デッドクロスに陥ると危険な状況になる

2020年12月18日1,294

不動産を所有していることにより減価償却によって大きな節税が可能である。

ただしその一方で、デッドクロスの仕組みをよく理解しておかないと、危機的な状況を招く場合がある。

「デッドクロス」の概念を知る

ローンの返済方法を元利均等返済にしていた場合、ローン期間が経過して返済が進むと、金利の返済分が減って元金返済分が増えてくる。

ローンの返済金で会計上、経費として処理できるのは金利部分のみである。

元利均等返済において元金の返済分が増えてくるということは、減価償却費を計上することが可能な耐用年数がなくなってくる、場合によっては耐用年数が経過してしまい減価償却費を計上できなくなるということだ。

ここで、減価償却費とローンの元金返済の以下の違いについて理解してほしい。

  現実にお金が出ていくか 経費として計上できるか
減価償却費 出ていかない できる(節税対策になる)
元金返済分 出ていく できない(節税対策にならない)

当初は減価償却費を経費として計上し、通常は「減価償却費>元金返済分」となっているため支払う税金額を減らすことができるが、ローンの返済期間が長いとある時「元金返済分>減価償却費」となってしまう。

これを「デッドクロス」という。

ローンの元金返済分は減価償却費と異なり実際に手元からお金が出ていくのに、経費として計上できないために多額の税金を支払わなければならない状況だ。

借入金の返済原資は「税引後の純利益+減価償却費(減価償却費はキャッシュアウトしないため)」であるので、法定耐用年数が経過して減価償却費が計上できなくなると、返済原資は税引後の純利益だけになってしまい、キャッシュフローが急激に悪化するリスクが高くなるのだ。

金融機関が貸し倒れリスクを回避するために不動産担保融資を残存法定耐用年数以内に収めようとするのも、このデッドクロスを避けようとするためだ。

デッドクロスを回避するには

デッドクロスは以下のような物件で起こりやすい。

  • 築年数が古い物件(減価償却可能期間が短い)
  • ローンの借入比率が多い物件(元金返済額が大きくなる)

この特性を十分に押さえたうえで投資戦略を決定することが重要となる。

デッドクロスを回避するためには、次のような方法がある。

  • ローンの繰り上げ返済(減価償却期間が残っているうちに返済を済ませる)
  • 自己資金を加えて購入(ローン返済額を小さく、返済期間を短くする)
  • ローンを元金均等返済にする(金利支払額を平準化することで経費計上できる額を増やす)
  • 物件を売却する(ローン返済を売却代金で賄う。理論上は予定された減価償却費の残額も売却代金で回収できる)
  • 新たに不動産を購入することで、その分の減価償却費を計上する(減価償却費の総計を大きくする)

その他にも、ローンの借り換えで返済期間を延ばすことや、最初から融資期間を物件の耐用年数に収まるようにすることもデッドクロスを避ける手段になる。

ただし、ローン元本がなかなか減らない、減価償却費を利用して税金を繰り延べる節税を考えている場合は逆効果となるなどのデメリットも考慮して判断するべきだと言える。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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