実は難しい?シェアハウス経営はコンセプトがないと失敗する!

2020年12月16日7,746

近年、都市部を中心に人気を集めているシェアハウス。その波に乗り、投資としてシェアハウス経営を始める人も多い。

一見簡単そうにみえるシェアハウス経営だが、「コンセプトを固める」などポイントをおさえていなければ、かぼちゃの馬車騒動で失敗した人のように、大きな損害を負ったり、トラブルに巻き込まれたりする。

今回は、シェアハウス経営でどれだけ利益が得られるのか、コンセプトの重要性、メリット・デメリット、起こりやすいトラブル事例などシェアハウス経営を始めるにあたり知っておくべき知識と、具体的な始め方を紹介していく。

シェアハウス経営とは?ルームシェアとの違い

シェアハウスとは、ひとつの家を部屋ごとに複数人で共有して暮らす賃貸物件のことだ。リビングやキッチン、お風呂、トイレなどは共同利用して、個室ごとの賃貸契約となる。共用部分の清掃・管理などは大家側が定期的に行い、共用部の家電(電子レンジ、冷蔵庫、ガスコンロ、リビングのエアコンなど)、個室の家具などはあらかじめ用意されていることがほとんどだ。

初めての一人暮らしで心配、家具家電付きの物件がいい、地方から都会にでてきて友人がほしいなど、費用面の需要だけでなく幅広い交流を目的とした需要もある。

シェアハウスとルームシェアの違いとしては、一つの家を複数人でシェアするか、一つの部屋を複数人でシェアするかの違いだ。ルームシェアは、一つの部屋を複数人に貸していることから、契約者は1人である。

そんなシェアハウスを投資物件として経営するのがシェアハウス経営だ。シェアハウス経営は、物件を1戸または1棟まるまる購入し、部屋ごとに入居者を募集して賃貸契約を結ぶ。購入した物件の間取りをそのまま活用する場合と、リフォームして内装をシェアハウス用に作り替えて貸し出す場合がある。

リフォームせずにそのまま使用する場合は、部屋数が限られるがシェアハウス経営を辞めたくなった場合に別の投資方法に切り替えることが可能だ。

一方で、リフォームしてシェアハウス経営を行う場合は、部屋数を増やすことができ、より多くの収益が見込める。しかし、シェアハウス経営がうまくいかなかった場合に、別の投資方法へシフトチェンジすることが難しい。

シェアハウス経営はうまくいけばこんなに儲かる!

シェアハウスがどのくらい儲かるのか、いまいちピンとこない人も多いだろう。

ここでは、一戸建てを購入して一世帯を対象に戸建て賃貸する場合と、同物件をそのまま貸し出してシェアハウスにした場合の収益シミュレーションを見ていこう。

戸建て賃貸の場合のシミュレーション

東京都八王子市の5LDKの一戸建てで、物件価格1,250万円、融資期間20年で物件を購入し一世帯に賃貸した場合、収益シミュレーションは次のようになる。

■東京都八王子市5LDK(一世帯向け)

物件価格

1,250万円

想定家賃収入

120万円/年

ローン返済額

51万円/年

管理費

3.9万円/年

修繕積立金

3.6万円/年

固定資産税

10万円/年

火災保険

2万円/年

年間収支=想定家賃収入-支出合計=120万円-70.5万円=49.5万円

年間49.5万円の収益となり、戸建て投資としてはまずまずの収益といえる。しかし、月額の収益でみると約4万円。この物件の収益だけで生活することはむずかしく、ほかの物件を買い足すか、ほかの収入(給与収入など)を頼りにせざるを得ない。

戸建て物件をシェアハウスとして貸し出した場合のシミュレーション

上のシミュレーションと同じ物件を、シェアハウスとして貸し出した場合(リフォームなどはなし)の収益シミュレーションは次のようになる。(八王子のワンルームの家賃相場5.5万円のため、1部屋5.5万円での計算とする)

■東京都八王子市5LDK(複数世帯向け)

物件価格

1,250万円

想定家賃収入

330万円/年

ローン返済額

51万円/年

水道・光熱費・

インターネット

49万円/年

備品交換・修理

8.7万円/年

モップ交換・他雑費

3万円/年

修繕積立金

3.6万円/年

固定資産税

10万円/年

火災保険

2万円/年

年間収支=想定家賃収入-支出合計=330万円-127.3万円=202.7万円

初年度は、各部屋に家具の導入、鍵や扉の設置などが必要になるが、翌年度以降は年間約202万円の収益が見込める計算だ。利回りは20%以上となり、投資としてはかなり費用対効果が良いといえる。

シェアハウス経営のメリット・デメリット

シェアハウス経営は、良い物件を選んでうまく運営すれば、十分なキャッシュフローが得られる。収益だけをみると、かなり良い投資のように思えるかもしれないが、デメリットも存在する。シェアハウス経営でのメリットとデメリットをみていこう。

■シェアハウス経営のメリット・デメリット

メリット デメリット

・戸数が多くなるため収益が安定しやすい

・単位面積あたりの賃料が高くなる

・空室リスクを減らせる

・多目的な居住ニーズがある

・築古物件でも成功しやすい

・入居者同士のトラブルが起こりやすい

・利用者が限定される

・管理が大変

・共用設備の使用頻度が多く故障しやすい

・管理委託コストがかさみやすい

シェアハウス経営のメリット

シェアハウス経営には、「収益が安定しやすい」「単位面積あたりの賃料が高くなる」などのメリットがある。シェアハウスの賃料相場は、同エリアのワンルームとほぼ同じ価格帯であることが多い。

賃貸契約数とともに収益が多くなり、通常の不動産投資と比べて単位面積あたりの賃料を高くできる。また、1つの物件に数名の入居者がいるため、一戸建てでも一棟買いのような空室リスクの分散効果が見込める。

さらに、シェアハウスを選ぶ入居者の目的は、固定費などが大家持ちでワンルームに住むより生活費が安くなる、一人暮らしにはない他者との交流が得られるなどさまざまだ。入居を決めるポイントが物件の賃料や築年数だけではないため、築古物件でも成功する可能性が十分ある。

シェアハウス経営のデメリット

一方、シェアハウス経営にはデメリットも存在する。なかでも、発生しやすいのが「入居者トラブル」だ。シェアハウスでは、同じ居住空間に他人が一緒に暮らすため、入居者同士のトラブルが起こりやすい。

当人同士の問題で、大家は関係ないと思うかもしれないが、入居者同士の関係が崩れると退去(=空室)に繋がるため、軽視することはできない。場合によっては、仲裁に入ったり相談にのったりして対応する場合もあり、賃貸経営以外の部分でも手がかかる。

また、キッチンやトイレなどを共同使用するシェアハウスでは、共用設備の使用頻度が多くなり故障を起こしやすい。利用者が限定的で、単身の学生や外国人の入居比率が多くなりやすいというのも、入居者募集の幅がせばまるためデメリットといえるだろう。

「コンセプト」は超重要!シェアハウス経営でよくある失敗例と成功に必要なもの

シェアハウス経営を始めようと、漠然と部屋をいくつか作るだけでは失敗に終わる。ここでは、シェアハウス経営のよくある失敗例と成功に必要なものを紹介していく。

始める前に必ずチェック!シェアハウス経営でよくある3つの失敗例

よくある失敗例1.シェアハウスの「コンセプト」がない

よくある失敗1つめは、シェアハウスの「コンセプト」が決まっていないことだ。「部屋を貸すだけなのにコンセプト…?」と思うかもしれないが、シェアハウスにとってコンセプトは、もっとも重要だといっても過言ではない。コンセプトを決めなければ、特徴も魅力もない誰にも求められない普通の物件になってしまう。

よくある失敗例2.居室面積が狭すぎて募集ができない

2つめは、居室面積が狭すぎてポータルサイトで入居者募集ができなくなるケースだ。シェアハウスの入居者を募集する際、ポータルサイトでの集客がメインとなる。

ポータルサイトでは7㎡以上でないと掲載不可など居室面積の決まりがある場合が多く、その規定を知らずにリフォームをしてしまえばポータルサイトを使って入居者を集めることができなくなってしまう。

よくある失敗例3.こだわりすぎて収支が合わない

3つめは、内装にこだわりすぎてリフォーム費がかさんでしまうパターンだ。コンセプトや世界観を大切にするあまり、内装やインテリアにお金をかけすぎてしまう人がいる。

また、そもそも清掃費や水道光熱費などの管理費を収支計算に入れていないために実際に運営が始まると思ったほど利益がでないというパターンもある。投資としてシェアハウス経営を行うのであれば、しっかりコスト意識をもたなければならない。

シェアハウス経営に必要なのは「コンセプト」!

失敗例でもふれたが、シェアハウス経営でもっとも重要なのは「コンセプト」の設定だ。シェアハウスに住みたいと思う20~30代の人たちの目的は、ただ安く住みたいというだけではない。共通の趣味をもった人や普段出会わない人と交流したい、同居人同士で趣味や考え方をシェアして自分の世界や視野を広げたいという人も多い。

入居希望者は、「心地いい空間」を求めてシェアハウスの選定をする。それは、内装など物件の雰囲気だけでなく、そのシェアハウスに集まっているのがどんな人たちかということも含まれる。

音楽好きが集まるシェアハウス、起業家を目指す人向けのシェアハウス、可愛らしい内装にとことんこだわった女性向けシェアハウスなど、ユニークなシェアハウスが続々と登場している。そんななか、このシェアハウスに住みたいと思わせるコンセプト設計をすることがとても重要なのだ。

資格は不要!シェアハウス経営の始め方

シェアハウス経営は、資格不要で誰でも始めることができる。シェアハウス経営のおおまかな流れは次のとおりだ。

はじめに、コンセプトとターゲットを考える。どんな層(性別や年齢、趣味、志向など)を狙い、どんな雰囲気の物件にして、どのような設備を導入するかを考える。

つぎに、コンセプトに合った物件を選び、初期費用などを計算して、どのくらいの家賃なら利益がでるか、周辺競合物件との家賃差はないかなどの確認をしておく。価格や入居需要に問題がなさそうであれば物件を購入し、必要であればリフォームを行う。

シェアハウスの管理を自分で行わないのであれば管理会社を選定・依頼し、入居者を募集すれば、いよいよシェアハウスの運用がスタートできる。

シェアハウスの入居者募集に有効なサイト3選

シェアハウスの入居者募集には、専用のポータルサイトがよく利用される。有名なサイトを3つ、特徴とともに紹介していこう。

おしゃれ&おもしろ物件多数!「ひつじ不動産」

はじめに紹介するのは、おしゃれなシェアハウスや、おもしろいコンセプトの物件をメインに取り扱っている「ひつじ不動産」だ。物件掲載の依頼はメールで行える。また、シェアハウス経営の無料セミナーも開催しているため、学びたい人や相談したい人は足を運んでみるといいだろう。

登録数2,500件以上!日本最大級のシェアハウス検索サイト「Share Share」

つぎに紹介するのは、シェアハウス専用のポータルサイトとして日本最大級の「Share Share」だ。掲載の申し込みは、専用フォームと電話で受け付けている。問い合わせをすれば、ヒアリングから現地調査とプランの提案まで行ってくれるため、「何からはじめていいかわからない」という初心者にもおすすめだ。

東京でシェアハウスを探すならココ!「TOKYO SHAREHOUSE」

最後に紹介するのは「TOKYO SHAREHOUSE」だ。名前のとおり、東京のシェアハウスをメインに取り扱っているため、サイトを閲覧する人は「東京に住みたい人」に絞られる。東京に物件を保有しているなら登録するといいだろう。物件掲載はサイト内の「お問い合わせ」から可能だ。

シェアハウス経営、ぶっちゃけ大変?実際にあったトラブル事例9つ

シェアハウスでは、他人同士が一緒に暮らすため、住人トラブルが起こりやすい。シェアハウス内の人間関係が崩れると退去の原因となるため、トラブルはできるだけ回避しなければならない。実際にどのようなトラブルが起こっているのか9つのトラブル事例を紹介していく。

1.食べ物のトラブル

シェアハウスでは、キッチンに置かれた冷蔵庫を共有で使うことが多い。自分が購入した食べ物や飲み物が、いつの間にかなくなっているというトラブルがよく起こる。また、冷蔵庫に入れっぱなしで食べ物を腐らせたりしてトラブルになる例もある。

2.金銭トラブル

入居者同士のお金の貸し借りで金銭トラブルが発生することもよくある。同じ家で共同生活をしているとはいえ、実際は赤の他人だ。お金の貸し借りは基本的に避けるよう住人に促す必要がある。また、部屋においてあるお金を勝手に使われたり、共用部分に置き忘れたお金を盗られたりするなどのトラブルも起こりやすい。

3.恋愛トラブル

男女共用のシェアハウスでは、恋愛のトラブルが起こりがちだ。なかには、シェアハウス内で複数人と関係をもっている人がいて一気に関係が悪化するケースもある。付き合っているうちは問題ないが、別れた場合にケンカになったり気まずくなったりして退去へ繋がるケースもある。

4.片付けのトラブル

共用部分の使い方をめぐってもトラブルが起きる。部屋が散らかっているかどうかの基準は人それぞれで大きく異なる。いつも共用部分を片付けない人がいて、特定の人が不愉快な思いをしていたりするとストレスが溜まりクレームに繋がる。曜日ごとに掃除の当番制を設けるなど、しっかりとルールを決める必要がある。

5.共用部分の使用時間のトラブル

シェアハウスでは、朝のトイレや、夜のお風呂など使用が集中する時間は共用エリアが混みやすい。そのため、使用時間の制限を設けているシェアハウスも多いが、時間を守らない人がいたりするとルールを設けていてもトラブルが起こる場合がある。

6.騒音トラブル

シェアハウスでは、一人ずつ個室があるといっても、夜中の共用部分での話し声など騒音が問題になることも多い。入居者の中に生活時間が合わない人がいれば、夜中に生活音がして眠れずトラブルに発展するケースもある。

7.勧誘トラブル

宗教やマルチ商法などの勧誘をされることもよくあるようで、どのシェアハウスオーナーも勧誘は禁止している。しかし、入居者の友人が勧誘を行うなど、トラブルは後をたたない。禁止事項を破った際のペナルティ設定も考えたほうが良いケースもあるだろう。

8.プライバシー侵害のトラブル

まれに、郵便物を勝手に開けられたり、部屋を覗かれたり、プライバシー侵害のトラブルが起こることもある。ストーカーをされたり、盗聴器が発見されたりなど、警察沙汰になりかねないため、少しでも苦情がでた際はすぐに対応しなければならない。

9.人間関係のトラブル

人間関係のトラブルは、男女の恋愛問題だけではない。女性専用のシェアハウスにしても、入居者の間でいじめが起きたりする。また、長年住んでいる人がボスのような存在になってしまい、あとから入居してきた人がその人に従わなければならず、生活がしにくいなどのトラブルも起こりやすい。

他人同士が一緒に暮らすシェアハウスでは、些細なことがトラブルに発展しやすい。入居者が求める「住みやすさ」には人間関係も含まれるため、入居者同士のルールを明確にして、トラブルが起きないよう、臨機応変にうまく対応する必要がある。

そもそも、シェアハウスでは、人との共同生活を避けられない。人と話したくない、少しの物音でも気になってしまうなど神経質な人はシェアハウスに向いてない。入居前の時点でそのあたりの認識を共有するなど事前の対応も必要になってくるだろう。

シェアハウス経営には向き不向きがある

近年、どんどんニーズが高まり増加傾向にあるシェアハウス。

ターゲットを決めコンセプトを設計するなど、通常の不動産投資とは違った面白みがある一方、入居者同士のトラブルに対応したり、入居者を自分で募集したり、意外と手がかかる。時間をどれだけ割けるかが成否のポイントになってくるが、それでいうと、昼間の仕事をしている会社員などの副業としてはあまり向いていない。

会社員の投資として考えるなら、シェアハウス経営だけでなく、不動産投資という手もあるため、自分に合った投資方法を選ぶといいだろう。不動産投資ユニバーシティでは、1日1通のメールを読むだけで、月収50万円の副収入が得られる「無料メール講座」を配信しているため、ぜひ登録してみてほしい。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
詳細プロフィール

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