サラリーマン大家の不動産投資法2(新築、中古)

2020年12月17日802

サラリーマンの不動産投資は、投資対象の物件が新築か中古かで手法が大きく異なる。

一般的な話として、新築の方が利回りが低いが安定した入居が見込める。

中古は利回りが高い場合があるが、玉石混合だ。

まずは新築への投資手法ついて述べようと思う。

新築投資の収益性が低過ぎる理由

サラリーマン大家が取り組む不動産投資で一番多いのが、いわゆる新築のワンルームを購入して賃貸に回す投資だ。

これは、都心部や中核都市の賃貸専用マンションの一室を2,000万円~3,000万円程度で購入するやり方である。

ワンルームは供給量の割に購入者による自発的な需要が極端に少ないため、家庭や職場に掛かってくる不動産投資に関する営業の電話により投資の勧誘を行っている。

少し勉強している人であれば「ワンルーム投資は全く儲からない」という説を何度も聞いたことがあると思う。

何故儲からないかと言うと単純に収益性が低いからだ。新築ワンルームは、建築の計画と販売を行うデベロッパーの利益が価格にふんだんに乗っているため、かなり割高な商品に仕上がっているのだ。

ワンルームマンションは一戸当たり600万円で建つと言われている。

それに土地の価格が加わっても、都内23区で一戸当たり1,500万円程度だろう。デベロッパーはこの普通に建てた場合の原価(1,500万円)に1.5倍程度の利益を上乗せした売値をつける。

それにさらに販売会社が貰い受ける手数料が5%程度乗ることになるのだ。

1,500万円で建てたものを2,500万円で売るのだ。

このような値段設定の商品を普通に市場に出しても売れないので、自社または販売会社で多くの営業マンを雇い果敢な営業活動をしているのだ。

ここまで読めばわかると思うが、新築ワンルーム投資を何故避けるべきなのかというと、割安な物件が全くないからである。

それどころか、適正な値段の物件を探すことすら難しい。

中古物件は、相続や本業で資金が必要になったなどさまざまな理由により安く市場に出るケースがある。

これが新築物件の場合は、中古物件のような行き当たりばったりで売却しようと考えるケースはない。

不動産のプロであるデベロッパーがより高く売れるよう綿密な計画を練って販売を行いるからだ。新築ワンルームにおいては、値付けを間違えて割安な価格設定にしてしまうことは100%あり得ないのだ。

景気が悪い時期に安く購入出来たなどの理由により、結果的に後から考えると割安に購入できている例は当然あり得る。

ただし、これは相場全体がその後で上がったからというのが値上がりの理由だ。決してもともと割安に買えていたわけではない。

これと同じことは、自分が住むように購入するマンション(業界用語で言う「実需物件」)でも同じことが言える。

三井、三菱、住友などの大手のデベロッパーが計画する新築のファミリーマンションは、綿密なマーケティングと価格維持のためのブランド戦略が行われている。

あの手この手で値崩れが起きないようにしているのだ。周辺より安く価格が設定されている物件があるとすれば、その理由が必ずあるはずだ。

例えば、建具や内装のグレードが異なる、駅からの距離が違う、共用部の充実度が異なるなどだ。また同じ駅でも、線路の北側と南側で立地のグレードが大きく異なると見なされることはよく起きる。

私は決して新築そのものが良くないと言っているわけではない。業界の仕組み上、新築物件は割安なものが全くないことがお勧めしないことの理由だ。

新築ワンルームの収益は最初から赤字になる

参考に具体的な数値を用いて計算してみよう。

新築の25平米の1Kのマンション一室を2500万円で購入した場合、利回りは4%台でも新築市場では全く違和感のない水準だ。

中古の物件ばかりみているとあり得ない利回り水準だが、これが新築業界で標準となっているリターンの割合だ。

これを金利2%のノンバンクで融資を受けて購入すると、確実に最初から赤字になる。

ワンルームは修繕積立費や管理費がかかる上に、価格の割に金額は少ないが固定資産税も当然掛かる。

販売会社から出してくる想定シミュレーション上でさえ、月1万円~2万円程度の出費が伴う物件を良くみかける。

最初はすぐに埋まるだろうが、5年を過ぎて2回転したあたりから、同じ家賃では徐々に決まらなくなる。

そうなった場合に取れる行動は、家賃を下げるか、空室のまま頑張って募集を続けるかの二択だ。

年月が経てば家賃は下がるので仕方ないが、毎月のローンは減る訳ではないので、さらに苦しくなる。

このような投資としてイマイチな物件を、どのようにワンルーム販売会社が顧客に対して売っているのかを知っているだろうか?

投資の比較対象を中古の物件にしては、全然うま味がないということがすぐにわかってしまうので、生命保険と比べて営業することが多い。

生命保険に入っている人は、月数万円程度を生保会社に払っている人は多く存在する。

生保を解約し、そのお金を老後資金のためのマンション投資への乗り換えるための費用に充ててもらうような営業トークをするのだ。

もしくは比較対象を最初から設けず、「年金代わりにマンションを購入しましょう」などの謳い文句で営業を行っている。

良く考えられている営業トークだと感心するが、頼みもしないのに営業マンが提案「いい商品だから」と提案してくる金融商品にまとものものはまずない。

このマインドを持つことは、騙されないためには重要だ。

自分で企画する新築投資

ここまではワンルーム投資の話しを重点的に行ったが、新築投資は他にも手法がある。

自分で土地から仕入れ、一棟をまるごと建てるやり方だ。自分で土地を見つけてきて、建築会社と相談して設計図を書いてもらうことになるので、不動産投資の中でも難易度は高い部類の投資法となる。

デベロッパーに丸投げしてアパートを一棟を建てることも可能だが、これは上記のワンルーム投資と同じく収益性が低い構造になっている場合が多い。

自分で計画して建てる際に重要なのは、とにかく安く仕入れることだ。土地も割高に購入し、建築会社の見積もりも言われるがままで発注してしまっては、自分で計画して建てたところで収益性が低い物件しか出来上がらない。

土地を仕入れる際は形状が悪い旗地などをあえて選ぶのだ。建物の設計は、容積率、建蔽率なども勘案しながらギリギリの広さを取れる図面になるように建築士と綿密なやり取りを行う。

施工は分離発注を行い、建材ごとに見積もり精査することにより建築コストを極限までカットするのだ。

これが実現できれば、都心部でも新築で8%以上の表面利回りが作れるケースはある。

ただし、上記の通り多くの知識と経験が必要なうえに、計画から竣工までの期間も1年以上はかかることになる。

まだ物件を持っていないが1棟の新築投資をしたい場合は、デベロッパーが企画している提案をそのまま検討するのも手だろう。

中古物件の中には割安な物件が存在する理由とは

では、ここからは中古物件の話に移そう。

中古と一口に言っても、築数年の築浅物件から築50年の物件まで市場には条件の異なる様々な中古物件が出回っている。

中古物件市場の傾向としては、築10数年経ってからの物件が市場には多く売りに出されており、中心となるのは築15年~30年の物件が多い。

逆に築5年以内の収益物件はあまり市場に出てこない。これは、築浅の物件は、売却しても利益を得られない場合が多いので、売り出す人が少ないのが理由だ。

10年以上経つと家賃も下落してくる兆候が顕著に出て来る。外壁や屋上防水などの大規模修繕も視野に入れる必要が出て来るだろう。

キャッシュフローも溜まってきて、売却時に入ってくるお金と合わせれば投資資金を十分回収できると段階だと判断すれば、築15年前後ぐらいのタイミングで売ることを考える人が多く出ることは想像に難くない。

中古物件を狙うことの最大の理由は、数が少ないながら割安な物件が存在するからだ。ただし注意が必要なのは、中古物件だからと言って全てが割安なわけではない。

いい物件は1000に3つしかないという言葉もある通り、中古物件のほとんどはワンルーム投資と同じ水準の収益しか生まないぐらいの利回り水準となっている。

しかも新築と違って保証がつかないので、場合によっては新築よりも良くない投資になってしまう可能性も十分ある。

しかしながら、良い物件を探す活動をしっかりと続けていれば割安な物件には必ず巡り合える。こういう物件を揃えられれば、資産を大きく拡張することが出来るだろう。

営業マンの言うとおりに進めていれば、低位安定的な物件を購入できる新築ワンルーム投資とは違い、中古物件は自分次第で良い投資にも悪い投資もなり得る。

誰も保証はしてくれないので自分で考えて決断するしかない。

融資も場合によっては自分でアレンジする必要があるので、自分がどの銀行を使えるのか、対象エリアはどこで築何年ぐらいの物件なら購入できるのかを理解しておく必要がある。

いい物件は購入したい人も多く競争が激しい。しっかりと仲介会社と関係を作る努力をしていれば、割安な物件が出て段階で真っ先に紹介してもえるかもしれない。

そして何よりも重要なのは、自分自身がすぐに数千万円の物件購入の返答ができるだけの、心づもりを持っておくことだ。不動産投資の実績があり、気軽に相談が出来る人が身近にいればなおいいだろう。

私自身は割安な中古物件ばかり狙って購入しているが、確度の高い買い付け申し込みを10件-15件入れてやっと1件買えているぐらいのペースだ。概要資料の確認はその50倍以上はやっている

中古は新築よりも格段に物の良し悪しが分かれる上に競争も激しい。不動産投資に関するしっかりとした知識に加えて圧倒的な行動力が必要だ。

しっかりと知識を学ぶ姿勢があり、物件購入に向けて多くの努力を払える人にとっては、中古物件への投資は資産形成ができる大きなチャンスになり得る。

この記事の監修者

不動産投資ユニバーシティ代表 志村義明
大学を卒業後、大手シンクタンクに入社。リテール金融ビジネス向けの業務に従事。愛知、埼玉、山梨等で不動産賃貸業を展開し、会社員時代に合計100室超を購入。高利回り物件の投資を得意とし、保有物件の平均利回りは16%超にのぼる。現在は不動産会社(宅地建物取引業者 東京都知事(2)第98838号)を経営。
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