不動産投資のリスク-所有物件で逮捕者が発生した時に行ったこと

2020年12月18日2,122

ある日、私の所有物件で逮捕者が発生した。

私のスタンスとして、ちゃんと家賃を払い他の住人に迷惑が掛からなければ、入居者の思想、職業、プライベートなどには特段関知しないことにしている。

暴力団など反社会組織の人の入居は困るが、それは滞納時の対応が難しいことや他の住人が迷惑がるからという、現実的な問題があるからだ。

生活保護者の入居希望がいれば対応するし、外国籍の方も基本的にウェルカムだ。そこにリスクはあまり感じていない。

生活保護受給者はむしろ積極的に狙っているぐらいだ。

もちろん、保有物件がそれなりに低い価格帯の家賃設定だからというのもある。色々選り好みをしていては埋まらないのだ。

これが高級な部屋の賃貸や、ある程度の入居者属性を貸す側が選べる新築物件などの場合は話が変わる。

それゆえ、入居者が逮捕されようとちゃんと家賃を払ってもらえれば文句はないのだが、今回のケースはかなり煩わしい展開になってしまった。

逮捕者発生の経緯

埼玉県の某市にある所有物件(家賃3.1万円)の管理会社から連絡を受けたのは某日の夕方だ。


管理会社社員 「警察から連絡があり、部屋のチェーンを切って中に入ったので、その補修費用を払いたいと言ってきています。」

 「弁償するのはいいですけど、そもそも何で警察が踏み込んできたんですか?」

管理会社社員 「入居者は、北陸の方の都市で逮捕されて、既に拘置所に入っているようです。警察は、本人の家を家宅捜索をする必要があったからだと言っています。」

 「本人が居ないのに何でチェーンが掛かってたんですかね?それはさておき、チェーンの件は補償してくれるとのことですが、本人はいつ解放されるんですか?」

管理会社社員 「わかりません。経緯についても、具体的な詳しい話は教えてもらえませんでした。傷害事件みたいですが・・・。」

 「そうですか・・・。」


チェーン代はともかくとして、拘留が長引くと家賃が入ってこない恐れがある。

そしてこういう場合に面倒なのは、家財の処分も出来ず家賃も支払われないパターンだ。

勝手に家財を処分すると、後からクレームを受けたり訴えられるリスクがあるからだ。

こんなに異常なほど消費者保護が強い国は日本だけだ。

他の国で家賃滞納が発生したら、大家がカギを取り換えられて中に入れなくしてしまうのだ。

部屋の家財処分に関する判例は、入居者にかなり有利になっている場合が多い。

入居者から訴えられたら、かなりの確率で負けてしまうのだ。

誰かに入れ知恵をされて「処分した家財の中に、ダイヤの指輪が入っていた」などと言ってきたら、目も当てられない。

入居者は1か月後に戻ってきたが・・・

ひとまず、セオリー通り保証人に状況を確認することにした。保証人は親族だったがが、あまりこの件に関わりたくない様子だ。

管理会社が連絡をしても

「知らないしわからない」

を繰り返すばかりで埒があかない。

仕方ないので、保証人に家賃の支払いと家財の処分確認について説得しつつ、本人が出て来て連絡が取れるようになるのを待つことにした。

ただの拘留であれば、一番長い場合でも10日+延長10日の20日間のはずだ。

かくして、1か月後にやっと本人と連絡が取れることになった。

会社も辞めざるを得なくなり、家賃が払えないという想定通りのパターンだったので、マンションからは退去してもらうことになった。

このような入居者が、退去までにやるべきことを万事キッチリこなすわけもなく、やはり一部の家財を残したまま退去していった。

ここは管理会社のグリップ力の問題もあったと思うが・・・

結局、後から処分費を請求して最終的には綺麗に整理が付いた。

こんな事件が起きると

「なんて面倒くさいんだ!」

と思ってしまうが、結局はこれもコストのうちの一つだと割り切っている。

確かに、家賃10万円で利回り6%の新築を都内で建てたら、このような属性の人は入って来ないし、家賃を滞納する確率もかなり低いだろう。

新築だし綺麗なので、いい属性の人が入居してくれる。設備が壊れる心配もないし、当然ながら滞納、夜逃げ、逮捕などが起きるリスクもない。

ただし、肝心かなめの収益性は低い。

利益が得られなければ、他にどんなメリットが沢山あっても、投資をやっている意味がなくなってしまうのだ。

ローリスク・ローリターンの投資は意味がない。時間を掛けて投資に取り組むのであれば、ローリスク・ミドルリターンもしくはローリスク・ハイリターンを狙うべきだ。

郊外や地方に利回りが良く低家賃の物件を購入すると、今回のような多少色々な煩わしい事件はたまに発生する。

確かに、このように逮捕者が発生することは想定外だった。

しかし、退去者が部屋に残置物を置いたまま去っていくことは、リスクとして織り込んでいるので問題ない。

綺麗な物件を買って無難にまわすよりも、多少リスクのある物件をもの凄く安く買った方が、費用対効果が高いのだ。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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