不動産の売却査定で売主が不利になりやすい5つの理由

2020年12月16日487

不動産売却の際は、仲介業者に売却査定を依頼してから話を進めるのが一般的だ。

しかし、仲介業者が売主に対して負う責任はかなり軽いものであり、売主が期待しているような詳細な説明は充分になされない場合が多い。

そのため、実際の売却プロセスは取引経験の少ない売主にとって分かりにくく、売主にとって不都合な事実が隠されやすいのが実情だ。

さらに加えて、売主側の都合や事情といったものは軽視され、場合によっては売主に不利な契約に誘導される場合すらある。

「プロである仲介業者の言うことだから、不動産取引はそのようなものなのだろう」と仲介業者を信頼しきって考えていると、知らないうちに大きな損をしてしまう場合があるのだ。

そのため、不動産の売却査定の前に注意すべきことは何なのかを知っておくことが大切だ。

売却査定にあたって注意すべき5つのこと

それぞれの詳細は別の記事で述べるが、不動産取引における売却査定の過程で大きな不利益を被らないために、最低限の知識を学ぶ必要がある。

(1)仲介業者のいう「売却査定の相場」は参考程度にする

不動産には定価というものはない。

特に日本の土地には「一物四価」という言葉があるように、「時価(実勢価格)」、「公示地価(公示価格)」、「相続税評価額(路線価)」、「固定資産税評価額」の4つの価格が同時に併存している。

確かに仲介業者は、「近隣の取引価格」や「それまでの時価のおおよその平均値」から、おおむねの相場観を把握してはおり、それに加えて公示価格や路線価を参考にして売却査定を行う場合が多い。

仲介業者の提示する相場は参考にすべきであるし、公示価格や路線価から導かれた売却査定の価格も裏付けのある査定価格ではあるのだが、これらは絶対的なものではない。

なぜなら不動産は世の中に二つとないもので、場所や大きさの似た土地であっても、道路に接する面積が違ったり、隣地の建物の影響で日照状況が違ったり、前面道路が公道・私道で違ったりなど多種多様の差異が存在する。

結局は不動産の価格は売主と買主の二者間の交渉によって決まる。

そのため仲介業者の売却査定は全て鵜呑みにすべきではなく、参考程度に留めておくべきなのだ。

(2)不動産は「時価」で「より資金力のある買主に」売却すべき

「時価」とは特定の売主と買主の間で、需要と供給のバランスによって決まる価格である。

多くの買主が欲しいと思う不動産で、買主同士の競争が働けば高値がつくであろうし、不動産自体の「利用価値」や「稀少性」が高い場合も高値がつくだろう。

このようにして競争の結果決まる価格が不動産の「時価」である。

また一口に買主と言っても、個人もいれば法人もいる。

一般的には法人の方が資金力に余裕があるため、高額な不動産であっても購入可能な傾向がある。

そのため自分が売却したい不動産が、法人に対して売れるような不動産なのか、それとも個人のマイホーム用地とし売るべき不動産なのかという見極めは重要である。

そのためにも十分な不動産の調査・分析を行い、どういった買主にどういう売り方で売るのかを事前に把握していないと、大きな損をしてしまうだろう。

(3)仲介業者は「不動産取引のプロ」ではあるが、「不動産全般のプロ」ではない

不動産といっても、マイホーム用地・店舗用地・工場や作業所・物流施設・戸建分譲用地・マンション用地など多くの種類がある。

仲介業者と一口に言っても、「マンション用地のプロ」、「マイホーム用地は得意だが店舗用地は苦手」など、得意分野もあれば苦手分野もある。

不動産の種類は多種多様であるため、一社でどのカテゴリの不動産についても精通しているという仲介業者は少ない。

また売主として仲介業者と専属媒介契約を結ぶと、契約期間内は業者の変更ができない(注意:故意または重大な過失がある場合は別)。

そのため、自分の売却する不動産がどういう不動産であるか分析し、初期の段階でその分野に強い仲介業者に依頼することが重要だ。

(4)売主は買主に比べて切羽詰まっていることが多い

高額で大切な財産である不動産を売るときは、多くの場合、売主には何らかの「売らなければならない事情」がある。

その一方で、買主は「条件が良ければ買う」のであって、売主ほど切羽詰まった事情はない場合がほとんどだ。

交渉においては切羽詰まった方の立場が弱いのは一般的で、これは不動産取引にも当てはまる。

買主に比べて売主の立場は弱くなりがちだが、取引を早く成立させようと売主の都合を充分に考慮してくれない仲介業者も残念ながら多数存在する。

売主側の事情も十分くみ取って交渉・取引を進めてくれる仲介業者を慎重に選ぶ必要がある。

(5)現実の不動産取引は「不完全市場」であることを知っておく

完全な市場とは、あるものを買いたいという買主がたくさんいて、それぞれの買主が価格をつけ、競争の結果一番高い価格を提示した買主が購入できるという市場だ。

しかし、不動産取引では買主は基本的に「早い者勝ち」で売主と交渉権を得ることになる。

売主と買主は一対一の関係になってしまい、他に高い値段を提示する買主がいても、実際の商談が始まってしまえばそういう買主の存在はシャットアウトされてしまう。

結果として買主同士の競争が働かず、一番高い価格を提示した買主が購入できないという不完全な市場となっているのだ。

不動産取引における売却査定の現場は、このように売主にとって不利になりやすい現実が多くある。

買主と対等な立場で公平な交渉・取引をしてより高値で不動産を売却するためには、事前にこれらの事実を把握し、必要な対策をとっておく必要がある。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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