けるのがむずかしい

築年数が経過した中古アパートは金融機関からの担保評価が低く、融資の審査が通りにくい傾向にある。

たとえ融資を受けることができても、金利を高めに設定されることは大いにありうる。

維持費が高い

中古アパートは新築アパートよりも老朽化が進んでいるため、修繕や改築に多額の費用がかかる可能性がある。

中古アパート投資を行う際は、修繕費用や改築費用が発生する可能性を考慮しておかなければならない。

[関連記事] サラリーマンにおすすめの不動産投資は新築か中古か?

アパート投資をはじめるには物件選びから!

物件の探し方は2パターン

投資用のアパートを探すには、ネットで検索するか、不動産会社に直接訪問する方法がある。

ネットで検索する

インターネットの不動産サイトには物件の情報が豊富に掲載されており、エリアや価格別に検索することができる。手軽に物件情報にふれられるため、一番効率のいい情報収集方法だといえる。

インターネット上の検索サイトは、「楽待」や「健美家」などのポータルサイトを利用するとよいだろう。

気になった物件を不動産会社に問い合わせることができるほか、欲しい物件の具体的な条件を登録することで、物件情報が自動的にメールで送られてくこともある。

不動産会社を直接訪問する

つぎに、不動産会社へ直接訪問する方法だ。ネットが発達した現在はインターネットでの訪問は非効率に思えるかもしれない。

しかし、不動産会社への訪問は、インターネットには掲載されていない物件を紹介してもらえる可能性があり、非常に有効である。

不動産会社に訪問する際は、事前に欲しい物件の条件を言えるようにしておけば良いだろう。また、不動産会社と信頼関係を築くことができれば、良い物件情報を回してもらえるかもしれない。

優良物件の基準って?利益をうむ物件の見極め方

インターネットや不動産会社にはさまざまな物件が掲載されているが、利益をうむ優良な物件はどのようなものなのか。優良な物件を見極めるポイントを紹介する。

エリアはどう選ぶ?

エリアを絞りすぎることで投資対象になる物件の数が一気に減ってしまうため、投資エリアは広く設定してよい。

検討範囲がせまいと良い物件が見つからずいつまでたっても物件を買えないという状況に陥りやすいため、特定の地域を定めずに物件を探すべきだ。

立地はどう選ぶ?

アパート投資で安定した収入を得るためには、空室になりにくい物件を選ぶ必要がある。

立地がいい物件は比較的空室がでにくい。大都市ならば駅から15分以内、地方都市ならば駐車場付きなどの物件は賃貸需要が高い傾向にある。

利回りの目安はどれくらい?

利回りの最低ラインは物件の立地や構造など、さまざまな条件ごとに異なる。

条件を考慮せずにいえば、築20年くらいの物件で5%台後半、築20~35年であれば7~8%が儲かる利回りの最低ラインとなる。

ただし、利回りが高くても収支がマイナスになる物件も存在する。利回りよりもキャッシュフローを把握することが大切だ。

[関連記事]収益不動産を探すには? ポイントを抑えて優良な物件を選定しよう!

アパート投資に知識は必須!成功するための勉強方法

アパート投資で成功する人は必ず、はじめる前にしっかりと知識を習得している。反対に、知識不足の人は必ずといっていいほど失敗する。

アパート投資で成功するために最低限必要な勉強方法を紹介していこう。

先行投資を惜しまずに、たくさん本を買って読もう

本屋に行けば、アパート投資をはじめ不動産投資の本がたくさん並んでいる。本は低コストで不動産投資の知識が学べるおすすめの勉強方法だ。

できれば、先行投資を惜しまずに10冊以上の本を読んでほしい。

初心者は不動産投資全体像がわかる基礎的な本から読んでみるといいだろう。おすすめの本については「不動産投資本ランキング!大家おすすめの絶対に読むべき書籍8選」で紹介している。

こちらもぜひ参考にしてほしい。

不動産投資で成功している人から知識を学ぼう

すでに不動産投資で成功している人から学ぶのもおすすめだ。

不動産投資のセミナーには講師をはじめ、受講者のなかにもアパート投資で成功している人がたくさんいる。

不動産投資のセミナーは初心者向けから上級者向けまでさまざまな内容のものが開催されているため、自分の知識量や経験にあったセミナーを選ぶことが可能だ。

セミナーでは、疑問に思ったことをどんどん講師に質問しよう。

[関連記事] 優良物件を購入するためのアパート投資セミナー

物件資料をたくさん読もう

物件を買う前に、物件概要書をたくさん読むのもおすすめだ。

物件概要書を読むことで、投資用アパートの価格帯や利回りの相場がわかるようになってくる。物件を見る目が養えるのだ。

不動産会社から取り寄せて、ぜひたくさん読んでみよう。

アパート投資はおすすめの投資!リスクを回避し成功しよう

アパート投資は資産価値が高く、価格も中程度のため初心者にもおすすめの投資法だ。もちろんリスクも存在し、何も考えずに始めて儲かるほど甘くはない。

しかし、いつか働かずにお金が入ってくるようにしたいと考えているのであれば、まずは不動産投資の本を1冊買うところから行動してみてほしい。

小さな行動をし続けなければ、大きな利益も手に入らないのだ。

不動産投資ユニバーシティでも、アパート投資全般の知識が学べる「無料メール講座」を配信している。アパート投資の知識を学びたい人はぜひ参考にしてほしい。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
詳細プロフィール

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