「収益還元法」をマスターすれば、物件の高値掴みは激減する

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「収益還元法」をマスターすると、収益物件の価格算出を自分の手で出来るようになる。

収益物件などの不動産を購入検討する際に、誰しも一度は抱く疑念が「相場より高値掴みしていないか?」であろう。

そこで不動産投資家が出来ることは、「物件の価格の算出方法」を知って、その計算式に「不明確な要素」がないかチェックする術を身につけることだ。

このチェック法が身に付くと、物件を高値掴みしないのはもちろんのこと、優良物件を見つけ出す確率も大きく増すだろう。

今回はその「物件価格の算出方法」について説明していこう。

最も覚えておきたい「収益還元法」

価格算出方法には、代表的なものが3つある。

「収益還元法」「原価法」「取引事例比較法」だ。

それぞれ簡単に説明すると以下の通りになる。

①「収益還元法」
不動産から将来的に生み出される価値を、現在価値に割り引いて不動産価格を決定する方法
②「原価法」
対象の不動産を、仮にもう一度建築した場合にいくらになるか(再調達原価)で不動産価格を決定する
③「取引事例比較法」
対象不動産と条件が近い物件の取引事例を多く収集し、補正や修正を行いながら不動産価格を決定する

この中で、収益物件の価格算出方法として一番適しているのが「収益還元法」で、「収益還元法」はさらに2つに分けられる。

「直接還元法」と「DCF法」である。

①-1「直接還元法」
物件周辺の取引事例から利回り水準を計算し、そこから物件の価格を逆算していく方法
①-2「DCF法」
「ディスカウントキャッシュフロー」の略語で、「お金には時間的な価値がある」ことを前提に、将来の金額を現在の金額に巻き戻して考える方法

ここでは不動産投資家が実際に自分で計算しやすい「直接還元法」の計算式を具体的にみていこう。

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例えば、「直接還元法」で計算すると、1年間の収益が160万経費が60万還元利回りが8%の場合は以下のような計算式となる。

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つまり、不動産から発生した年間収益(家賃収入ー経費)を、還元利回り(期待利回りとも言う)で割り戻して、不動産価格を算出するのである。

収益還元法で大切なのは「レントロールの精査」

ここまで読んで「なんだ、簡単だな」と思った方も多いと思うが、実はこの計算式の構成要素である「収益」「経費」「還元利回り」をより正確に出す作業が最も肝心なのである。

 例えば「収益」とはもちろん家賃のことであるが、これをきちんと調査するには物件のレントロールの確認が必須だ。 

レントロールとは以下の図のようなもので、部屋の賃料・共益費・敷金・礼金と入居時期が記載されているものが一般的である。

【レントロール:サンプル】

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上記のレントロールのサンプルのうち、101号室と102号室を比べて欲しい。

面積は同じでも、101号室の賃料は78,000円で102号室の賃料は73,000円5,000円もの開きがある。

また、101号室は敷金が2ヶ月分なのに対して、102号室は1ヶ月だ。

この賃料・敷金の差は入居時期に大きく関係している。

契約期間の項目を見てもらうと、どの契約者がいつ入居したかが分かるだろう。

そして、ほとんどの賃貸物件は、まだ物件が新しい時期に高い家賃で入居した入居者が、そのまま高い家賃を払っている場合が多い。

つまり、高い家賃を払っている101号室や201号室が退去してしまえば(単身者の最多居住期間は2〜4年のため遠からず退去となるだろう)、満室想定家賃は大幅に下がるということだ。

また、1つある空室の想定家賃も、102号室の73,000円と良くて同等か下がる可能性もあるだろう。

さらに細かく言うと、学生の入居者の居住期間は社会人より短いため、102号室は更新が望めない可能性が高い。

また、一般的に男性入居者の方がこだわりが少ない場合が多いため、男性が入居出来ても女性だと渋ってしまう物件の場合は、ターゲットが半分になってしまう。

そのため、女性入居者が多い物件の方が、入居付けが楽だと想定出来るのだ。

以上のように、大切なのは「収益」の中身であるレントロールを細かく検証して、より正確な満室想定家賃を出すことだ。

物件を購入してすぐに家賃が下がってしまったのなら、「想定より高値掴みしてしまった」と言っても過言でないからだ。

上記と同じ理由で「経費」もより正確に出すことが大切だ。

・税金

・管理費

・修繕費

・大規模修繕積立金

などのメインの経費から

・通信費

・エレベーター修繕費

まで、判明している経費はもれなく含めて計算したい。

Finance analyst looking and financial reports

収益還元法での「還元利回り」の設定とは

最後に「還元利回り」の設定である。

「還元利回り」とは「期待利回り」「キャップレート」とも呼ばれ、不動産取引の中でも頻出する概念であるが、計算法は存在しない。

一般的には、「類似不動産との取引事例の比較」から求める場合が多いのだ。

つまり、同じ地域の似たような物件が7%の利回りで取引されていたら、その物件より「築年数が古い」「駅からも1〜2分近い」の条件を加味して、7.5%に設定しよう等の決め方になる。

どうしても個人の希望的観測が入ってしまうが、ここで「8%の還元利回りで購入出来ればお買い得」「7.5%なら想定通り」「7%なら一旦保留」のような目安を予め自分で作っておくと、「お買い得価格」と「割高価格」を自分でしっかりと持って不動産取引の望めるため、「高値掴みしていないか?」などの価格面での不安要素は減るだろう。

また、全国の想定利回りは不動産サイト「HOMES」内の「見える!賃貸経営」(http://toushi.homes.co.jp/owner/)で確認することが出来るので、1つの基準とすると良いだろう。

収益還元法では「計算式の要素」への正確さが大切

さて、物件価格の算出方法で一番計算のしやすい「収益還元法」を説明してきた。

ここで大切なのは、その計算式ではなく、計算式の構成要素である「収益」「経費」「還元利回り」をいかに正確に出すかであるかが分かって頂けたかと思う。

また、これらの算出のために、「レントロールを精査」したり「経費を見積し直し」たり「数パターンの還元利回りを出し」たりしている内に、不動産投資の知識は間違いなくスキルアップするだろう。

物件を高値掴みしないためにも、不動産投資家としてレベルアップするためにも、収益還元法で物件価格のチェックをする習慣を身につけることをお勧めする。

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