土地や資金を持たない人でもアパート経営を始められるのか

2020年12月17日617

不動産投資は、土地や資金がない人でも実践可能だ。

ただし、地主や資金を保有する資産家とは異なる取り組みが必要となる。

地主・資産家がどのようにアパートを建設しているか

そもそも、地主や資産家がどのようにアパートを建設しているのかから説明しよう。

地主大家は代々持っていた土地にアパートやマンションを建てている場合が多くある。

土地を既に保有しているため、それを担保にして建物を建てているのだ。

収益を上げることを目的にしているというよりは、空いている土地を有効活用したり、相続制対策を兼ねることで、土地を次の世代まで引き継ぐことを目的としている人が多いのが投資家と大きく異なる点なのだ。

実際は、地主や資産家が自ら問題意識を持ちこのような行動を起こすのではなく、マンションデベロッパーの営業マンが地主に対してアパートを建てる提案をして、地主はそれに乗っている場合がほとんどだ。

地主・資産家はアパート経営のプロではないので、他者と比較検討をしたり、相場を知る術を持たないことも多い。

その結果、デベロッパーが多額の利益を上げるのと引き換えに、地主は土地を持っているにも関わらず、利回りは10%台前半となることもあり、収益性は決して良いとは言えない物件であることがほとんどだ。

土地や資産を持たない会社員や自営業者も不動産投資は可能だが、地主のように営業マンから提案が来ることはまずないだろう。

また、一般投資家は、担保となる土地を保有しない上に資金もないので、融資を受けるハードルは地主と比べて必然的に高くなる。

そのため数千万円以上する一棟物件を購入したい場合は、収益性と資産性の両方を備えた物件を見つけて、場合によっては自ら銀行に持ち込む必要がある。

資金がなくても不動産投資は始められる

既に土地を保有している地主や、1億円以上の資金を既に持っている人は、銀行もお金を貸したがるので、不動産投資をする上で間違いなく有利だ。

しかし、このような人達は選択肢が多いゆえに、前述したような収益性の低いアパートを新築で建ててしまうことも多いのが実態だ。

逆に、年収が500万円以下だったり、正社員ではく派遣社員だったりする人が、工夫を凝らして不動産投資に取り組み、時間を掛けて何棟も物件を保有している例も多くある。

最初のスタート地点は若干異なるものの、やり方次第ではいくらでも挽回できるのだ。

資金が多いことは投資をする上でそれだけ有利であることは間違いないが、それは勉強して知識や経験が平均以上のレベルにある場合だけだ。

資金があるが勉強不足である場合は逆に悲惨だ。

営業マンもとんでもない物件を提案してきたとしても、資金があるがゆえに銀行もそれに融資を出してしまうので、結果的に買えてしまうのだ。

本業で儲かっていても、不動産投資で失敗してしまっては目も当てられない。

逆に、先述したとおり、普通は不動産投資には取り組めないと言われている属性の人が成功している例も沢山ある。

結局は、良い不動産を買うためにどれだけ努力をしているかによるのだ。

取り組みやすさに若干の違いはあるものの、融資先が多く存在している今の日本の投資環境は、不動産投資への門戸が多くの人に開かれている状況だと言える。

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この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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